名城大学通信 44 [2012 summer] page 4/44
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0344小笠原理事長に聞くふすまいく習慣をつけたらいいと思います。「キャリアデベロップメントカード」ですね。学問は、どの先生に学んだかというのは非常に大事です。大学を卒業しても、社会人としてさらに勉強を続....
0344小笠原理事長に聞くふすまいく習慣をつけたらいいと思います。「キャリアデベロップメントカード」ですね。学問は、どの先生に学んだかというのは非常に大事です。大学を卒業しても、社会人としてさらに勉強を続けていくためには、大学で何をどの先生に学んだかをしっかりとインプットしておくことが重要だと思います。おしきせではなく、自らが選びとる姿勢が大事ですね。―学生時代にインプットされた先生はどんな先生ですか。マルクス経済学の鈴木鴻一郎先生です。宇野弘蔵理論の後継者でもある立派な先生ですが、興奮されると、何をしゃべっているのか分からなくなるほど熱のこもった講義をされました。ドイツ語の先生も強烈に印象に残っています。授業で習った中身は年月とともにアバウトになっていきますが、「この先生方に教わった」ということは忘れません。学生時代は襖張りのアルバイトをしました―遊びとかアルバイトも含め、どんな学生生活を送られましたか。遊びでは麻雀。アルバイトはいろいろと経験しましたが、技術レベルが一番高いとされたアルバイトは襖張りで、よくしました。襖紙の張り替えは結構難しい。訓練しないとしわが寄って、きれいに張れないんです。そこに目をつけた当時の大学学生課もえらいと思いますが、学生たちに何回も練習させて、その技術が認定された者にはペイの高い襖張りの仕事を紹介してくれました。奨学金をもらっていましたが、とても助かりました。現代版〝襖張り?ともいえる新種のアルバイトを開発してほしいものです。本はずっと読み続けています―本はよく読まれますか。学生時代も、銀行時代も、今も、本はずっと読み続けています。愛知県蒲郡市出身の宮城谷昌光さんの本は大好きで、中国ものは全巻を読みました。国語の素養のすごさに驚かされます。浅田次郎さんの「蒼穹の昴」「中原の虹」「マンチュリアン・レポート」は三部作ですが、これもまた素晴らしい小説です。女流作家では山崎豊子さんですね。取材力には敬服します。当時、ものすごく文学好きな役員がいました。山崎さんが「華麗なる一族」を書かれたとき、その中に登場させる銀行役員について、どんな生活パターンなのか、どういう発想をするのかを調べるため、その役員に何回も取材されていました。すごく取材をしっかりする人だと思いました。同じ高知県出身ということで宮尾登美子さんの作品も好きです。好きな言葉は「初心忘るべからず」―好きな言葉を教えてください。たくさんあります。一番好きなのは世阿弥が能について書いた「風姿花伝」という本の中に出てくる「初心忘るべからず」という言葉で、今年の附属高校の入学式でも話しました。言葉が簡単ですからいろいろな意味で使われます。先輩から「初心忘るべからず」と教えられた時には、「新入生だった時の気持ちをいつまでも忘れるな」「偉そうな顔をするな」という意味が強かった。仕事でノイローゼになるくらい苦しんで、前に進めないでいる時には、「ここは、原点に戻れ」という意味で使われました。もう一つ「謙虚であれ」という意味でも使われます。傲慢になると人の意見も聞けなくなります。「初心忘るべからず」の言葉は、大体この3何をどの先生に学んだかこそが大事―自分にとって大切な授業を見極める力が大切ということでしょうか。企業では、どういう仕事を積み上げてきたかをカード化した「キャリアパスカード」というものがあるように、自分の学びについてもカードを作ってみてはどうでしょうか。大学ではいろんな教科科目が用意されているわけですが、自分が4年間を通して、どういうことを学んでいきたいのかをカード化して、それをいつも見てふすまふうしかでん