Challengers' Action

アメリカ研修を終えて
〜振り返りと今後の課題〜

経営学部 国際経営学科 1年 説田 莉子

2019年4月1日

コア・プログラム

本レポートでは2月18日〜3月3日に行われたアメリカ研修についての振り返りと見えてきた課題について述べていく。レポートの構成は以下の通りである。

  • 1.研修の目的
  • 2.最も印象に残った2つの場所
  • 3.研修に対しての自己評価
  • 4.見えてきた課題
  • 5.まとめ
1.研修の目的

私はこの研修の目的を次のように定めた

  • (1) シリコンバレーの大学生と自分の生活を比較する
  • (2) シリコンバレーで新しいアイディアが次々と生まれる理由を見つける
  • (3) 投資と起業の関係についての見識を深める
2.最も印象に残った2つの場所

この章では今回訪れた場所のうち、最も印象に残った2つの場所について言及する。Santa Clara UniversityとDraper Universityである。以下より、場所ごとに分けて説明する。

Santa Clara University

この大学には2日間訪問し、Campus TourやEngineering Showcase(セッション、プレゼンテーションの見学)、Sorority(女子大学生専用の社交クラブ)訪問、Workshopに参加した。Santa Clara Universityのキャンパスは名城大学の天白キャンパスと比べるととても広く、各建物間の移動にも少し時間がかかる。またこの大学はミッション(キリスト教)系の大学であり、大学の中心地には誰でも利用できる教会があった。アメリカの大学には前述のSororityという社交クラブがあり、今回訪問したSororityには16人の女子大学生が一軒家で生活している。彼女たちは定期的にイベントを開催し、学部や学科が違う友人たちと家族同然のような存在になれる。このSororityに入居するためには、既に入居している学生と面談をする必要があり、入居開始後にも厳しいルールがある。例えば家族と言えど、簡単にはSororityの中には入ることができず、ルームメイトの許可を得てあらかじめ申請しなければならない。日本ではあまり耳にしない制度であるが、良い点としては学部学科学年を超えて仲良くなれるということが挙げられる。1つ家の下に違うバックグラウンドを持った学生が住むとあって、チームワーク力が養われることである。悪い点としては、どのくらいまで学生たちにプライバシーを与えるのかを定めることが難しいことである。

さて、Engineering Showcaseでは工学系の学生たちのプロジェクト発表を聴いた。彼らは自分たちが学んだ技術を応用して各プロジェクトに取り組んでいた。Workshopでは、現地の学生と4−5人のグループを作り、インドのとある村の水質汚染を解決する方法を考えた。その後ポスターセッションを行い、学生たちとの交流を深めた。ここで私が感じたことは、アメリカの学生たちのディスカッション力の高さである。アメリカではディスカッション時にはヒアリング力よりも発言力が求められる。それぞれが自分の意見を発言して、初めてディスカッションが始まる。私の班ではブレインストーミングのようにそれぞれが自分の意見を言い合って、お互いの意見の良い点悪い点を挙げて、最終的に1つの案を出した。案が出来てからプレゼンテーションの準備にはあまり時間をかけずに、アイディアの質やみんなで1つの案をブラッシュアップしていく時間を大切にしていたと感じた。なぜならプレゼンテーションの準備(出た案をパワーポイントやポスターにまとめる作業)はいつでもどこでも誰でもできるからである。そのため、みんなで話し合う時間を特に大切にする。

Draper University

この大学は従来の大学とはカリキュラム構成が異なり、起業に興味がある人や既に起業のためのビジネスアイデアを持っている人に向けた特殊なプログラムを提供している。そのプログラムは5週間にわたり行われ、学生たちはそこでより実践的な起業家のマインドセットや哲学を学ぶ。この大学はいわば「企業」的な特徴があり、ベンチャーキャピタルとの繋がりも大変強い。定期的に外部から有名な起業家たちが来て、講義を行っている。こういった形をとっている大学は日本にはない。また私たちが実際にレクチャーを受けた部屋には机と椅子がなく、いくつものクッションがおいてあるだけである(写真参照)。これは従来の講義スタイルとはかけ離れ、学生たちがよりリラックスして楽しめる空間を作っている。彼らは学びを楽しんでいるのだ。

(Draper Universityにおける講義の様子)

3.研修に対しての自己評価

これより上記で挙げた(1)〜(3)に対しての振り返りを述べていく。

(1) シリコンバレーの大学生と自分の生活を比較する

今回私たちは3つの大学を訪問したわけだが、彼らと自分を比較してみると圧倒的に自分の専門分野に対する自主的勉強量の不足が見えてきた。そして彼らはその勉強に回す時間の作り方も上手い。次の表はSanta Clara Universityで知り合った学生 (専門は日本語とコンピューターサイエンス)のスケジュールと私の1年後期の時間割を比べ、自分なりに比較してみた。

  Santa Clara Universityの学生
時間割の作り方 空きコマは出来るだけなくし、週5日のうち1日授業がない日を作る。勉強する日とプライベートの時間をはっきりと分ける。 学期末のテストに備え、空きコマを作る。全曜日に満遍なく授業を入れる。
空きコマ 図書館で勉強、もしくは友達とカフェで雑談。 グローバルプラザを活用。
放課後 図書館で宿題や自主勉強 アルバイト
休日 他大学の友達と会う。もしくは図書館で勉強。 アルバイトもしくは友達と遊びに行く。
学校から自宅まで 基本的に徒歩圏内に住んでいる。 実家暮らしなので片道1時間半かかる。電車では基本的には本を読むか、寝ている。

この表を見ると、Santa Clara Universityの学生がどれほど時間を効率的に使っていて、勉強時間に充てているのかがわかる。アメリカの学生は平日と休日の使い分けがはっきりしている。そして彼らの生活の中心は大学の勉強であり、長期休みは インターンシップや短期の留学に行くケースが多いのだと言う。 私の1年次の時間割は少しゆとりを持たせた時間割であったため、勉強と遊びの切り替えがはっきりしにくかったように思える。今回の機会を通して、来期の時間割は時間を有効的に使えるものにしたい。

(2)シリコンバレーで新しいアイディアが次々と生まれる理由を見つける

シリコンバレーでは失敗をすると、まず周りの人達は「おめでとう」と言う言葉をかけられる。シリコンバレーは失敗に寛容な場所と言える。またDenso Internationalの鈴木さんがおっしゃっていたのは、シリコンバレーではとにかくやってみること。失敗を恐れずに、やってみる。何か壁にぶつかったら、「ピボット」をして方向性を見直すこと。そして行く先々で出会う人たちといかに仲良くなって、自分のことを伝えるかが重要だと言う。たまたまカフェで隣に座った人とビジネスの話をすることは普通のことで、そこから新しいアイディアが出る可能性もある。このことからシリコンバレーでは人と人との繋がりが新しいビジネスを盛んに生み出していると言える。

(3)投資と起業の関係についての見識を深める

私はこの研修中に起業家とベンチャーキャピタルの密接な関わり方を学んだ。Plug and Play Tech Centerで参加したPitch Session(投資家に向けて各人がアイディアをプレゼンテーションするセッション)ではベンチャーキャピタリスト(大きなリターンを狙い積極的な投資を行う組織または個人)たちが新しいアイディアを持った起業家たちのプレゼンテーションを聴きに来ていた。彼らは厳しい目を持ち、目の前で行われているプレゼンテーションに自分たちが投資をするべきかを見極める。プレゼンテーション後のNetworkingの時間では興味を持った人たちに積極的に話しかける。逆に言えば、一人ひとりにコメントするわけではないため、興味を持たれなかったら声はかけられない。

また、コーポレートベンチャーキャピタルという事業主または事業団体が、自社の経営戦略として投資を行うビジネス形態は、通常のベンチャーキャピタルとは違い、経済面から投資する企業を判断するのではなく、どのような技術をearly stageの企業が持っているのかで投資の有無を判断する。

4.見えてきた課題

私が今回のアメリカ研修を通して、自分の課題としてあげるのは次の6つである。

  • A. ブレインストーミングを通してディスカッションの質を上げる
  • B. スケジューリングを上手く行う
  • C. Our Projectでは失敗を恐れずに「とにかくやってみる」
  • D. できるだけ多くの人と出会いお互いの意見を交換する
  • E. 投資と起業についての見識をさらに深める
  • F. 学びを楽しむ!!!!!

これらの6つをこれからの目標とする。

5.まとめ

このアメリカ研修では非常に多くのことを学ぶことができた。アメリカの大学生との交流をはじめ、Global CompaniesやStartups(最先端の技術や斬新なアイディアを売りに市場を開拓しようとする新興企業)の見学。そしてベンチャーキャピタルと起業家の関係性など。この非常に有意義な時間をバネに、これからの学びを精一杯に楽しみたいと思う。

最後に、引率してくださった先生方や名城大学チャレンジ支援プログラムのみんな、そして関係者の方々に感謝します。ありがとうございました。