2020/01/21
農学部 応用生物化学科3年 後藤実和さん
名城大学内でも歴史のある「日本酒研究会」に所属し、商品企画から実際の製品づくりにまで関わっている後藤さん。名城ブランドの日本酒の、海外デビューを間近に控えた現在の活動や、研究室でもサークルでも日本酒一辺倒の毎日を送る後藤さんに、その魅力について、また今後の夢について、語ってもらいました。
A
はい。もともと微生物に興味があって学科を選びました。日本酒は微生物を使って作る発酵食品ですから、入学してすぐ「日本酒研究会」というサークルに入りました。60人ほどいる大所帯のサークルなのですが、そこで日本酒の魅力を知りました。サークル活動の中で、酒造見学に行くことがあるのですが、その時に杜氏の方の熱い思いを聞き、酒造りの技術の素晴らしさと奥深さに感動。もっと日本酒のことを知りたいと思い、さまざまな活動に取り組んでいます。
A
日本酒研究会で、名城大学が実施している「学びのコミュニティ創出支援事業」のサポートを受けて、「名城大学チャレンジ國酒プロジェクト」という活動を行っています。これは、学生が日本酒を企画し、地元の酒造メーカーに製造を委託、完成した商品を自分たちで海外で販売するという活動で、私も1年生の時から参加しています。
現在、2種類の日本酒を作っています。一つは純米大吟醸酒で、愛知県産の「夢吟香」というお米と愛知県で開発された酵母を使い、知多半島にある酒造メーカーさんに委託してそこの井戸水で仕込んでもらったものです。もう一つは古酒で、私が所属している微生物学研究室が見つけた酵母を使った「華名城」という既存の商品を、3年熟成させたものです。以上の2種類を「はなのしろ」というシリーズ商品として、まもなく販売予定です。
A
今回作った日本酒は、フランスでの販売を考えています。実際に昨年の9月に試作品を持って現地に行き、試飲会を行いました。どんな反応が返ってくるか、正直とても不安でしたが、皆さん「おいしい」と言ってくれたのでとても嬉しかったです。さらに、料理とのペアリングの提案もしてくれて、良いものはちゃんと受け入れてもらえるんだと思いました。
これまで輸出される日本酒といえば、高価なものがほとんどでした。今回、私たちは、若い人でも買いやすい手頃な値段の日本酒を輸出し、現地の同年代の人にも知ってもらいたい!現地の同年代の人たちと日本酒を通じてつながりたい!という思いを実現させたかったので、現地での試飲会での反応は、その可能性を感じられるものでした。
(参考 【学びのコミュニティ】ラーン&アクション國酒事業:https://www.meijo-u.ac.jp/about/ms26/manabi/activity/No2019-52.html)
A
高校入学時は海外での仕事に就きたくて、文系を志望していました。ところが学校での生物の授業がとてもおもしろく、農学部志望に変更。興味のあったミクロの世界を、化学と生物学の観点から学べる応用生物化学科を専攻しました。中でも名城大学の応用微生物学研究室では、微生物を使った研究を行っていることに魅力を感じ、この研究室で学びたいと思ったことが名城大学を選んだ理由です。
現在は、酵母の研究をしており、自分で新しい特徴を持つ酵母を作ることを研究テーマにしています。
A
興味のある研究ができることはもちろんですが、発足40年の歴史を持つ「日本酒研究会」という、他の大学ではあまり見られない珍しいサークルとの出会いがあったことです。歴史があるだけ様々なつながりがありますので、活動範囲が広いことも魅力だと思います。サークル活動の一環として、日本酒のイベントのお手伝いをする機会も多く、全国の酒蔵の方と一緒に試飲サービスや会場案内などを行っています。また、酒蔵での蔵開きの時にも運営のお手伝いをしています。このような活動を通じて、もっともっと日本酒の良さを多くの人に知ってもらいたいという思いが強くなり、将来自分がやりたいことも見つけることができました。
A
夢は酒造メーカーで日本酒を製造することです。愛知県には酒蔵がたくさんありますので、いろいろ見て回ってチャンスを掴めたらと思っています。販売という点から、日本酒のセレクトショップの仕事にも興味があります。酒蔵を独自の視点で選び、そこの日本酒を販売するという仕事もやってみたいですね。日本酒はとても繊細です。環境はもちろん、ひとつひとつの作業工程の微妙な違いでも味は大きく変わります。そこにこだわって造っている人がいるということに価値があると感じていますし、その価値を広めていく仕事ができれば…と考えています。
愛知県一宮市出身。我が道を突っ走る手のかかる子だったとか。とにかく好奇心旺盛で、興味のあること、やりたいと思ったことは何でもチャレンジするタイプ。2019年10月、全国きき酒選手権大会に愛知県代表として出場。日本酒に興味を持ったのは、母が日本酒好きだったことも影響している。
COPYRIGHT © MEIJO UNIVERSITY, ALL RIGHTS RESERVED.