ブックタイトル名城大学通信 51 [2016 Spring]

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概要

名城大学通信 51 [2016 Spring]

24パナソニックが開発した画期的なエアコンが、垣鍔教授の研究と一致。2016年3月、パナソニックは東南アジア6カ国で画期的なエアコンを発売しました。「SKY SERIES」と名付けられたそのエアコンは、天井に向かって冷気を吹き出して天井を冷やし、冷えたところに部屋や人の熱が移動する輻射という現象を利用して室内を冷やすシステム。体に冷風が直接当たるこれまでのエアコンとは異なり、自然な涼しさを感じることができる点が大きな特徴です。しかし、床暖房やオイルヒーターのような輻射暖房の効果を知っている日本人とは違い、暖房器具を使用しない東南アジアの人たちには、輻射冷房の効果が伝わりにくかったのです。「そこで取り組んだのが、アカデミックマーケティングです。機能の信頼性を高めるために、学術的な裏付けをしてくれる研究者を探し、世界中の論文を検索しました。見つかったのが、名城大学の垣鍔教授の研究だったんです」と黒木さん。垣鍔教授は検証試験のスーパーバイザーに。つながりは、未来に向かう。堀口さんも、「垣鍔教授の『天井面冷却による住宅内の温熱環境改善に関する研究』の論文を見つけた瞬間、『これだ!これしかない!』と思いました。その後、垣鍔教授がこの研究に長年取り組んでこられたことを知り、ドラマティックな出会いに感動しました」と語ります。また、垣鍔教授は「連絡をいただき、とりあえずマレーシアに行ったんです。大きな工場の一角に、これまでの研究が製品になった、そのものズバリのエアコンが目の前にあって驚きました」と当時を振り返ります。こうして生まれたつながりをもとに、垣鍔教授はこのエアコンの検証試験のスーパーバイザーを務め、「SKYSERIES」のパンフレットにも登場しました。基礎研究をする研究者と、高性能な製品を生み出す企業が見事につながったプロジェクト。両者の連携による、次のプロジェクトも楽しみです。名城大学理工学部環境創造学科教授垣鍔直パナソニック株式会社アプライアンス社海外マーケティング本部黒木友揮Panasonic AppliancesAir-Conditioning Malaysia Sdn,Bhd.パナソニックAPエアコンマレーシア株式会社堀口和重出会いは、一本の論文から。つながりが、プロジェクトを成功に導く。出会いは、一本の論文から。つながりが、プロジェクトを成功に導く。【研究】教員×企業ふくしゃ90周年RISING企画◎