ブックタイトル名城大学通信 50 [2015 Summer]

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概要

名城大学通信 50 [2015 Summer]

06日本の大学で英語を学ぶ学生の場合、多くは留学という手段を経て語学力を身に付けていきます。なぜ英語圏に行くと語学力が伸びるのでしょうか。これは、周囲の環境が英語で満たされているからにほかなりません。英語での会話を推奨するなど、同様の環境をキャンパス内につくり、学内で英語力を高めるのが、本学の外国語学部の大きな特長です。学内で本物の英語力を身に付けるために、授業には欧州で確立されたCEFR(セファール)の到達度指標を取り入れます。例えば1年次から、全ての英語教員が同じテキストを使い、CEFRの到達基準に従い授業を展開します。1・2年次は週に5コマ、3年次からは週に3コマ、必修科目である英語を学びます。学内で英語力を高めると同時に、希望者全員が海外留学に参加できるよう充実した留学プログラムを設けています。ファーストステップでは1セメスターの集中英語プログラムに、セカンドステップでは身に付けた英語を活用する海外でのインターンシップなどにチャレンジします。留学によって高めた英語力を維持し、さらに伸ばす英語の自律学習の場として、キャンパス内にグローバルプラザも設置します。ここにはネイティブインストラクターが常駐し、学生のやる気をサポートすると同時に、人間学部や都市情報学部の学生との交流も生み出します。ますますグローバル化が進むこれからの社会。外国語学部は、英語を社会で役立つツールと位置付け、コミュニケーション能力をはじめ、国際社会に対する深い造詣や外国人と対等に仕事ができる実践力を養うことで、実社会で活躍できる人材を育成します。将来国際社会で活躍したいと考える意欲の高い学生の皆さん、外国語学部に期待してください。少子高齢化や交通問題など、人間の活動によって生じる都市問題を、ICTや数理などの理系の技術で解決するのが都市情報学部です。コンピュータサイエンスの20世紀を経て、21世紀はサービスサイエンスの時代だといわれています。例えば第2次産業でつくり出される製品が付加価値を持ったように、第1次から第4次までの全ての産業にサービスの要素が生まれ、サービス業は先進国のGDPの7?8割を占めるようになりました。そして、都市の社会問題を解決するのも、さまざまなサービスです。10年前に都市情報学部長に就任したときは、このサービスサイエンスをキーワードに研究・教育を実践しました。そして21世紀。科学技術の進化はスピードを増し、本来人間のために存在する技術が諸刃の剣になりつつあります。今こそ大切にしなければいけないのが人間の価値観であり、感性だと考えます。難しい計算はコンピュータにまかせればいい。それよりも人間がもっとも得意とする分野を伸ばすことこそ、都市問題の解決に必要であると考えました。そこで、新しいキーワードを「スマートユニバーシティ」とし、人間とICTが賢く共存する都市の実現をめざして研究を進めていきます。2017年4月に移転するナゴヤドーム前キャンパスは、まさに名古屋という大都市の中心部に位置しています。地域はもちろん、政府や企業とも連携できる恵まれた立地を生かし、お互いがお互いの知識や技術を必要とする3学部の融合によって、社会で活用できる実践力を養成します。将来的には社会人修士コースや博士コースの設置も視野に入れ、大きな一歩を踏み出していきます。国境を越えて複雑な問題を抱える現代社会では、物事を複眼的にとらえ、高いコミュニケーション能力を持った人材が求められています。そこで人間学部では、幅広い教養を身に付け、自ら行動を起こせる「実践的教養人」の育成を目標に、「心理系」「社会・教育系」「国際・コミュニケーション系」の3領域で教育を展開しています。学生は興味に合わせて3領域を専門的にも総合的にも学ぶことができ、国内外での充実したフィールドワークで実践力を磨くことができます。教員と学生の間の距離が近いのも人間学部の特長の一つで、1年次から少人数制のゼミがあり、勉学面を初めとするきめ細かい指導を教員が行っています。その結果、学部に対する満足度調査は例年80%以上。授業理解度も80%と高く、指導や教材に工夫を凝らす教員の努力も数字に表れています。幅広い教養と実践力を身に付けた学生は、社会からの評価も高く、就職率も好調を維持しています。こうした学部の雰囲気に魅力を感じるのでしょう。さまざまな活動を手伝おうと学生スタッフに応募する学生が多いのも、うれしい限りです。ナゴヤドーム前キャンパスでは、学生と教員の交流をさらに密にするため研究室の隣にゼミ室を配置。心理学実験室や社会・教育系の資料室も新設し、これまで以上に教育内容を強化していきます。また、1年次から学部でのキャリア教育をスタートし、スムーズな就職活動につなげていく予定です。特に3学部融合の核になるのではと期待しているのが、今年から人間学部で始まった基軸科目です。教養教育の導入として1年生230人を集め、人間学部だけではなく、法、経済、経営、理工、農、都市情報学部の教員が一堂に会して授業を行っています。学生が活発に議論するなど手応えを感じており、ノウハウを蓄積して、いずれ3学部共通の科目に発展させたいと考えています。楽しみにしていてください。グローバル社会での活躍をめざす、意欲の高い学生を待っています。複眼的な思考と実践力を備え、社会で行動できる人間へ。人の価値観や感性を生かし、伸ばす、スマートユニバーシティの実現をめざして。