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048経済学 (神野 圭介) ゼミナール学生×教員 誌上ディスカッションON-PAPER DISCUSSION社会全体の利益を考えられる知識と能力を身に付けるため学生 大口さん(以下学生) 公務員であった母に憧れて将来は自分も公務員になりたいと考えていました。地元の人たちに頼りにされて慕われている姿を見て、自分も地元の人の暮らしをより良くする仕事に携わりたいと思ったのです。そのためには、社会全体の利益を考えられる力を身に付ける必要があり、経済学科を志望しました。神野准教授(以下准教授) 経済学科には、大口さんのように地域に貢献する仕事を志している学生が多く学んでいます。志望理由は各々ですが、「社会や経済全体のために何ができるか」という共通の問題意識のもと、共に学ぶというスタンスが本学科の特色です。グループワークなども通して切磋琢磨しながら学んでいます。世界に目を向けることで身近な社会を見る目も磨かれる学生 神野先生が担当する「労働経済論」で様々なことを学び、2年次から神野先生のゼミに籍を置きました。准教授 2年次にフィンランドの幸福度の高さと教育の在り方の関係について、3年次にはアメリカの教育格差についてグループ研究に取り組みましたね。学生 格差の中でも、生まれた家庭の状況によって将来の可能性に格差が生じたり、機会の不平等が起こる状況は大きな問題だと感じていました。アメリカや日本では、高所得層の子どもほど、学力や学歴が高い傾向が顕著に表れていることが分かりました。一方、フィンランドは格差が生じにくい教育体制が敷かれていて、幸福度も学力も高いのです。社会の在り方によって、子どもたちの学力や機会の格差を解消できる可能性があることが分かりました。本学で身に付く「本当の学力」がこれからの時代の切り札になる准教授 世界各国に視野を広げることは、経済学を学ぶ上で不可欠です。幸福度や教育格差の課題を抱えているのは日本も同じ。国際的な視野を持つことが、実は身近な問題の解決につながるのです。ほかにも、理論、歴史、環境、物流、証券など、実に色々な切り口から経済学を幅広く学ぶ。それができるのが、本学科の醍醐味だと思います。学生 地域復興にSDGsの取り組みを活かした成功例を学んだ「環境経済論」や「環境ビジネス論」は、新たな気づきを与えてくれました。卒業研究では自分が生まれ育った町が抱えている課題に挑み、地域復興の可能性を模索しています。准教授 今後ますますテクノロジーが進化し、世界はグローバル化が進んで社会全体が複雑化していくでしょう。人が行っていることの多くは、機械の役割へと置き換えられていきます。未来を担う学生たちに求められるのは、興味や疑問を持ち、課題を自ら見つけ、創造的に解決していく力です。本学には、それらを身に付けるカリキュラムと教員がそろっています。「本当の学力」を身に付けて、社会に羽ばたいてほしいと願っています。

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