2019/12/04
理工学部情報工学科4年 龍見美夏さん
抜群の行動力と、日本のために自分の命を捧げる志の高さをもった吉田松陰に惹かれ、人工知能で蘇らせたいという目標をもって名城大学に進学。企業主催のモビリティコンテストへの参加をきっかけに、人工知能を使って、家族の一員のような「愛車」づくりに夢をもって取り組んでいきたいと語る龍見さん。現在の研究について、そしてどのような夢を追いかけているのかを聞いてみました。
A
はい、トヨタ自動車が主宰する「わくわくワールド」というイベントの中の「アイデアオリンピック」に出展するためのモビリティの製作を、トヨタ自動車の社員の方々と行いました。これは、トヨタ女性技術者育成基金の奨学生を対象に送られてきた募集案内を見て応募したもので、名城大を含めて4つの大学から6人、トヨタ自動車の社員が14人の合計20人のグループで、半年間、月に2回トヨタ自動車でアイデア出しから製作までを行いました。
A
トヨタグループで働きたいという思いがあったので、少しでも社員の方から学べることがあればと思って応募しました。また、テーマであった「スマートシティ」という未来の自動車社会について考えることに魅力を感じたことも応募の理由です。活動中は、実際のトヨタ自動車Rフロンティア部の工場内を見学させてもらったり、モビリティの組み立てやモーターのプログラミングのお手伝いをさせていただいたり、実践を通して、技術を身につけることができたと思います。
A
私たちは「ファッションとコネクト」をテーマに、着せ替えができるスカート型と、自由に装飾できるボックス型の乗り物を製作し、優良賞に選ばれました。スカート型のものは、実際にスカートが揺れるような動きにこだわりました。スワイプすることで回転させるアイデアを私が提案し、採用されて実際に形になったのが嬉しかったですね。このイベントに参加するまでは、正直ものづくりには興味がなかったのですが、頭の中で描いていた抽象的なアイデアが、実際に形になっていく過程を、CADやプログラミングを体験しながら見ることができたのがとても刺激的でした。
A
人工知能の中の「データマイニング」という分野を主に研究する研究室に所属し、卒業研究のテーマは、「歴史上の人物の思考をデータベース化して現代社会に対する解決策を導くシステムの構築」です。具体的には、私が尊敬する歴史上の人物である吉田松陰を人工知能で蘇らせようというものです。
高校生のとき、いじめによる自殺のニュースを見て「吉田松陰ならいじめ問題に対してどんな言及をしてどんな解決策をとるのだろう」と考えたのがこのテーマに決めたきっかけでした。
吉田松陰がやり遂げられなかったことや、現代に生きていたらどのような言動をするのかを知りたいと感じたため、当時AlphaGoで話題になっていた人工知能技術により吉田松陰の思考を蘇らせるシステムの構築を考えました。
まず、吉田松陰の書籍から名言を抽出し、データベース化します。そこに現代社会の課題を入力した際、関連度の高い名言を出力させるというシステムの構築を目指しています。たとえば、「自信がなくなった」と入力すると、「志を立てて以って万事の源と為す」という吉田松陰の名言が答えとして出てくるというものです。悩んだ時、松陰ならどんなアドバイスをしてくれるのか、聞きたいという思いからの発想でしたが、形になってきており、とても楽しく取り組んでいます。
「吉田松陰を人工知能で蘇らせたい」という夢を叶えるため、在学中の2年間は毎朝4時に起きて勉強に励みました。この生活を続けることができたのは、確固とした目的と、それを実現出来る研究室へ所属するという目標があったからだと思っています。4時起きがつらいときもありましたが、吉田松陰の「夢なき者に成功なし」という言葉に激励を受けてなんとか続けられました。
このシステムの構築が実現できたら、私と同じように何か目標に向けて頑張ろうとしている人や悩みを持っている人の心の支えになれたらいいと思っています。
A
念願が叶って、トヨタ自動車の関連会社への入社が決まっています。車においてITの占める割合が多くなっていくであろう今後、ITを通じて世の中の移動を便利で楽しいものにしたいと思っています。具体的には、車がパートナーのようになる「愛車」づくりや、お年寄りなどに向けた安心安全な自動運転の開発に携わりたいです。
卒業研究で吉田松陰を人工知能で蘇らせるように、遠く離れた人、亡くなった人の思考のデータベースを作ることができれば、「大切な人との思い出とともに走ることができる愛車」を実現できると考えています。たとえば、家族との会話や行先を学習させてデータベースを作り、思い出を共有した家族の一員のようなAIを作ります。それを使えば結婚して実家を出たあとも、旅行やドライブではお父さんが連れて行ってくれそうな場所、夕食の買い物ではお母さんがよく作ってくれるメニューを提案することができます。そんな「愛車」づくりを実現する情報システムの開発に携わりたいです。
A
入学式の時に、先輩が「名城に来てくれてありがとう」と歓迎してくれたことがとても印象的でした。実は私は他大学を第一志望にしており、不合格という結果を受け止められずに落ち込んでいたのですが、こんなに楽しそうに大学生活を送っているんだ!と安心することができました。大学受験で夢を叶えられなかったので、名城大学では奮起して満足いくまで頑張れましたし、頑張れる環境がありました。
就職活動の時は、キャリアセンターでOBの紹介を受け、OB訪問も先輩方が快く引き受けてくれました。就職に強い大学ということを実感しました。
A
人間としても、エンジニアとしても信頼される人間になりたいですね。「この人に悩みを相談したい」と思ってもらえるような人間に、「この人ならこの仕事を任せられる」と思ってもらえるエンジニアになりたいです。
愛知県春日井市出身。小学生の頃から父親に「勉強するなら朝に!」と言われ、5時に起きて勉強するように。中学も高校も勉強は朝早く起きてやってきた。大学では「アイドル研究部」に所属し、アイドルのダンスをコピーして学祭などのステージに出演したり、動画をアップしたりしている。父親が名城大学の情報工学科のOB。
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