バーベルトレーニング部

50年を超えて受け継がれる、情熱と支え合う力

筋トレブームの中で注目が高まるバーベルトレーニング部。一人の先生の情熱からスタートしたその歴史や、競技の魅力、個人ではなく部活動で取り組むメリットなどについて、部員の皆さんにお話を伺いました。

<活動実績>
・2025年 9月
第59回 全日本学生ボディビル選手権大会
男子ボディビル 久野 清照 優勝
団体の部 名城大学 3位


・2024年10月
第35回 中部学生秋季パワーリフティング選手権大会
59kg級 松沢 颯真 1位


第52回 中部学生新人パワーリフティング選手権大会
59kg級 木下 瑛斗 1位
59kg級 永里 佳也 2位
59kg級 永谷 玲智 3位
66kg級 田中 颯汰 1位


手づくり器具からのスタート

  • 持ち上げたバーベルの重量を競う「パワーリフティング」と、鍛え上げた肉体美を競う「ボディビル」、2つの競技に取り組むバーベルトレーニング部。その誕生は今から56年前、1969年にまでさかのぼります。創設者は筋力トレーニング科学などを専門とする鈴木正之先生。今でこそ「筋トレ」はブームと呼ばれるほど注目されていますが、当時はボディビルという言葉すら世間であまり知られておらず、活動を取り巻く環境はとても厳しいものでした。先生自らがトレーニング器具を製作するなど、まさにゼロからの出発。それでも先生の理論と情熱的な指導の結果、これまでのクラブ史の中で全国大会や世界大会に出場する選手を多数輩出するまでに発展を遂げました。


    「鈴木先生は今年で86歳になりますが、今も週に3回、指導に来てくださいます。背筋はシャンと伸びていますし、お元気ですよ」と話すのは主将を務める永里佳也さん(理工学部3年)。年齢を感じさせない先生の姿は、まさに筋力トレーニングの効果を自ら体現しています。

初出場で全国4位、2度目の挑戦で学生日本一に

  • ボディビルに取り組む久野清照さん(経済学部3年)は2年次から入部。初めて出場した中部学生ボディビル選手権大会で優勝、全日本学生ボディビル選手権大会で4位を獲得、2年目に学生日本一という快挙を成し遂げました。


    「入部は2年次からですが、筋トレ自体は中学の頃から好きでした」と久野さんは快挙に至る原点を振り返ります。「中学時代は運動で1位になった経験がなく、いつも2位止まりでした。でも腕立て伏せなどで体を鍛えるのが楽しいと感じていたので、筋トレを通して自分が学校で1位になれる分野を見つけたいと考えるようになったんです。その思いが高校入学後も続き、やがて全国レベルでの結果を出したいという思いに変わっていきました」


    その言葉通り、日本体育大や東海大学など強豪が揃う関東勢に対抗するため、この1年間、筋肉をバランスよくつけながら「見劣りしないようひたすら体を大きくするトレーニングに励んだ」と久野さん。全国の精鋭40人がエントリーする中、ステージ上で鍛え抜いた肉体と洗練されたポージングを披露し「大学生ボディビルダー日本一」に輝きました。

競技を超えた効果も実感

大学からパワーリフティングを始めた鳥居晴俊さん(経済学部2年)は「練習を積み重ねることで持ち上げられる重量がどんどん増えていくのが面白い」と競技の魅力を語ります。スクワット(バーベルを肩に担いで屈伸する種目)の重量は入学当初40kgでしたが、今では140kg以上を持ち上げられます。「自分で計画を立てて練習し、重量を伸ばす経験を重ねる中で、普段の勉強も計画的に慌てず取り組めるようになりました」と、競技を超えた効果も実感しています。


一方、パワーリフティングとボディビルの両方に取り組む松沢颯真さん(法学部4年)は「劇的な逆転が起きにくいからこそ面白い」と別の角度から競技の魅力を感じています。「ボディビルの大会当日に突然体が大きくなることはないですし、パワーリフティングも大会当日に自己記録を急に大きく更新できることはありません。問われるのは、普段の地道な努力の積み重ねです。その地道さが結果につながる点にこそ、この競技ならではの面白さがあると感じています」。


筋トレブームを背景に、バーベルを使ったトレーニングの経験がまったくない入部希望者も増えているそうです。「多くの人に興味を持ってもらえてうれしい状況です」と永里さん。トレーニングの楽しさを知った部員たちに、大会出場の楽しさも伝えていくことが今後の目標です。「大会ってこんなに熱いんだ!と伝えられる、疑似大会のような学内イベントを構想しています」。


松沢さんは「仲間の声援のおかげで、ギリギリのところからさらに力を出せることはよくあります」と、個人ではなく部活動で筋トレに取り組むメリットを強調します。「パワーリフティング、ボディビルともに、自分の力だけで勝負する究極の個人競技です。しかし同時に、精神面で仲間と支え合うチーム競技でもあるんです」。

松沢颯真さん(左)、久野清照さん(右)

一人の革職人によるトレーニングベルト


バーベルを持ち上げる際、お腹の内部の圧力を高めて腰を保護し、パフォーマンスを引き出すために腰に巻くベルトです。特に自分の体重以上の重さのバーベルを扱う際は、腰のケガを防ぐために欠かせない存在です。名城大学のバーベルトレーニング部で使用しているベルトは市販品ではなく、限られた人にしか販売されていない特別なもの。鈴木先生の独自ルートでつながっている一人の革職人によって、一本一本、丁寧に手づくりされています。物持ちが非常に良く、使い込むほどに腰になじみ、部室には数十年使われ続けているベルトもあります。価格が市販品よりお手ごろな点も、自分用のベルトを求める学生に喜ばれています。