AIと人間のTheme008調べる時間を減らし、考える時間を増やそう。技術だけでは足りない。価値を人に伝えられる人へ。 ぞれの視点からアプローチ 社会課題に挑む1948年大阪府生まれ。京都大学大学院工学研究科石油化学専攻修了後、1972年旭化成株式会社(旧旭化成工業株式会社)入社。イオン二次電池事業推進部商品開発グループ長、電池材料事業開発室室長などを歴任。2005年に「リチウムイオン二次電池と高出力型蓄電デバイスに関する研究」が題目の博士論文を発表。2017年より名城大学大学院理工学研究科教授。2019年にノーベル化学賞を受賞。現在は国立研究開発法人産業技術総合研究所フェロー兼エネルギー・環境領域ゼロエミッション国際共同研究センター研究センター長、名城大学終身教授・特別栄誉教授。AIとはいったい何でしょうか。様々な解釈があると思いますが、一つは人間の脳の代替手段です。人間の脳の仕組みを調べて、真似をして、ここまでのものになりました。言い換えれば「人間以上にはなれない」ということ。“ひらめき”や“創造”がどのように生まれるかは、わかっていません。そのためAIにはできないのです。しかしながら、AIが得意な領域もあります。例えば研究テーマを決める際は、誰もしていないことを見つけるために過去の論文を調べます。これはAIの得意技。AIを活用することで調べるための時間を減らし、それを考えるための時間に変えることができます。私はこれまで数え切れないほどの失敗を重ねてきました。その結果として、今は社会で多く利用されているリチウムイオン電池が生まれたのですが、技術そのもので人や社会が変化した訳ではありません。社会課題があり、そこから逆算して解決に必要な技術を生み出し、その技術に人々が価値を感じて初めて人々の行動が変化したのです。つまり、人々に“価値”が伝わることが大切。当然それは、理系分野の知識だけでは叶わないのです。AIが持っている情報はすべての人の共通知識ですが、人との対話から生まれるものはAIからは得られません。何を知り、どう解釈し、いかに創造していくかが、人間の勝負どころです。吉野 彰 終身教授・特別栄誉教授AIからは膨大な情報が得られる。人との対話から得られることと組み合わせ、社会課題を創造で解決していこう。Profile
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