名城大学 大学案内2027
121/150

農学部応用生物化学科1204年 曳野 太貴愛知県/至学館高等学校 出身これまで培ってきた生物や化学の知識を応用しながら学べる環境の中で、特にがんという身近な病気の解明に研究を通して貢献できる点に大きな魅力を感じています。さらに、自然由来成分を活用した抗がん剤の開発に取り組むことに、とてもやりがいを感じられると思います。生物制御科学(山口 秀明・濱本 博三)研究室化学を軸に多様な学びが深められる応用生物化学科の中で、この研究室の魅力は、医療や薬学に近い分野を学べる点です。同じ研究室では、食品の香りや色素成分の創製に関する研究も行われています。ここで得られる技術や知識は、将来的な研究開発にも生かせるはずです。学生の声教員の声学生×教員 インタビュー植物由来成分を活用し、副作用の少ないがん治療に貢献する山口研究室のここが魅力!山口 秀明 教授 山口教授(以下教授):研究室では、自然資源に含まれる成分を対象に、新たな活用法を探索するとともに、これらの成分をモデルとした高活性分子や新機能分子の設計・合成・評価に取り組んでいます。その中でも、特に脳腫瘍の中で悪性度の高いがんをターゲットとし、甘草やワサビの成分から副作用のない抗がん剤の開発をめざした研究を行っています。学生 曳野さん(以下学生):がんは、いまだに完全な治療法が確立されていない病気です。そのため、がんで苦しんでいる方々の力になりたいという思いから、この研究室を選びました。配属当初には、100年前の顕微鏡から最新のものまで実際に触れる機会があり、研究技術の進歩を実感したことがとても印象に残っています。教授:細胞の培養や分析で顕微鏡を多用するため、毎年学生に触れてもらい歴史を学んでもらっています。学生に常に伝えているのは、「研究の最終目的は、患者さんのための薬を作ること」。実験には患者さんから提供いただいたがん細胞を使用するため、機器の扱いをはじめ、すべての作業においていい加減に行わないよう指導していますね。学生:初めてがん細胞を観察したとき、想像していたよりも普通の細胞と変わらないことに驚きました。しかし、悪性度の高い細胞であることから、実験で扱う緊張感や、命に関わる研究に携わることへの責任を強く実感しました。新しい培地に細胞を移して成長を促す「継代操作」に挑戦した際、思うように結果が得られませんでしたが、先生や先輩、同級生に教わり、無事成功しました。この操作は、菌や微生物が入らないように無菌状態に保つ必要があるため、とても神経を使います。自分が継代した細胞が成長していく様子を見たときには、大きなやりがいを感じました。教授:実験では決められた手順や条件に従う必要があるため、うまくいかなかった場合にはその原因を考え、うまくいった場合には過去の文献やデータと照らして、得られた結果の位置付けを確認します。この過程で自然と論理的思考力が養われるとともに、化学実験の技術も向上していきましたね。学生:私自身、薬効成分や細胞の丁寧な扱いを意識するようになり、無菌操作の技術も向上したと感じています。また、細胞の成長を追うために日々経過を観察しなければならず、研究をする中で、自然と研究室の仲間を頼る機会が増え、コミュニケーション力も身につきました。教授:植物由来成分を活用した本研究は、大学内での基礎研究にとどまらず、他大学の病院と連携して臨床研究としても進めています。一般に、新しい治療法を考案しても成功する確率は非常に低く、実際に患者さんに届けられるまでには時間がかかるかもしれません。しかし、研究を通して患者さんの助けになれる日を心待ちにしています。

元のページ  ../index.html#121

このブックを見る