マンガアニメ愛好会

好きなことを、好きと言える場所
漫画、アニメ、ゲーム、ボードゲーム 入り口はどこからでも、居場所はここにある


漫画、アニメ、ゲーム、ボードゲーム。好きなものは人それぞれでも同じ熱量で語り合える仲間が集う、マンガアニメ愛好会。
部員64人で、東京でのコミケへの出展をはじめとした、対外的なイベント活動も月に2回は行いながらも、強制参加の活動を設けないゆるやかな運営が特徴です。現在の活動状況から、「大学生活に彩りを与えてくれる、自分の居場所」と語る、主将、副主将、庶務の3人にその理由を聞きました。

活動実績

  •        

    ・新歓ボードゲーム会
    ・学祭
     個人ブース形式のグッズ販売(2025年売上約17万円)
     マスコット総選挙
     お絵かき体験コーナー

  •      

    ・夏のコミックマーケット(コミケ)出展(in東京ビッグサイト)
    ・自己紹介機関誌の制作・配布
    ・クリスマス会
    ・お絵かき講習会(不定期)
    ・プチ旅行(日間賀島、京都・大阪方面など)

     
  • お話を聞いた皆さん


    前花汐美さん/主将/理工学部数学科3年生
    砂田裕稀さん/副主将/情報工学部情報工学科3年生
    谷畑海門さん/庶務/農学部生物環境科学科4年生
    ☆部員数:64人

  • 左から砂田さん、前花さん、谷畑さん

高校時代は語れなかった好きなことを、ここでなら話せる

  • 谷畑さんは、『ドラえもん』をはじめ、王道作品を読んできた漫画好き。ただ高校時代は周囲にスポーツ好きが多く、好きな漫画のことを語り合える友人にはなかなか出会えなかったといいます。大学入学後、漫画系のサークルを見学した際、「先輩たちが本当に優しくて、漫画が好きだと言ったらすごく共感してもらえた」と当時を振り返ります。大学生活の相談にも気さくに乗ってくれた温かさに惹かれ、入会しました。


    主将の前花さんは、幼い頃、『名探偵コナン』をきっかけにアニメに興味を持ち、中高時代はVTuberにハマったものの、女子校で同じ趣味を持つ友人は周囲にはほとんどいませんでした。高校2年の頃にはすでに名城大学のサークル紹介を見ており、マンガアニメ愛好会への入会を決めていました。「規模が他の漫画アニメサークルよりも大きかったことや、理工学部自治会の団体で理工系の学生が多い環境ということが自分に合っていると思いました」と話します。


    副主将の砂田さんは、アニメよりもゲームが好きで、特にカードゲームやボードゲームがお気に入り。大学では交友関係を広げたいと考えてサークルを探し、最初に見学したのがこのマンガアニメ愛好会でした。「先輩が明るく優しくて、自然に輪の中へ入れてくれた」ことが決め手となり、他を見比べることなく入会しました。


新歓から学祭、コミケまで、一年を通じた多彩な活動

  • 活動は4月の新学期とともに本格的に始動。新入生を迎えるためのボードゲーム会をかなりの頻度で開催します。部室が手狭な時期はミーティングルームを借りて「アグリコラ」やルールが簡単な「ito」など、遊びやすいゲームで交流を図ります。「2026年は1年生が多くて、対応が大変なほどでした」と砂田さん。入会後は、自己紹介用に所属学部や好きなアニメ、最近ハマっていることなどを書いてもらい、機関誌として印刷・配布します。


    夏には東京ビッグサイトで開催されるコミックマーケットへ毎年出展。部員が手がけた二次創作イラストを中心にまとめた同人誌を、会場にて1冊800円で販売しています。


    夏のイベントを終えると、学祭に向けた準備が始まります。部員それぞれがイラストを手がけ、キーホルダーなどのグッズを作って販売するほか、来場者が色紙やバッグに自由に絵を描いて持ち帰れる創作体験コーナーを開設。さらに、部員が考案したマスコット案の中から来場者投票で優勝を決める「マスコット総選挙」は、部の伝統企画として毎年開催しています。


    年度後半には2025年から新たにクリスマス会も始まり、プレゼント交換やカードゲームで盛り上がります。

こうした活動を支えるのが、独自の役職体制です。主将・副主将・庶務・書記・会計に加え、絵が得意な部員が推薦で選ばれる「お絵かき部長」、毎週『週刊少年ジャンプ』を買って部室に置く「ジャンプ部長」などユニークな役割もあります。お絵かき部長はDiscord(マンガやアニメなどグループ単位で情報共有できるアプリ)上や、対面でのお絵かき講習会を開き、絵を始めたい部員に描き方のコツを伝授しています。


部室には漫画に加えて約30種類のボードゲームが常備され、授業の合間やアルバイト前後に部員が自由に集まってきます。制作を行わず、ボードゲームだけを楽しむ参加も大歓迎。強制参加の活動を設けない自由な雰囲気が、多様な部員を受け入れる土壌になっているようです。

グッズ販売の仕組みが、創作の入り口になる

  • 学祭でのグッズ販売は、2025年から始まった新しい試みです。「創作をしたいと思っても、グッズの作り方や印刷所への発注方法を知らないまま卒業していく部員が多かった」と副主将の砂田さん。そんな課題意識から、個人ブース形式の販売を発案し、主導しました。イラストから印刷用データを作る方法、発注先の選び方、価格や発注数の決め方までを一から教え、学内で販売を体験できる場として企画したといいます。制作費を自分で負担した場合は、原価を除いた売上の7割が制作者、3割が部費に。部費で発注した場合はその逆の配分となり、資金のない部員でも参加できる仕組みが整えられています。


    この取り組みは着実に成果を挙げており、2025年の学祭では売上が約17万円に上り、余ったグッズはコミケでも販売しました。さらに2026年は新たに学外イベントへ出展する部員も現れ、機関誌の編集や印刷発注を任された部員が、先輩から教わった経験を存分に生かしているといいます。

マネジメント力、自己表現――愛好会で育つ力

  • これまでの活動を通じて得たものは、各々異なっているようです。


    谷畑さんが実感しているのは、自分の好きなことを話せるようになったこと。以前は、話しても伝わらないだろうと相手に合わせることが多かったのですが、サークルで見ず知らずの相手が知らない分野の話にも耳を傾けてくれた経験から、「自分の話したいことを全部話していいんだ」と思えるようになったそうです。その変化は学部の友人関係やアルバイト先にも波及し、趣味の話をきっかけに人間関係が広がったといいます。


    主将の前花さんが身につけたのは、人に任せる力だといいます。もともと物事は自分でテキパキ進めたいタイプでしたが、主将として運営に携わる中で、得意な人に役割を託し、進捗を確認しながら仕事を回す必要性を学びました。「いろんな人に割り振る力がついたと思います」と振り返ります。


    副主将の砂田さんは、同人誌制作での作品募集や締切管理、印刷所への発注を通じてマネジメント力が磨かれたと話します。以前はリーダー役を避けがちだったものの、今では就職活動のグループワークでも自ら手を挙げられるようになったと語ります。

販売ルートを広げ、居場所を守り続けたい

まもなく卒業を控える谷畑さんが目指すのは、部として制作した同人誌やグッズの販路をさらに広げることです。これまでコミケでの販売や学内配布にとどまっていたものを、委託販売サービスなどを通じて学外にも展開したいと考えています。過去に委託販売の打診がありましたが、人手不足でなかなか着手できずにいたそうです。次の代を任される砂田さんは、「本格的に創作活動に取り組んでいる部員が5〜6人ほどおり、オリジナル作品限定のイベント『コミティア』を通じて編集部のスカウトにつながった部員もいます。これから活動の範囲を広げていきたい」と意気込みます。


それでも3人が口をそろえるのは、グッズ作りや販売はあくまで手段であるということ。漫画やアニメ、ゲームを入り口に、自分の好きなことを話し、自己表現できる温かい居場所であり続けること――それこそが、この会が大切にしてきた思いです。「自分が救われた分だけ、後輩にも居心地のいい場所だと思ってもらいたい」と谷畑さん。前花さんも、「ちょっとでも大学生活が楽しくなってくれれば」と、この会が誰かにとっての居場所であり続けることを願っています。


専用のDiscordには、購入した本など自分の趣味を発信し合うチャンネルもあり、対面で話しかけるのが苦手な部員にとっての自己表現の入り口になっています。OBもこの場に残り続け、漫画・アニメ・ゲームという共通の趣味を軸に、卒業後も世代を超えてつながるコミュニティとして機能しているといいます。ひとりで抱えていた「好き」を、誰かと分かち合える場所へ――その積み重ねが、この会をここまで育ててきたのかもしれません。