ブックタイトル名城大学通信 51 [2016 Spring]

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名城大学通信 51 [2016 Spring]

28分科会Cは「外国にルーツをもつ人と暮らす?中部地域の例?」をテーマに、農学部のアスタ・トゥラダール特任助手が講師を務めました。トゥラダール特任助手はネパール出身で、大学院農学研究科で博士号を取得。「グローバル化時代にあって、異なる国や文化、価値観をもつ人たちと共存するにはメディアや型にはまった情報だけで物事を判断せず、自分の経験に根差した判断をすることが一番いい」と強調しました。分科会の生徒の中には、名城大学附属高校国際クラス1年の新井咲菜さんがいました。父親がモロッコ人、母親が日本人の新井さんはイスラム教徒で、チャドルを被って授業を受けています。全体発表で新井さんは「中学生の時、学校の給食で豚肉が出ましたが、私は食べられないので、アレルギーだとうそを言いました」と自らの体験を明かし、「日本人は外国人に対する免疫がまだまだ足りない」と指摘しました。ネパール出身の農学部トゥラダール特任助手は、自分の経験に根差した判断をアドバイス。橋場教授は分科会のディベートについて「自分たちで主体的に調べ、議論して結論を出す作業を高校時代から経験させるという取り組みは先進的であるし、大学教員という立場からすれば大変心強い。経営学部でもディベートを含めたグループワークを基盤とするフューチャースキルズ・プロジェクトというアクティブラーニング型の講座を導入しています。今年度は2ゼミ1クラスでしたが来年度は6ゼミ3クラスに拡大します。この講義は外国語学部でも取り入れられる予定です。集団討論するためには勘所をおさえる術が必要です。これを高校・大学時代に体得しておくと、チームワークにおいてリーダーシップを発揮できるため、こうした活動の経験は貴重です」と、その意義を強調しました。さらに、橋場教授は講評で、高校生の取り組み姿勢を高く評価しつつ、「今日の経験を生かして将来充実した大学生活を過ごして欲しい」と高校生たちにエールを送るとともに、分科会発表においてすべてのグループが言及していたワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)推進の必要性について今後も考え続け、その実現のためともに行動していこうと呼びかけました。集団討論で生まれたつながりをチカラに、将来は充実した大学生活を。のぶまささきな全体発表を聞く参加者分科会Bで基調講演する加藤さん(右端)議論を見守るクマーラ教授ディベートの意義を語る橋場教授写真上:経営者を招く橋渡しをした福島さん写真下:議論の輪に加わるトゥラダール特任助手「エイベックス」の加藤明彦会長が基調講演しました。加藤さんは「現在の社員は必ずいなくなる」を前提とした人材育成論を述べました。「従業員は定年で辞めていくので、技術や経験を後輩に伝えてもらう。本人もあてにされることを喜び、誇りに思う。後進を指導するのが楽しくなる」とモノづくり企業の人材の生かし方の一端を紹介しました。グループごとの議論のテーマは「私たちの夢」。愛知県稲沢市の機械部品製造業「高瀬金型」の髙瀬喜照社長、名古屋市北区の樹脂部品製造業「オプコ」の尾﨑浩一社長、同県小牧市の金属部品製造業「三洋電子」の青木信真早社長、同県江南市の自動車部品製造業「協栄産業」の大島良和社長(理工学部建築学科卒)が各グループに加わって推進役を務めました。ベトナム人のグェン・ヴァンハイさん(大学院経営学研究科修了)も手伝いました。全体発表では「人の役に立つものを作るため、私はエンジニアになりたい」「人の笑顔を見るのが好きなので、人を笑顔にする企業を設立したい」などの決意が表明されました。外国語学部長(※)のクマーラ教授も講師に加わり、日本人の英語学習を考える。分科会Dは「グローバル時代の若者の学び」をテーマに、外国語学部長(※)のアーナンダ・クマーラ経営学部教授が講師になりました。クマーラ教授は日本人の英語学習の従来の問題点とその改善法などの課題を提供しました。生徒たちは改善点として、課外活動を増やすことや自分の興味のあるものから英語に触れることなどを挙げました。閉会式では、鈴木勇治名城大学附属高校副校長が「来年度はナゴヤドーム前キャンパスで第2回を開きたい」とあいさつして締めくくり、全員で記念撮影をしました。わり。る。高校大学高学連携※2016年4月就任