2026/10/09

Vol.3 開学100周年、3年ぶり〝V奪回へ〟
充実の布陣でスタートラインに!

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学生女子長距離界の頂点を争う全日本大学女子駅伝が、今年も宮城県仙台市で10月25日に開催される。
大学生ランナーにとって、12月末の富士山女子駅伝と合わせた二大駅伝は最大の目標。名城大学女子駅伝部では、両大会制覇の「学生駅伝2冠」を目標に掲げ、日夜トレーニングに励んでいる。

過去の全日本大学女子駅伝では2005年に初優勝を飾り、2017年から23年まで7連覇。同大会での最多連続優勝記録も打ち立てている。だが直近2年は24年4位、25年3位と頂点には届いていない。23年の富士山女子駅伝を最後に遠ざかっている日本一の座を取り戻すべく、チームは「2冠」への第一関門となる仙台決戦に臨む。
復権を期すチームの今季の足取りを振り返り、本番に向けた展望をお届けする。

日本インカレで近藤選手が優勝、OGがアジア大会で熱走!

近藤希美選手

駅伝シーズンに先駆け、トラックでの学生日本一を争う日本インカレが9月5日から9月7日まで神奈川・日産スタジアムで開催された。3000m障害では近藤希美選手(3年)が10分14秒96で見事に優勝。1周目の水濠で転倒があったものの、すぐに体勢を立て直して果敢なレース運びで大会初制覇となった。

岡本彩希選手

近藤選手は1500mでも4分22秒02で6位入賞と健闘。同種目では岡本彩希選手(1年)も決勝へ進み、4分23秒90で11位となった。大谷芽以選手(1年)は予選で(4分34秒78)組7着だった。

5000m決勝では力丸楓選手が4年生の意地を見せ、16分05秒94で7位入賞を達成。瀬木彩花選手(4年)は16分52秒21で24位だった。

9月には愛知県内でアジア大会が開かれ、陸上は23日から29日まで名古屋市瑞穂公園陸上競技場で行われた。卒業生の山本有真選手(2023年人間学部卒/積水化学)が5000mで4位(15分17秒84)に入り、地元開催の大舞台での活躍に在学生も勇気づけられた。

  • 山本有真選手(2023年人間学部卒/積水化学)

また、9月26日に新潟・デンカビッグスワンスタジアムで行われたYogibo Athletics Challenge Cup では、多くの部員が駅伝の登録メンバー入りも睨んで5000mへ出場した。

グランプリ5000mに出場した真柴愛里選手(1年)は16分03秒45で10着。チャレンジ5000mでは近藤選手の16分08秒38(2着)を筆頭に、16分台前半がひしめく結果となった。それだけに駅伝のメンバー選考は難航し、改めて学内でのトライアルも経て10月5日に全日本大学女子駅伝のメンバーエントリーが完了。以下の10名が登録された。

<登録メンバー>
4年生:瀬木彩花、村岡美玖、山田未唯、力丸 楓
3年生:近藤希美
2年生:橋本和叶
1年生:大谷芽以、岡本彩希、木村真桜、真柴愛里

本番は6区間で行われるため、上記のうち6名が出走することとなる。

充実の布陣!本番の出走メンバー争いは熾烈

全日本大学女子駅伝に向けて、最上級生からはこれまでに駅伝出走経験のある4名が登録した。

今年度の主将としてチームの中心で奮闘している瀬木選手は、「いろんな人が応援してくれているので、自分の走りでみんなを笑顔にしたいという気持ちがあります。個人としてもちゃんと駅伝を走りたいと思っています」と、誰よりもこの大会へ熱意を傾けている。2年時に全日本大学女子駅伝で4区を務めて以来の出走を目指して日々研鑽し、チームづくりにも尽力している。

村岡美玖選手は副キャプテンとして「この1年間が一番、優勝に対しての思いは強いです。駅伝で自分が名城を勝たせられるような走りを絶対するっていう思いを持ってやってます」とこれまで取り組んできた。昨年の全日本大学女子駅伝ではアンカーで区間2位と力走しており、同じ区間をもう一度走って区間新記録樹立をしたいという大志も持っているそうだ。「大学での4年間、自分だけではやってこられなかったという思いが強いので、走りでしっかりいい姿を示し、支えてくださった方々に喜んでもらえるような結果を残したいなと思っています」と力を込める。

山田未唯選手は「(大学)最後の年なので、しっかりチームに貢献できるような走りがしたい」と話す。富士山女子駅伝では1年時3区、3年時6区に出走しているが、全日本大学女子駅伝は未経験。「4年生として、チームのみんなを勝たせてあげたいという気持ちがあるので、走り以外のところでも(自分の)姿で見せていけるようにしたい。みんながやり切って、すべてを出し切って優勝できるようにしっかり準備したいと思います」と、最上級生の自覚を持って過ごしている。

力丸選手は1年時の全日本大学女子駅伝2区(区間2位)でこの大会での優勝を経験している現チーム唯一の存在。力丸選手自身にとってはこのとき以来の出走メンバー入りに向け、闘志を燃やしている。仙台は力丸選手の出身地でもあるので、地元開催の舞台で結果を残せるように準備を重ねる。「競技生活も今年度で最後になるので、しっかりいろんな方々への感謝の思いを走りで伝えられるように結果を出したい」ときっぱり話した。

2年生、3年生はそれぞれ1人ずつのエントリーとなった。

近藤選手は得意のラストスパートを生かせる前半区間を希望。「流れをつかみ、優勝に向けたいい流れを作れるようにしたい」と意気込み、「今年は1区を走りたい思いがある」と明かす。プレッシャーのかかる重要な区間だと思っているだけに、「そこを任せていただければ、自分自身に対して自信を持って走ることができる」と考えているそうだ。1年時の富士山女子駅伝では3区で区間14位と悔しさを味わったが、そのとき以来の二大駅伝出走を目指し、3000m障害学生日本一の実績を引っ提げて駅伝でも活躍を誓う。

昨年度は1年生ながら二大駅伝の両大会に出場した橋本和叶選手(2年)は、今年も出走メンバー入りを狙う。今季はシンスプリントの痛みでコンディション調整に苦労していたが、「チームとして2冠を目標にしているので、その目標を達成できるように、自分に自信が持てるような取り組みを行って、駅伝に向かっていきたい」と、さらに調子を上げられるよう前を向いて語った。

4名がエントリーされた1年生の中でも大きな期待が寄せられている真柴選手は「チームの目標である優勝に、自分も貢献できるようがんばっていきたい」と、大学でも駅伝での活躍を誓う。区間や距離にこだわりは持っていないそうで、長野東高校時代にも全国高校駅伝で2年時1区(6km)、3年時3区(3km)で区間賞(区間新記録)を獲得している。米田勝朗監督は「ロード適性は絶対にある。去年の全国高校駅伝3区でも驚異的な走りをしているので、駅伝に関してはどこを走らせても(大丈夫)」と見ている破格のルーキーだ。

木村真桜選手は「自分の走りで貢献することが一番の目標」。自身の強みを生かせる長距離区間への出走を熱望しており、「区間新、区間賞の走りをして、チームを勢いづける走りができるように」という思いでこれまで励んできた。「全員でひとつになって優勝を勝ち取り、4年生が最後に笑って終われるようにしたいと思います」とチームでの勝利を求め邁進している。

大谷選手は「1年生からしっかり選手として選ばれて出場して、チームの目標である2冠を達成できるように、少しでも貢献できる走りがしたいです」と気合を入れている。

岡本選手は持久力よりもスピードに自身の強みを見出し、「距離の短い区間を任せていただきたいなと思っています。優勝に貢献できるくらいの力をつけて、ここまでやってきたから大丈夫と思えるくらい練習して自信をつけたいです」と奮い立っている。

なお、昨年2大駅伝で活躍した細見芽生選手(2年)は膝の状態を鑑みて今回はエントリー外。夏合宿の時点で「富士山女子駅伝では絶対にメンバーに入れるように戻していきたい」と話しており、完全復帰が待たれる。

優勝を知る4年生を中心に〝女王奪還へ〟

全日本大学女子駅伝まで残り半月となり、米田監督は「必ず日本一を奪還したい。チームがこの目標を1年間掲げてきたので何とかそれを達成したいです」と、並々ならぬ思いを口にする。
指揮官が夏の時点で膨らませていたイメージとして、比較的短い距離の区間へ他を圧倒できるような選手を配置することがある。こうした区間配置ができれば、駅伝日本一の座に大きく近づくのではないかと見ている。

過去にチームを優勝に導いてきた監督が参照するのは2022年大会の4区(4.8km)だ。谷本七星選手(現・日本郵政グループ)が出走して区間新記録も樹立。この区間だけで区間2位以下に50秒以上という大差をつけたことで、レース全体に大きな影響を与えた。この年は最終的には2位のチームを2分31秒突き放して圧勝した。駅伝において重要な流れをつかむために、こうした短い距離の区間へ起用する選手が勝負のポイントになることもある。
大会は弘進ゴムアスリートパーク仙台発着の6区間38.0kmで実施。各区間の距離はそれぞれ6.6km、4.0km、5.8km、4.8km、9.2km、7.6kmとなっており、中盤はスピード区間が続き、最後の2区間では全体の距離のうち約44.2%を占めるスタミナ戦となる。

どのチームも長距離区間にはエース級の選手を投入する一方で、比較的距離の短い区間は手薄にならざるをえない場合も少なくないだけに、そういった区間に強力な選手を配置できれば「(他チームとのタイム差を)相当稼げる」と監督は目論んでいる。
なお、23年にコースが変更されたが、4区、5区はそれ以前と同様のコースが採用されており、前述の谷本選手の記録は現在も区間記録として残っている。

チームの目標は「学生駅伝2冠」。24、25年度は全日本大学女子駅伝での優勝を逃した後、富士山女子駅伝でのばん回も叶わなかったため、まずは全日本が重要な一戦となる。
キャプテンの瀬木選手は「このチームみんなで勝って終わりたい。勝って喜びたいという気持ちがすごくある」と、仲間とともに最高の結果を作り上げる決意を示している。
復権を懸ける戦いに向けて、10月25日12時10分のスタートまで準備万端に整えていく。