2026/04/03

スポーツの最前線!サッカー日本代表に携わりたい

子どもたちの輝きを追う学生編集長!

人間学部 人間学科4年 纐纈修祐斗(こうけつしゅうと)さん

岐阜県のスポーツや文化活動に励む小・中学生にスポットを当てたスポーツマガジン『Jr.Athlete 東濃』『Jr.Athlete 中濃』。その制作・発行を手がけているのが纐纈さんです。
大学1年次から取材・編集・発行・配布までを自ら担い、現在は小中学校を中心に23,000部を届けています。
今回は、制作のきっかけをはじめ、制作活動を通して見えてきた地域課題、そして今後の展望についてお話を伺いました。

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Qスポーツマガジンの制作を始めたきっかけは?

A

小学生の時、日本サッカー協会主催の「プレスキッズ」というプロジェクトに参加し、日本代表の親善試合で記者体験をしました。実際にインタビューや撮影を行い、選手の想いを伝えるスポーツライターの仕事に憧れを抱くようになりました。

その後、高校でサッカーに区切りをつけ、大学で何かに没頭したいと考えていた際、父から静岡のスポーツ雑誌『Jr.Athlete 静岡』の存在を教えてもらいました。地元・岐阜にはまだこうした雑誌はなく、「誰かが始める前に自分がやろう」と決意したことが、制作の原点です。

Q東農・中濃エリアを起点に活動しているんですよね

A

はい、現在の活動エリアは東農・中濃エリアが中心ですね。

地元の東農・中濃エリアでは、子どものスポーツ人口が減少していることが、地域課題であると考えています。少子化の影響もあり、私が小学生だった頃に比べると、地元のサッカーチームは半減しており、中には練習のために隣町まで電車で通う子も。また、中学校の部活動が地域に移行した影響からか、スポーツに取り組む子どもの数がさらに減少傾向にあります。子どもの減少はクラブチームの運営予算や、指導者・ボランティアの活動環境にも影響を及ぼします。

取材で現状を知り、雑誌を通して子どもたちの頑張りを紹介することで、彼らのモチベーション向上、地域スポーツの活性化、そしてスポーツ人口の増加につなげたいと考えるようになりました。

Q制作で大切にしていることは?

A

子どもたちと同じ目線で対話し、心の奥にある強い思いや信念を引き出すことです。まずは「大学生のお兄さん」として自己紹介し、何気ない会話から徐々に核心に迫る質問ができるよう意識しています。

また、誌面の構成については、小中学校の校種や地域、競技種目のバランスを重視。岐阜県で盛んなウインタースポーツも取り上げ、偏りのない情報発信を心がけています。子どもたちの活躍を広く伝えることで、地域課題の解決に貢献できるスポーツマガジンを目指しています。

Qその強い気持ちはどこから来ているのでしょうか?

A

子どもとスポーツが好きという思いからです。小学校から高校までサッカーに打ち込み、スポーツを通じて育ててもらったという実感があります。サッカーが嫌になった時期もありましたが、コーチから「自分で決めたことなら最後までやり遂げろ」と叱咤激励され、最後までやり抜く力を養うことができました。また、礼儀や挨拶の大切さなど、社会生活の基本もサッカーから学びました。そうした経験が今につながっていると思います。

現在は大学で地域教育について学んでおり、その知識を現場で活かしたいという想いも、活動を支える大きな柱となっています。

Qこの冊子は、すべてお一人で手掛けているんだとか…?

A

取材・撮影から毎月のスポンサー集め、そして学校や市役所などの配置してもらえる施設への納品まで、すべてを同時進行しながら1人で行っています。

平日は授業の合間を縫い、土日はクラブチームへの取材に奔走し、その合間にスポンサー獲得のための営業活動もこなす日々です。

約20ページの原稿制作後は保護者の方に内容の確認をお願いし、最終校正を経て印刷へ回します。冊子が完成した後は、仕分けして学校や市役所へ自ら配布しに行っています。原稿の締め切りから冊子の完成までのわずか1週間が唯一の休みであるため、その期間でいかにリフレッシュできるかが、走り続けるための鍵ですね(笑)。

決して楽な道のりではありませんが、サッカー経験を通して培った最後までやり切る力が今の制作活動につながっていると実感しています。

Q制作の過程で、大変だったことはありますか?

A

スポンサー企業を見つけて創刊号を発行したものの、配布先を確保するのに苦労しました。5つの市から成る東濃地区の小中学校全校に置きたいと教育委員会に伝えたのですが、「校長会で直接説明するか、一校ずつ回ってください」と言われるなど、簡単にはいきませんでした。スポーツに関心がある先生や新しい取り組みに共感してくださる先生方がいる一方で、子どもの写真を掲載することや、広告入りの冊子を教育の場で配布することに疑問を持つ先生方もいました。

Qどのように説得していったのですか?

A

まず、部活動の地域移行に伴う課題やクラブチーム運営予算の現状を説明し、地域全体で子どもたちを支える仕組みづくりの必要性を訴えました。また、広告欄には企業から子どもたちへの応援メッセージを掲載するなどの工夫を提案。その結果、教育現場での配布許可をいただくことができました。

当初は約90校に自ら足を運んで納品していましたが、現在は各市の教育委員会のご協力もあり、市役所経由でスムーズに納品できる体制が整っています。この経験から人から信頼を得ることの難しさと、思いを丁寧に伝え続ける大切さを学ぶことができました。

Q雑誌に対する周りの反応はどうですか?

A

以前に取材した選手が全国大会で優勝したり、日本代表に選出されたりした時に、改めて取材の依頼をいただくことがあります。その際、「取材を通して自分の思いを発信したことがモチベーションになった」と言ってもらえて、本当に嬉しかったですね。

また、保護者や指導者の方から「子どもたちが普段口にしない目標を知るきっかけになった」という声をいただきました。最近では「ぜひ取材をしてほしい!」と直接声をかけていただいたり、SNSを通じて温かいメッセージも届いたりすることもあり、それらが活動の原動力になっています。

Q今後の展望を教えてください。

A

『Jr.Athlete 東濃』『Jr.Athlete 中濃』の発行部数をさらに伸ばし、賛同してくださるスポンサー企業の数を増やすことで、地域内での存在感をより一層高めていきたいです。「子どもたちのスポーツといえばこの雑誌!」と言っていただけるような地域に欠かせないメディアを目指します。目標は、プロスポーツを取材して多くの方に記事を読んでもらうことです。

ゆくゆくは、自分を育ててくれたサッカー、そして憧れの原点であるサッカー日本代表に携わりたいと考えています。

人間学部 人間学科4年 纐纈修祐斗(こうけつしゅうと)さん

岐阜県出身。スポーツマガジン『Jr.Athlete』岐阜編集部の編集長。
人間学部で教育・国際・心理を学び、その経験を制作活動に活かす。フットサルコーチや鵜飼船頭を務めるほか、休みにはバックパッカーとして旅行や釣りを楽しみ、釣果を記事として執筆するなど、多彩な顔を持つ。