2018/12/25

人を笑顔にする薬剤師を目指して

1000人の薬剤師と出会う旅人

薬学部6年生 山崎瑞季さん

名城大学の歴史ある薬学部で学びを深めながら、活動を広げている彼女。実は、全国各地の病院や薬局を訪れ、「薬剤師に出会う旅」を続けてきたツワモノなんです。学会で、学生唯一のシンポジストとして活躍したり、学会分科会の運営をしたりと、業界でも注目を集めています。全国各地の1000人以上の薬剤師に会うことで、自分の中で見つけた「答え」と、山崎さんが描く未来の薬剤師像とは?

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Q薬剤師を志したきっかけは?

A

中学生のとき、通院していた病院の薬局で、ある薬剤師さんに出会ったのがきっかけでした。病状が安定して薬が余るようになってしまい、医師や看護師に言い出せず、困っていて…。そんなとき、薬の説明の最後に「言い忘れたことや、困っていることはありませんか?」と聞いてくれて。「あっ、あります!」と現状を説明したら、医師に説明して薬の量を調整してくれたんです。「この人に言って正解だったんだ、この人が薬の専門家なんだ」と気づき、薬剤師という仕事を知ったと同時に憧れを持ちました。

Q医師や看護師ではなく、薬剤師を選んだのは?

A

薬局は、病院の外にあることが多いですよね。私の中で、医療施設は日常の外にある非日常的なイメージ。そこから一歩外に出た、日常生活に少し戻ってきたところに、薬局があると思っています。薬を飲むことや、病気により困っていることは、日常生活の中で起こっています。そう考えたとき、医師や看護師よりももっと日常生活に近いところで、人の役に立つ仕事がしたいと考えるようになりました。

そんな中、今の薬剤師業界はどうなっているのか、自分の目で確かめたいと思ったんです。「薬剤師は本当に必要なのか」「どんな薬剤師が患者さんにとっていいのか」を、患者目線でしっかり確かめて、「担当してもらえて嬉しい」「この人にお願いしたい」と思える薬剤師に出会うことができれば、未来の薬剤師像が描けると思って、「薬剤師に出会う旅」に出ることにしました。

Q「薬剤師に出会う旅」とは?

A

その名の通り、全国の薬剤師さんに会いにいく旅です。2~4年生のときに、病院や薬局に見学に行かせていただいたり、学会に参加させていただいたりして、北は北海道から南は九州まで、全ての都道府県の薬剤師さん1000人以上に会うことができました。もともと、名城大学のOB、久田邦博先生と授業で出会い、連絡をして会いにいったのが始まりでした。薬剤師に会うと、他の分野の薬剤師の仕事に興味を持ったり、もっと深めたい気持ちが芽生えて、つながりがつながりを呼びました。そしてこの取り組みを「RISING AWARD 2016」で発表し、最優秀賞を受賞することができました。

Q旅をする中で学んだことは?

A

出会いが出会いを生み、学びが学びを生んだことです。学会に参加して、多くの薬剤師さんと話し、実際に現場を見せていただき、気づいたことをさらに深めていくという形でした。最初は自分のためでしたが、この活動をFacebookで共有したり、学生に向けて話す機会があったりと、自分が学んだことを発信していく機会も増えました。

Q旅を通して、山崎さんが行き着いた答えは?

A

1000人以上の薬剤師に会う中で行き着いたのは、やはり私が目指す薬剤師というのが、中学生のときに出会った薬剤師だということでした。薬をただ渡すだけではなく、患者さんのちょっとした変化に気づける薬剤師。そういう薬剤師になりたいんだと、再確認できました。旅を通して、たくさんの人に出会い、その縁のおかげで、私1人では気づけなかったことにも気づくことができました。この体験を通して、薬剤師という仕事の素晴らしさと、他の人にはできない「薬剤師らしさ」に気づくことができたと思います。

Qそのほか、名城大学で行っている取り組みは?

A

名城大学の「Enjoy learning プロジェクト」を活用し、オリジナルおくすり手帳を作成して、学祭で2000人に配布しました。お薬手帳は認知度はあるものの、みんな、あまり持ってはいないんですよね。それなら、若い人が持ちたくなるようなおくすり手帳を作ろうと思い、「フォトジェニックなおくすり手帳」をオリジナルで作成しました。学祭当日は、あっという間に用意した2000冊がなくなってしまって、私たちの方がびっくり。医療現場の中でこうしたアクションを起こすのは大変ですが、普段とは違った方向から働きかけをすることも大切なんだと気付きました。このおくすり手帳作成によるアクティブラーニングの効果については、日本薬学教育学会優秀賞をいただきました。

Q将来、どんな薬剤師になりたいですか?

A

業界を変えたい!とか、そんな大きなことではなく、私の夢は「薬剤師として、人を笑顔にする」こと。その想いは、入学時も今も変わりません。病気のせいで、なかなか笑顔になれない人もいると思いますが、病気を治すお手伝いをすることで、その人の笑顔のきっかけになれたら、こんなに嬉しいことはありません。中学生の頃に心のわだかまりをすっと溶かしてくれた、あの薬剤師さんのように、人を笑顔にできる薬剤師になりたいです。

Q名城大学のいいところは?

A

臨床に強い大学だと思います。名城大独自のカリキュラムであるアドバンストコースで、通常の約2倍、臨床実習をさせていただきました。臨床実習で、患者さんはもちろん、医師や看護師などのたくさんの人と出会い、関わりながら学ぶことができた1年間は、大切な財産です。また、名城大学の薬学部は歴史があるので、臨床現場で活躍している先輩方もとても多く、“チーム名城”として医療をよりよくしていくことができることも強みのひとつだと思います。

薬学部6年生 山崎瑞季さん

薬学科6年。「薬剤師に出会う旅」で、20都道府県を訪問。これまで、1000人以上の薬剤師に出会ってきた。名城大学「RISING AWARD2016」では、グランプリを受賞。「日本薬学教育学会」では、優秀発表賞を受賞。名城大学では、50人以上の複数大学の学生を呼んで勉強会を開催している。