名城大学通信 43 [2012 winter]

名城大学通信 43 [2012 winter] page 13/40

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宮城県気仙沼市の大島復興のために本学が実施している3回目の現地ボランティア活動「東日本大震災復興ボランティアプロジェクト・よみがえれ大島」が12月3、4日に行われました。学生30人による作業ボランティアのほ....

宮城県気仙沼市の大島復興のために本学が実施している3回目の現地ボランティア活動「東日本大震災復興ボランティアプロジェクト・よみがえれ大島」が12月3、4日に行われました。学生30人による作業ボランティアのほかに、同行した管弦楽団員34人による演奏会も開かれ、島の人たちの感動を呼びました。学生たちが行った現地作業は、大島の新たな観光資源として計画されているツバキ林を造成するための雑木などの伐採作業。2日午後5時にバスで天白キャンパスを出発し、3日朝に大島入りした学生たちは雨の中で作業を開始。しかし、冷たい雨と強風のため作業は午前中で打ち切られ、午後からは大島小学校での管弦楽団演奏会の会場設営にあたりました。4日の作業は順調に進み、ツバキが自生する斜面を覆っていた雑草や雑木がていねいに取り除かれました。また、学生たちを引率した学務センターの樋口義博さんらは大島地区災害対策本部に白幡雄児本部長を訪ね、10月の24時間チャリティーランや学生食堂のチャリティーメニューで集まった義援金78万2227円の目録を手渡しました。3日午後3時から大島小学校体育館で開かれた管弦楽団演奏会には、強い雨と風の中にも関わらず、近くの仮設住宅の住民たちが続々訪れ、用意した100席余がほぼ埋まりました。管弦楽団に先立ち、仙台市から駆け付けた校友会東北支部の会員たちが、和太鼓演奏で会場の空気を盛り上げました。演奏会では組曲「仮面舞踏会」の「ワルツ」やディズニーメドレー、「川の流れのように」などが次々に演奏されました。ラストナンバーとなった「見上げてごらん夜の星を」の演奏では、思わず目にハンカチを当てる女性もおり、体育館はアンコールの拍手に包まれました。子どもと一緒に足を運んだという女性は、名城大学広報あてに「演奏会に行って来ました。とても素敵な演奏でした。オーケストラの生演奏などなかなか聞くチャンスがないので癒されました。素晴らしい活動、ご支援に感謝します。復興したら美しい大島にまたいらしてください」というメールを寄せてくれました。「食品と放射能」をテーマにした市民向け公開講演会が6月25日、天白キャンパス名城ホールで開かれ約400人が参加しました。東日本大震災による東京電力福島第一原子力発電所事故による食品の放射性物資汚染の広がりで、風評も含めた食への不安が高まっていますが、こうした不安に応えるため、農学部が中心となり、本学の東日本大震災教育支援本部が主催したものです。講演に先立ち中根敏晴学長があいさつし、「東日本大震災では、大学も社会的使命として復興支援での役割を突きつけられています。名城大学では生活支援、教育支援、研究支援の3つの本部を立ち上げ、生活支援では義援金集めのほか、被災地へのボランティア派遣、復興支援での清掃活動用のタオル集めなどの活動を展開していますが、こうした講演会やフォーラムも含めた息の長い支援活動に取り組んでいきたい」と述べました。引き続き、薬学部の高橋郁子教務技師(放射線取扱主任者)が「放射能、放射線、放射性物質ってなに?―正しい理解をするために―」、聖徳学園大学人間栄養学部の林徹教授が「食品を通じた放射能の影響」のテーマでそれぞれ70分の講演を行いました。高橋教務技師は福島原発での事故後、シーベルトやベクレルなど続々と登場する耳慣れない用語をはじめ、放射能と放射線についての基礎的な知識を中心に解説。農水省食品総合研究所放射線利用研究室室長や独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構の食品総合研究所所長などを歴任している林教授は、放射能で汚染された飲食物の安全性について講演。この中で林教授は「政府の基準値に基づいた飲食物が流通している限り、今回の原発事故で放射能汚染された飲食物の健康への影響は小さいものと思われますが、発表された数値を安全と考えるか危険と考えるかは、各人の立場や価値観によって変わってきます。例えば年配者の場合と幼子を育てている人とでは、同じ数値でも全く意味が異なるのです。一人一人がきちんと判断できるように、政府は得られた数値をすべて速やかに公開すべきです」と指摘しました。管弦楽団が同行し第3回大島ボランティア「食品と放射能」で東日本大震災を考える公開講演会高い関心、市民ら400人が参加12 43