ブックタイトル名城大学通信 49 [2015 Spring]

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名城大学通信 49 [2015 Spring]

附属高校レポート31附属高校レポート「科学と人間」「世界と私」新聞は情報の宝庫教育に新聞生かす「NIE」実践10年に手応え名城大学附属高校では、新聞を教材として授業に活用するNIE(Newspaper inEducationエヌ・アイ・イー)学習に2004年度から取り組んでいます。総合学科が新たに特色あるカリキュラムを設けたのをきっかけに始まり、現在では総合学科だけでなく普通科クラスでもさまざまな形で実践されています。開始当初から関わってきた岡充彦教諭(社会)は、「多くの教員が、情報を収集する力、情報を整理する力、発表する力をつけることができる教材としてNIEを認識するようになった」と、実践10年の手応えを語ります。附属高校は2005年度、2006年度の2年間、NIE実践校に指定され、6紙(朝日、毎日、読売、中日、日経、産経)の無料提供を受けました。期間は原則2学期(9月?12月)ですが、年間4か月間ということで、提供を受ける期間をずらすこともできます。当時の附属高校総合学科の2クラスでは、2年生の中国への修学旅行が実施されており、最初のNIE学習は、中国についての調べ学習でした。生徒たちは中国について、それぞれが関心を持った分野での新聞記事を集めました。新聞記事で探せない時はインターネットや図書館で本を探して調べを進め、日本と中国の文化の共通点や違いなど、それぞれが関心を持った情報を掘り下げていきました。修学旅行から帰ると、中国で見たこと、知ったことなどを記事として書き込み、写真を付けて新聞の形にまとめました。新聞紙面に割り付け、見出しをつけることは、何を強く表現したいのかというプレゼンテーション力の育成にもつながるからです。「中日新聞」3面に掲載されている人物紹介コラム「この人」は、新学期の新しいクラスでのコミュニケーションづくりに大きな力を発揮しました。1、2年生の各クラスで生徒たちがペアを組み、「この人」のスタイルで相手を取材し合います。趣味や特技、部活動などから始まって、どんなことを考えて、どんなことに努力しているのかなどを互いにインタビューし、クラス全員で「この人」を書きあげました。全員の作品が教室の後ろに張られ、生徒たちのコミュニケーションを深めるきっかけになっていきました。「プロの新聞記者が作成する『この人』は、限られた文字数の中に必要な情報が無駄なく盛り込まれています。相手から聞き出す力に加えて、相手に理解してもらうためにはどう要点を整理して、分かりやすく伝えるかなど、生徒たちはそれぞれの『この人』を作成しながら、コミュニケーション力を高めるには何が大切かを学んでいきました」と、岡教諭は指摘します。3年生の国際クラスでは、10年後の自分になりきった「この人」にも挑戦しました。どんな職業について、どんな仕事に取り組んでいるか。国際クラスの生徒らしく世界で活躍する「この人」がたくさん作成されました。講演で訪れた講師にインタビューした「この人」に挑戦する生徒もいます。調べ学習・まとめ学習での活用インタビュー記事「この人」の作成情報の収集、整理、発表力をつける教材としてのNIE中国では急激な経済成長の一方、投機目的で建設される高層マンションも多く、入居者が少ない「ゴーストタウン」が出現。この問題を取り上げた「新聞ノート」(2年生総合学科「探究入門」の授業で作成)10年後の友人について書かれた「この人」(2014年5月)