名城大学通信 43 [2012 winter]

名城大学通信 43 [2012 winter] page 8/40

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名城大学のホームページで「名城大学きずな物語」のような読み物風の連載が企画されたのは初めてです。中部地区の私立大学では最大の1万6000人の学生、17万人にも上る卒業生を有する名城大学。規模が大きいことで発....

名城大学のホームページで「名城大学きずな物語」のような読み物風の連載が企画されたのは初めてです。中部地区の私立大学では最大の1万6000人の学生、17万人にも上る卒業生を有する名城大学。規模が大きいことで発揮されるパワーやスケールメリットが大きい一方で、声を掛け合うこともなくすれ違うだけの学生たちも少なくありません。それは社会の縮図のようでもあります。そうした中で、東日本大震災の復興支援として表れたさまざまな動きは、キャンパスでの絆を再発見するきっかけを与えてくれたとも言えます。象徴的だったのは、ボランティア協議会の学生たちが4月中旬から呼び掛けた、被災地での家屋清掃活動などに必要なタオル集め運動でした。名付けて「3万枚の奇跡?被災地に届け私たちの思い?」という大作戦です。「1万6000人の学生が1人2枚提供すれば簡単に達成できる目標」。朝のキャンパス、昼の放送でタオル提供を呼びかけたスタッフの1人、法学部きっかけは「3万枚の奇跡」大作戦07433年生の上野航輔さんも最初はそう信じて疑わなかったそうです。ところが現実は甘くはありませんでした。4月27日までに集まったのは628枚。4月中の目標達成を楽観していた上野さんたちにとって厳しい数字でした。5月に入っても大型連休中ということもあって苦戦が続きました。5月31日で4524枚。目標にはまだまだ遠い数字でした。広がった応援の輪学生たちの奮闘ぶりを見守っていた人たちはたくさんいました。「使い込んだタオルだと受け付け窓口には持ち込みにくいのでは」という職員のアドバイスで、キャンパス各所に回収箱が設けられました。職場単位での提供も目立ち始めました。さらに「名城大学メールマガジン」で学生たちの苦戦ぶりを紹介しながら、「3万枚の奇跡作戦への応援の輪を広げませんか。提供いただけるタオルがありましたら、送料は自己負担となりますがお送りください」と呼びかけました。学内での口コミが中心だったタオル集めが、学外に発信された効果は予想以上でした。学生たちの活動は新聞やテレビでも紹介され、届けられるタオルは雪だるま式に増え続けました。7月5日、ついに3万枚を超え、3万903枚に達しました。奇跡は起きたのです。続々届いた声学生たちの行動に、自分の青春時代、大切にしていた思いを重ね合わせた手紙やメッセージをタオルと一緒に寄せてくださった方々もたくさんいました。1969年法学部卒業生で、本学評議員でもある静岡県磐田市の鈴木彰二さんは、名城大学時代、雄弁会に所属。3年生の時は中部地区の雄弁連盟の委員長も務めました。今回の学生たちのタオル集め運動は、鈴木さんが3年生の時、名古屋市の中区役所ホールで、一般市民にも参加を求めて企画した中部地区弁論大会での苦い思い出と重なりました。鈴木さんは、都心で開催するのだから500人くらい簡単に集まるだろうと読んでいました。ところが、200人集めるのがやっとだったのです。「計算上いとも簡単にできそうなことが実際にはなかなか実現できない。実社会ではよくあることです。しかし、意志あるところ必ず道ありです」。鈴木さんは学生たちへの激励文とともにタオル150枚を送ってくれました。阪神大震災同年に、名城大学教員としてドイツ語を教えていた弟を亡くした愛知県半田市の女性は、「亡き弟も願っているだろう復興への想いを伝えたく中古タオルを送ります」と29枚を送ってくれました。愛知県を旅行中に学生たちの活動を知ったという女性からは、タオルとともに同封した手紙に「名古屋市の出身です。友人にも声をかけて集めています」と書かれていました。「メルマガを読んだ時、母校にボランティア活動に熱心な学生がいるのだと驚きました」いう富山県庁職員の前川武洋さん(2001年理工学部卒)は、役員をしていた町内会に呼びかけ、タオル3000枚を集め送ってくれました。前川さんからは「学生たちには今回の活動以外にも、学生だからこそ出来※現在、タオルの回収は終了しています。