研究・産学官連携研究代表者メッセージ

垣鍔 直

 未来の住環境を創造する上で、これまでの「程良くバランス」させることの重要さを示した多くの知見を活かすことが重要だと思っています。例えば、住宅の気密性能を上げてしまうと湿度の処理が難しくなることは参考すべき事例になります。そこで、我々は、加速する省エネ対策と生活環境をバランスさせることが重要と考えており、過度なストレスを受けることのない生活環境を提供することが「住環境の未来設計」の柱になると考えています。

「未来型住環境を創造センター」は、文字通り、未来の住宅環境のあり方を提案することを目的としています。機械仕掛けで全てオートメーション化された住宅をイメージするかもしれませんが、むしろ、人間の生体としての強さを活かし、省エネで自然と共存するような住宅を具現化したいと考えています。

 そこで、これまでの研究を発展させ、理工学部環境創造学科と建築学科の教員3名が協力して、生活におけるストレス評価に関する研究、室内温熱環境・照明環境に関する研究、健康で持続可能な省エネ住宅に関する研究に取り組んでいきます。「生活におけるストレス評価に関する研究」は、日常生活でのストレスにより受ける疲労がどの様に表出するかを明確にすることを目的としています。但し、ストレスフリーの環境がベストとは思っていません。

 「室内温熱環境に関する研究」では、これまでの研究成果を発展させ、温湿度の組み合わせをダイナミックに変化させた時の心理・生理反応の日内差、季節差、性差を検証することを目的としています。

「室内照明環境に関する研究」では、日常生活での活動を想定して、現在急速に普及しているLEDによる照明では快適範囲が如何に変わるかを検証することが目的です。健康上、建築物における結露の発生は最大限に回避すべきです。湿気の挙動は温度や圧力による依存性や相変化があるため、実験による現象そのものの把握のみならず、非定常コンピュータシミュレーションの利用が不可欠です。我が国では汎用シミュレーションツールがなく、建築設計に携わる人々が動的シミュレーションを活用できる環境は整備されていません。

 そこで、「建物の省エネ技術に関する研究」では、ドイツの研究所で開発されたパッシブ建築認定用の熱湿気非定常シミュレーションツールに着目し、日本での持続可能な省エネ住宅の設計支援ツールとして発展的開発を試みる予定です。住環境を多角的観点から評価し、より良い環境つくりを目指します。

研究代表者 垣鍔 直

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