学部・大学院研究科長メッセージ

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亀井 栄治

 大学院都市情報学研究科(都市情報学専攻)は、修士課程が平成11(1999)年4月に、博士後期課程が平成13(2001)年4月に、名城大学可児キャンパス(岐阜県可児市)に設置されました。都市情報学部(平成7(1995)年4月開設)の掲げた目標である「都市問題の解決」と「未来の都市創造」について、さらに深く探求し、都市情報学を考究することをめざすためです。

 『都市』はいうまでもなく、「私たちが日々暮らしている環境」に他なりません。私たちは、自分たちをとりまく環境なしでは生きられず、私たちにとって、環境は最も真剣に取り組むべき対象であるといえます。また、環境といっても、都市環境、居住環境、自然環境、地球環境、... など、非常に広範囲・多岐にわたり、それぞれが独自の特徴や種々の課題を抱えていることは論を待たないでしょう。学部に比べて、より専門性が高い大学院ですが、都市の抱えるさまざまな問題に取り組むためには、多方面の知見やノウハウを総合的に生かし、加えて、情報処理の技術と手法(IT)を用いて取り組む必要があり、都市情報学部と同様に、都市情報学研究科においても多方面の専門家を教員として有し、「社会システム学」と「都市創造学」の2つの専修分野から1つを選択することで、文系・理系の枠にとらわれることなく、いろいろな知識を横断的に学べ、都市情報学についての知見を深めることを可能としてきました。

 研究科の設置以来、可児キャンパスにおいて、私たちは教育・研究を展開してきました。そして、平成29(2017)年4月に、開設して1年経ったばかりの真新しいナゴヤドーム前キャンパス(名古屋市東区)に都市情報学部とともに移転し、現在の姿となりました。その間にも、社会は大きく変化し、私たちが道具としてきたITにもめざましい進展がありました。コンピュータそのものの進化は言うに及ばず、たとえば、データ・サイエンスにおけるビッグ・データの取り扱い手法や、AIにおけるディープ・ラーニングの技術が典型的です。これらが、これ以後の都市情報学にとって、非常に頼もしい道具となり得ることは想像に難くありません。また、インターネットに代表される「ネット」環境は、私たちの日々の暮らしを大きく変えようとしているばかりか、私たちに価値観の転換さえも迫っているほどです。SNSやIoTの社会への普及は身近な例であり、好むと好まざるとにかかわらず、私たちは急激に変化する社会に否応なく順応するように迫られているといっても過言ではないでしょう。今日、都市の姿は急速に変容しつつあり、そのスピードはますます加速するばかりです。そのような中にあって、都市情報学の果たす役割はますます重要となり、都市情報学研究科には、社会への多大な貢献が期待されているといえます。

 都心の真新しいキャンパスで、都市に関するさまざまな知識についての専門性を高めながら、自らの住む環境について、深く研究してみませんか。みなさんとキャンパスでお会いできることを楽しみにしています。

研究科長 亀井 栄治

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