Challengers' Action

「地域の魅力発信プロジェクト」を通じて学んだ実践的な課題解決力

Trigger 河村祐佳 磯田朋果 大川元春 山平華穂 脇彩花 久崎一真 西山未紗

2020年02月03日

ブリッジ・プログラム(2年次以降プログラム)

イベントスタッフとしての2つの目的

チーム「Trigger」は、12月2日に高山・白川郷で実施された第5回アジア色彩学会のエクスカーション(体験型見学会)のバスツアーに運営スタッフとして参加した。アジア色彩学会とは、アジアで色彩研究やデザインに取り組んでいる若者たちが成果を発表し、交流する機会を提供する場である。このエクスカーションの狙いは、2つ。1つ目は、エクスカーションというリラックスした雰囲気の中で、交流を通じて参加者同士が学術的なつながりを深め、アジア全体の色彩学分野のネットワークを強化してもらうこと。2つ目は、日本で初開催される同学会で、日本の歴史や文化を参加者に伝達することだ。これらをふまえ、私たちはエクスカーションの高山・白川郷バスツアーで参加者の交流促進や地域の魅力を伝えるために、運営の準備を進めてきた。

視覚的な工夫で運営をスムーズに

私たちは、「Our Project」で、多国籍の人々に対して分かりやすく情報発信をするには何が大切なのかを考えながら、7月から12月にかけてエクスカーションの準備に取り組んだ。8月29日、9月5日にはバスツアーの行先である高山・白川郷の事前調査を実施。8月の調査では、バスツアーの全体像をつかむために現地のお店や写真スポットなどを中心に情報収集を行った。9月の調査では、1回目の調査で得た情報をもとに、バスツアーの時間配分などに気を配りながら、ツアー当日を想定したリハーサルを実施した。この2回の調査が、エクスカーションのスタッフとして具体的にどう動くべきかを考えるきっかけになった。
実際に私たちがツアー当日を想定して実施した取り組みは次の2つだ。1つ目は確実に参加者が指定の集合場所に集まれるように、名古屋駅、高山・白川郷の工夫を凝らしたオリジナルマップを作成。マップには地図だけでなく、集合場所の写真を載せることで、視覚的にわかりやすくした。また、集合時間が変更になっても、変更時間に集合できるように、書き込めるスペースを作った。2つ目は、短時間で外国人を点呼するための工夫を取り入れたことだ。まず、番号が書かれた個人カードと、担当スタッフが持つ4色のカラーカードを作成。カードを担当のスタッフが1色ずつ持つことで、参加者は、自分の個人カードと同色のカラーカードを持ったスタッフのところへ集合できる。外国人の名前ではなく、参加者の番号で点呼をすることによって、誰がどこにいるのかを確実に把握でき、短時間で効率良く点呼が行える。また、バスの座席表では、あえて同じ国籍の人をまとめることによって、ちょっとした疑問などを参加者同士で解決できるように工夫した。

社会人になってからも役立つ実践的な学び

このようなエクスカーションの運営スタッフを通じて、私たちは次のような気づきを得た。1つ目は、当日起こり得るアクシデントまでを想定し、解決策を考えることだ。現地調査などの事前準備を入念にすることで、どのような問題が起こるのかを想定できる。また、当日のイメージが膨らめば、問題を解決するためのアイデアが浮かんでくる。今後、私たちは計画を立てて進めるだけではなく、準備段階から何が問題となるのかを考え、それを解決する工夫までを常に意識して活動していく。2つ目は、想定外の動きに対応するための、優先順位をつけた行動の大切さだ。プロジェクトには事前に計画を立てても想定外のことが起こる場合がある。それに対して臨機応変に対処していくことが必要とされたエクスカーション。状況を分析し、すべきことに優先順位をつける力が問われた。3つ目は、チームワークの意義だ。リーダーやメンバー、どの立場でも組織の中で自分に何ができるのかを考えて行動することの大切さを学んだ。実際の社会では、上司や仕事仲間など、チームワークを大切にして活動していく能力が必要になってくる。
私たちは、このプロジェクトを通じて、社会人になっても役立つ実践的な力を身に付けた。