ブックタイトル名城大学通信 52 [2016 Summer]

ページ
26/44

このページは 名城大学通信 52 [2016 Summer] の電子ブックに掲載されている26ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

名城大学通信 52 [2016 Summer]

附属高校レポート25附属高校レポート クエストは「探求」という意味。クエストカップには、企業探究コースと進路探究コースがあり、附属高校は企業探究コースに参加しています。インターンシップ(就業体験)を企業でなく教室で体験する趣向です。協賛企業の実務に外から触れながら、働くことの意義や経済活動について学びます。2016年度の協賛企業は、オムロン、カルビー、クレディセゾン、大和ハウス、テレビ東京、富士通の6社。いずれも著名な企業です。まず、生徒たちはグループを組んで担当企業を選びます。各企業が新人研修課題というものを用意しており、インターネットで調べ、担当企業に関連する現場や施設を訪問するなどしてこの課題をこなし、教室で発表します。 オムロンを選んだグループは、同社の商品を5つ以上探せという課題に対して、体温計、体重計、血圧計のほか、駅の自動改札機と水族館のイワシの大群デモンストレーションをピックアップし、模造紙にイラストや写真付きで書いて発表しました。カルビーを選んだグループは、カルビーの社名には、かつて日本人に不足していたカルシウムとビタミンB1を補う意味が込められていることや、看板商品のポテトチップスと「じゃがりこ」に名古屋限定の手羽先味があることなどをプレゼンしました。各グループは、クラスメートへの質問やクイズを挟み、はっきりとした口調を心がけながら視線を引き付けました。 指導は、国際クラスの羽石優子教諭と山内敏昭教諭が担当し、山内教諭は発表の間、ストップウオッチで時間を計りながらペースを調整しました。8グループがすべて発表を終えると、羽石教諭は「工夫が伝わってきました。最初に結論を言うのがプレゼンの基本です。聞いてくれる人に伝えることを意識して、原稿に頼らずに話しましょう。次は全員がバージョンアップしてください。伝わりやすい場を作るよう、自分から笑いかけるぐらいになってほしい」と講評しました。実在の企業のインターンシップを教室で体験各企業のミッションに応える若い柔軟な発想に期待 新人研修課題を模試とすると、本番は各協賛企業から出されたミッション(使命)です。オムロンは「人と機械の融和によって真の幸福を実現する未来のオートメーションを提案せよ!」、カルビーは「見過ごされた食糧資源を使ってカルビーらしい地球共生プロジェクトを提案せよ!」、クレディセゾンは「新しい信用のカタチを活用した社会を元気にする最先端サービスを提案せよ!」、大和ハウスは「超高齢社会に夢のある未来を創り出す型破りな土地活用サービスを提案せよ!」、テレビ東京は「メディア新世紀を切り拓け! 人の心が動くテレ東らしいプロジェクトを提案せよ!」、富士通は「あらゆる情報がつながる未来で社会の困り事を解決する事業を提案せよ!」。いずれも若い柔軟な発想からどんな面白い提案が飛び出すか楽しみです。 中でも富士通は、ヒト、モノ、環境がインターネットを通じてつながるIoT(Internetof Things)時代に沿った型にとらわれない自由な発想を求め、テレビ東京はメディアの新たな可能性を見付けてほしいと期待しています。クエストカップ参加を通じて生徒の主体性や創造性を育む普通科国際クラス1年生では伝統に、総合学科ビジネス系列、普通科特別進学クラスにも波及 「教育と探求社」(東京都千代田区)という教育産業が、中学・高校生を対象に現実社会と連動しながら「生きる力」を育むプログラムを開発し、クエストカップ実行委員会と共同で毎年2月、東京で「クエストカップ全国大会」を開いています。全国でプログラムに取り組んだ生徒の代表チームが、企業人や技術者、有識者に向けて思い思いのプレゼンテーションを繰り広げます。附属高校は国際クラス1年生が毎年これに挑戦、仲間と共同しながら情報収集し、アイデアを練り、プレゼンテーション能力を磨いています。クエストカップへの挑戦は2005年度に始まり、今や国際クラスの伝統となり、その成果に着目した総合学科ビジネス系列が導入し、普通科特別進学クラスも2学期から始めます。クラスメートのプレゼンを見る国際クラス1年生カルビーについて調べた成果を発表するグループプレゼンテーションをする国際クラス1年生