2019/01/07

全員が一丸となって果たした栄光の2冠。
女子駅伝部 Vol.4

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富士山女子駅伝(全日本大学女子選抜駅伝)大会新記録で悲願の初優勝!

自らの力を信じて勝利に臨む

2か月前、第36回全日本大学女子駅伝対校選手権大会(通称:杜の都駅伝)で優勝を果たした名城大学女子駅伝部は12月30日、2018全日本大学女子選抜駅伝競走(通称:富士山女子駅伝)に出場した。

名城大学女子駅伝部は、富士山女子駅伝では未だ優勝の経験がない。昨年、杜の都駅伝で12年ぶりの優勝をとげ、勢いをそのままに目指した初優勝だったが、調整不足の選手も目立ち、3位となる苦い結果となった。
富士山女子駅伝では最強の宿敵である「西の女王」立命館大学が常に目前に立ちはだかってきた。立命館大学は、全日本大学女子選抜駅伝競走(静岡県での開催は2013年から)おいて過去12回中11回優勝と驚異の強さを誇る。本大会でも前人未到、2度目の6連覇を狙う。
また、杜の都駅伝準優勝で、日の丸ランナーを擁し、前評判の高い大東文化大学も悲願の初優勝を虎視眈々と狙う。加えて昨年まで西日本、東日本の2チームに分かれていた大学選抜チームが1チームに統合され、全日本インカレの上位入賞者が多数参加するオールスター編成となった全日本大学選抜も侮れない。その他にも強豪校がひしめき「名城包囲網」を築くなかにあって、名城大学の優勝は簡単ではない。

しかし、今年の女子駅伝部の目指す場所はより高い位置にある。
杜の都駅伝で2連覇を達成した今、富士山女子駅伝での初優勝を果たし、大学女子駅伝2冠を達成することが今年の目標なのである。

昨年の苦い経験に加え、杜の都駅伝で自身の力を十分発揮できなかった選手たちは、今度こそはと雪辱に燃える。その強く熱い思いが大会前の練習では随所に見られ、各自コンディションの調整に全力を注いだ。
米田勝朗監督も、選手全員が最大のパフォーマンスを発揮できるよう、直前まで選手たちを気遣い、熱心に声をかける。選手、監督、コーチ、マネージャー、目標達成に向けチーム一丸となって突き進んできた。そして迎えた大会当日、真の日本一に向けた最終決戦である。

前日、太平洋側でも雪が降り悪天候が懸念されたが、スタート地点となる富士宮市は快晴。気温は7.5度、風速2mと穏やかな天候での開催となった。午前10時、富士山本宮浅間大社前のスタート地点には各チームの第一走者が並び、レースが始まった。

名城大学女子駅伝部の第1走者は、1年生の時から1区を走りこのコースを知り尽くした青木和主将(4年生)。ゆるやかなアップダウンのある4.1kmは、富士山本宮浅間大社を1周して市街地へと向かう。 スタート直後は一つの集団となっていたが、前半で貯金を作りたい立命館大学の中田美優選手が早々とトップへと走り出た。その後に続いたのは全日本選抜の佐野英里佳選手。青木主将は落ち着いてレースを進め、2.3km過ぎにトップに追いつき、佐野選手とのトップをめぐる攻防が始まった。中継地点まで残り300mで一気に佐野選手がスパート。離されぬよう最後まで全力で駆け抜けた青木主将は、目標の区間賞とはならなかったが、首位と2秒差と僅差で第2区の和田有菜選手(1年生)へとたすきをつなげた。

長い下り坂が続く第2区は6.8km。立命館大学はここでエースの佐藤成葉選手を投入、トップを狙う勝負に出る。先頭は全日本選抜の五島莉乃選手、続いて和田選手。佐藤選手がそのあとを追う。和田選手は10月の杜の都駅伝では見事区間賞を獲得する素晴らしい大学デビューを果たしたものの、その後ケガで3週間走ることができず、大会出場を心配されていた。しかし、大きなストライドで力強い走りを見せ、周囲の心配を見事払拭した。トップを奪うことはできなかったが、区間2位の走りで、3位の立命館大学・佐藤選手の追随を振り切って差を広げ、第3区の加藤綾華選手(2年生)へとたすきをつなぐ。

第3区の走者、加藤選手はこれが大学駅伝デビュー戦。強いプレッシャーと責任感から表情を強張らせる場面もあったが、先輩たちの精神的な支えに心を強くしてこの日を迎えていた。3区は3.3kmと短い区間でスピードが要求される。各選手は少しでも前に順位を上げようと序盤から全力で駆け抜ける。加藤選手は後続の立命館大学との差をさらに広げ、2位で第4区の松浦佳南選手(4年生)へとたすきをつなげた。

それぞれが全力を出し切り、ついに首位へ。

第4区は平坦な4.4kmの区間だが、例年、富士川河川敷に吹き付ける冬の風が障害となる非常に難しい区間として知られる。幸いこの日は風速も緩く、選手たちが実力を出しやすいコンディションとなった。地元静岡県島田市出身の松浦選手は、昨年の大会当日、インフルエンザによりチームを離れ、共にレースを見守ることすら出来なかった。今年の杜の都駅伝もコンディション不調により出場が叶わず、今回に掛ける思いは人一倍強い。大学卒業とともに競技を引退する松浦選手にとって、この富士山駅伝は、集大成となる走りを披露する場であったのだ。この日の松浦選手はバランスの良い伸びのあるフォームで快走を続け、中継地点で28秒差あったトップの全日本選抜をついに捉える。自身の全力をまさに最高の舞台で発揮し、第5区のエース加世田梨花選手(2年生)にたすきをつないだ時には、2位・立命館大学と22秒の差をつける見事な走りで区間賞に輝いた。

5区を走る加世田選手も今大会は雪辱に燃える。昨年も5区を走った加世田選手は、他大学を追う展開に力みが生じ、かなりのオーバーペースとなり後半に失速した。その経験を踏まえて、今大会では前半から自分のペースを刻んで、確実に全力を出し切る作戦に出た。10.5kmの最長区間である5区には各チームともエースを配しており毎年激戦が繰り広げられる。加世田選手の好敵手、大東文化大学・関谷選手が序盤からのハイペースで6位から3位に大きく順位を上げる中、加世田選手は終始自分の走りに徹し、2位・立命館大学に1分03秒差という大差をつける。第6区の玉城かんな選手(4年生)へとたすきをつなぎ、昨年の雪辱を果たすとともに大学駅伝で自身初の区間賞を獲得した。

そして6区を走る玉城選手は、副キャプテンとしてこれまでチームを引っ張ってきた選手だが、10月の杜の都駅伝では力を出し切れず、悔しい思いをした。そこで玉城選手は母校・長野東高校で高校の選手と共に練習を行うなど、自分の走りを取り戻すために原点回帰を図った。万全の構えで今大会に臨んだ玉城選手は、2位との差を1分45秒に拡大、大学最後のレースを区間賞で走り抜け、アンカー(第6区)の髙松智美ムセンビ選手(1年生)へとつないだ。

最終区の7区は8.3km、ビル30階に相当する高低差169mという大学女子駅伝屈指の難コースである。米田監督の采配でこの最終区に起用された髙松選手は、149cmと小柄ながら大きな歩幅でこの過酷な坂道を軽快に走り抜ける。後続では3位でたすきを受け取った大東文化大学の鈴木優花選手がかなりのハイペースで立命館大学をかわして2位へと躍り出る。髙松選手は7kmを過ぎた地点からやや苦しい表情を見せるも、そのペースは最後まで落ちることなく、仲間が待つゴールの富士総合運動公園陸上競技場へ駆け込んだ。大きな歓声の中、トラックを駆け抜ける髙松選手に仲間たちの声援が飛ぶ。

2位の大東文化大学・鈴木選手は区間新記録で差を詰めるが届かず。ついに髙松選手は先輩たちの待つ初優勝のゴールに駆け込んだ。名城大学女子駅伝部の悲願である大学女子駅伝2冠がこの瞬間、達成されたのだ。力を出し切り倒れ込む高松選手を抱きかかえたチームメイトの顔には、晴れやかな笑顔が弾けた。今大会での名城大学女子駅伝部のタイムは、大会新記録の2時間22分50秒。区間賞には4区の松浦選手、5区の加世田選手、6区の玉城選手が輝いた。全選手がそれぞれの持てる力を出し切り、勝利に向かって一丸となって取り組み、素晴らしい結果を生み出した。

7選手の記録

区間(距離)選手名(学年)通算順位 記録区間順位 記録
1区(4.1㎞) 青木 和(4年) 2位 13分00秒 2位 13分00秒
2区(6.8㎞) 和田 有菜(1年) 2位 34分09秒 2位 21分09秒
3区(3.3㎞) 加藤 綾華(2年) 2位 44分33秒 4位 10分24秒
4区(4.4㎞) 松浦 佳南(4年) 1位 59分00秒 1位 14分27秒=区間賞
5区(10.5㎞) 加世田 梨花(2年) 1位 1時間33分43秒 1位 34分43秒=区間賞
6区(6.0㎞) 玉城 かんな(4年) 1位 1時間53分29秒 1位 19分46秒=区間賞
7区(8.3㎞) 髙松 智美ムセンビ(1年) 1位 2時間22分50秒 =大会新 2位 29分21秒=区間新

新たな時代の到来に向けて、さらなる挑戦が始まる

平成最後の決戦を、大会新記録の初優勝で締めくくった名城大学女子駅伝部。大会終了後、インタビューを受けた米田監督は「結果ではなく内容を求めてきました。特に最後となる4年生には力を出し切ってほしいと思っていました。4年生がしっかり走ってくれ、最高の駅伝だったと思います。キャプテンの青木の走りからチームに勢いがついた。松浦の区間賞は心から嬉しくて、これで負けてもいいかなとすら思いました。しかし、駅伝は1年1年が勝負。明日からは新たなチームが始まります。選手たちには、再び一丸となって頑張って欲しいです」と涙をにじませながら答えた。

米田監督の言葉にもらい泣きをしてしまった青木主将も「昨年、必ずここで笑おうと言ったことを覚えています。杜の都駅伝では優勝したものの全員が力を出し切ることができませんでした。特に4年生はこれでは終われない、という気持ちでした。以来、絶対に4年生がやってやるとこの大会に向け頑張ってきました。その意地と、応援してくださった皆さんへの気持ちに応え、結果を残せたことを本当に嬉しく思います。これからも後輩たちが良いチームを築いてくれると思いますので応援をお願いします。」と2冠への強いこだわりと責任感で戦ってきた今年のチームを総括。同じ4年生を労うとともに後輩へたすきを渡した安心感を口にした。

名城大学女子駅伝部は、言われたことだけをやるのではなく、自ら考え行動し、自分を高めていく。先を見据え、自分がどうありたいかを考える。そうした中で、自分を管理し練習に向かうことを伝統としている。今回の戦いで4年生は先輩の意地を見せ、後輩にあるべき姿を伝えた。こうして伝統はつながれていく。

学年等 名前 コメント
監督 米田 勝朗 目標であった2連覇2冠を見事に達成してくれました!特に今日は4年生の5人の意地を見ました!また来年に向けてしっかり準備していきたいと思います。
コーチ 中尾 真理子 4年生が最後の駅伝でしっかりと自分の力を発揮でき、笑顔で終えられたのが一番嬉しい。今回走れなかったり、実力を発揮できなかった学生の成長が楽しみです!
コーチ 藤井 延幸 4年生には何もしてあげられず、逆にみんなに大事なことを教えてもらった。これから追われる立場であるが、常に上を見て挑戦するチームにしたいと思う。
主務 早乙女 晴香 後輩のおかげで2冠できたので、今は感謝の気持ちでいっぱい。今後も強い名城であってほしいです。そのための土台になれたかなと思っています
4年生 青木 和 みんなのおかげでここまで来ることができました。来年からは追われる立場ですが、プレッシャーに負けず名城らしくチームワークで戦ってほしいです。
玉城 かんな みんなでチームの目標が達成できてうれしいです。頑張ってよかったです。これからはプレッシャーもあるけれど、走ることを楽しんで目標を達成してください!
松浦 佳南 いままで走りで後輩たちを引っ張ることができなかったけれど、あきらめなければ最後には頑張れることを見せることができ、嬉しいです。
北本 隼 信じてついてきてくれてありがとう。これからは追われる立場になりますが、焦らずに監督、コーチを信じて練習してください。一つひとつに意味があります。
3年生 黒川 ももか 今回の駅伝で4年生の意地を見ました。普段からつらい時も盛り上げてくださり尊敬する先輩ばかりでした。私も先輩を見習って最後は自分の意地を見せたいです。
塩崎 葵 本当に頼もしい先輩方でした。これからは、私たちが代わってチームを引っ張っていくので、今の4年生に負けないように頑張りたいと思います。
志和 真純 先輩たちの絶対勝ちたいという気持ちが、私たち後輩全員に伝わってきました。私もこれからどんな状況でも、しっかりとチームを引っ張れるよう頑張りたいです。
向井 智香 今回の駅伝で4年生という存在が、チームにとって本当に大きいと感じました。先輩方のような強く優しい存在に私もなりたいと思います!
2年生 加世田 梨花 絶対最後に富士山で全員で笑う!という気持ちを力に変えることができました。感謝しかありません。より高い目標を目指していきたいです。
加藤 綾華 今回の大会では、4年生の意地だけでなく周りに対する気遣いなど、先輩方の余裕も感じることが出来ました。今年は甘える形で走りましたが、次は私たちが頑張ってつなげて行きたいと思います。
小森 星七 4年生の皆さんには、1年間部を引っ張ってきてくださり感謝の気持ちでいっぱいです。これからも連覇を続けられるチームになれるよう頑張ります!
1年生 井上 葉南 4年生がこのチームを引っ張ってきてくれて、最後にみんなで笑顔で終えることが出来て嬉しいです!ありがとうございました!
鴨志田 海来 富士山女子駅伝で4年生の意地を見せつけられました。これから名城大学黄金時代を築いていくので見ていてください、お疲れさまでした!
髙松 智美ムセンビ 4年間お疲れさまでした。しっかり今日の優勝を忘れずに連覇を続けて行けるよう頑張りますので今後も頑張ってください!
藤ケ森 美晴 4年生の皆さんのおかげで今年は2冠を達成できました。来年も連覇できるよう頑張りたいと思います。
松澤 綾音 本当に頼れる尊敬できる先輩でした。今回の駅伝にかける思いが伝わってきて、自分もそういう走りが出来たらいいなと思います。
水澤 唯菜 先輩たちのおかげで楽しむときは楽しんで、頑張るときは頑張るメリハリのある良いチームだったと思います。これからは私たちがさらに良いチームにしていきたいです。
山口 真由子 いままで4年生がチームを作ってきてくださりこうして2冠を達成できました。この伝統を来年、再来年とずっと続けていけるように頑張りたいです!
和田 有菜 どんな時でも、笑顔で私たちを引っ張ってきてくださり頑張れました。ありがとうございました、大好きです!