名城大学

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科目名 中国経済論1
開講学科 経済学部 経済学科
担当教員 谷村 光浩
年度 2017
シラバスコード 1232724
単位数 2.0
準備学習・事後学習 授業後の自主的な学習時間(90~120分)には、各回の講義・討議より、これからの中国(ひいてはグローバル)経済・社会の描出にはいかなる示唆が得られるのかについて、みずからの考えをまとめること。また、そうして整理した論点は、授業計画の他テーマとはどのようにつながっているのかも考えてみること。
履修上の留意 この科目では、中国経済を、歴史、政治、社会、都市・地域開発などと結びつけながら、多角的に考察していく。中国史、現代中国政治・社会等に関する基礎知識は、簡明な文献から、みずから意欲的に吸収しておくことが望ましい。
授業の目的と概要 本科目では、現在、グローバル経済にて主要なプレーヤーとなった中国の足跡をたどる。特に、新中国誕生後の毛沢東ならびに鄧小平の発展戦略を論じるが、現代中国の文脈においてのみならず、中国の悠久の歴史にも照らし合わせ、それぞれの特徴をより深く読み解く。
サブタイトル 悠久の歴史から読み解く毛沢東、鄧小平の発展戦略
到達目標 現代中国経済・社会を探究する際に必須の毛沢東、鄧小平の発展戦略について、それぞれの背景、理念、策定・実施プロセス、成果と課題などを体系的に理解し、さらにはそうしたことをみずから討議・論述できる。
授業計画

1. ガイダンス

本科目のねらい、おもな論点、進め方、成績評価の方法など、概要説明。

2. 毛沢東と中国 (1) 新中国の成立と経済復興・発展戦略

1949年10月、新中国が誕生。1952年にかけて実施された国民経済の復興・再編成、そして「第一次五カ年計画」(1953-57年)にて打ち出された経済発展モデルを考察。

3. 毛沢東と中国 (2) 大躍進と調整政策

「第二次五カ年計画」の枠組みを退け、毛沢東が主導した1958年に開始される「大躍進」(中国型社会主義建設運動)、ならびに、その過誤を収拾するため、1960年代前半に着手された調整政策を考察。

4. 毛沢東と中国 (3) 国防三線建設

1960年代半ば、中国を取り巻く国際環境が、毛沢東に、もはや第三次世界大戦は不可避であると予測させるほどに緊張。軍事的な配慮から展開された「三線建設」と称される地域政策、「自力更生」戦略を考察。

5. 毛沢東と中国 (4) プロレタリア文化大革命

1966-76年、「資本主義の道を歩む実権派」の打倒などが呼びかけられた「文化大革命」。毛沢東が主唱した大衆路線、継続革命論の本質を考察。

6. 鄧小平と中国 (1) 改革開放路線への転換

1978年、毛沢東型国家建設に終止符が打たれ、政治・経済体制の改革へ。1980年代前半に取り入れられた「農家経営請負制」や、離農しても農村を離れない「離土不離郷」、「小都市発展論」等を考察。

7. 鄧小平と中国 (2) 梯子理論

1980年代半ばには、農村部での経済改革の成果をふまえ、都市の経済改革が本格化。海外の先進技術を沿海部で吸収し、中・西部へと波及させる「梯子理論」などの地域政策を考察。

8. 鄧小平と中国 (3) 農村工業化

改革開放下、特に沿海部の地方経済においては「郷鎮企業」が重要な役割を果たしてきた。1990年代にかけて驚異的な進展をみせた「農村工業化」を、内発的発展の一形態として考察。

9. 鄧小平と中国 (4) 市場経済化と政府の役割

改革開放への転換のなかで看過されがちな政治と経済の関係性。毛沢東モデルとの共通点を、地域振興策や国有企業改革などを事例に考察。

10. 毛沢東、鄧小平と 今日の経済大国・中国

毛沢東、鄧小平が描き出した中国と、今日の経済大国・中国のすがたを、特に対外援助・経済協力戦略の展開を糸口に比較考察。

11. 悠久の歴史から読み解く現代中国 (1) 厳格に統制された都市、唐の長安

7-10世紀、唐王朝の都、長安(現在の西安)の都市・経済システムを概観。毛沢東が築いた社会主義社会の極小版ともいうべき都市の工作単位なる概念と比較考察。

12. 悠久の歴史から読み解く現代中国 (2) 開かれた都市、北宋の開封

12世紀初頭、都市の規制緩和にともない、活気にあふれた開放的な都市が出現。終日・終夜営業する商業施設もみられたという開封の経済・社会システムを考察。

13. 悠久の歴史から読み解く現代中国 (3) 外来者の都市、清の漢口

19世紀、同郷・同業団体のさまざまな活動によって都市全体の秩序が維持されていた漢口。今日的文脈においても非常に興味深い、この商業中心地の都市マネジメントを考察。

14. 悠久の歴史から読み解く現代中国 (4) 「現代中国経済・社会」再考

悠久の歴史に鑑み、現代中国経済・社会システム、発展戦略にみられる特徴を改めて考察。

15. まとめ

要点の再整理
小論文の作成
授業形態・方法 講義ならびに討議
成績評価方法及び評価基準 討議への参加: 30%
小論文 試験 (持ち込み一切不可): 70%
*なお、授業回数の3分の2以上の出席に満たない場合は「欠格」とする。
受講生へメッセージ グローバル経済・社会のあらゆる局面に、「中国」が主要なアクターとして登場している。中国のみならず他の地域研究・分野に関心を寄せる人たちにとっても、この科目にて講義・討議する内容や視座は有益であろう。
テキスト

1. 中国 都市への変貌 ジョン・フリードマン著 (谷村光浩 訳) 鹿島出版会

参考文献

1. 中国 グローバル市場に生きる村 トニー・サイチ 胡必亮 共著 (谷村光浩 訳) 鹿島出版会

参考URL

1.  (講義の進行に応じて、関連するURLを紹介)

更新日付 2017-08-22 12:22:42