2026/06/19

自分の意思で未来を選べる社会を目指して

高校生の進路選択を支える「ゆめマガ」を発行する学生起業家

経営学部 国際経営学科2年(休学中) 飯田 思遠(いいだ しえん)さん

高校生向け就職情報誌「ゆめマガ」の発行やキャリア教育事業を手掛ける株式会社ゆめスタの代表取締役として活動する飯田思遠さん。
中学生の頃から抱いていた教育への違和感を原点に、名城大学入学後は様々な活動を通じて、その思いを事業へと発展させました。
「自分の意思で未来を選び続けられる社会」を目指し、地域と若者をつなぐ活動について話を聞きました。

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Q現在取り組んでいる活動について教えてください。

A

株式会社ゆめスタを経営しています。主な事業は高校生向け就職情報誌「ゆめマガ」の発行とキャリア教育事業です。
高校生が進路を考える際に役立つ情報を発信したり、学校や企業と連携しながらキャリア教育の機会をつくったりしています。現在は三重・愛知を中心に活動しており、業務委託と役員を含めて8名のメンバーと一緒に事業を進めています。

高校生の進路選択に関わる中で感じるのは、「知らない」というだけで選択肢から外れてしまうものが本当に多いということです。進学にしても就職にしても、本来はもっとたくさんの可能性があるはずです。その可能性に気付くきっかけをつくることが、今の活動の大きなテーマになっています。

Q事業を通して、どのような社会を目指しているのでしょうか。

A

「自分の意思で未来を選び続けられる社会」をつくりたいと思っています。進学するのか、就職するのか。どんな仕事に就くのか。どこで暮らしていくのか。人生にはさまざまな選択がありますが、その選択を周囲に流されて決めるのではなく、自分自身で考えて決められる人を増やしたいと思っています。そのためには、若い世代が社会と接点を持ち、多様な価値観や働き方を知る機会が必要です。

また、少子化が進む今だからこそ、若者に積極的に投資する文化が必要だと考えています。若者は経験こそ少ないですが、大きな可能性を持っています。地域や企業、大人たちが若者を応援し、挑戦できる環境をつくることが、これからの社会には必要だと感じています。

Qその考え方の原点はどこにあったのでしょうか。

A

中学生の頃から教育に対して違和感を持っていました。学校の勉強を否定したいわけではありません。ただ、社会に出てから必要になるコミュニケーション力やリーダーシップ、お金の知識などを学ぶ機会が少ないように感じていました。また、自分の周りにも「将来やりたいことが分からない」「何となく進学する」という同世代がたくさんいました。もっといろいろな大人や仕事、生き方に触れる機会があれば、進路の選択肢は広がるのではないかと思っていました。

当時の自分は感情をあまり表に出さないタイプでしたが、教育や社会について考えることは好きでした。今振り返ると、その頃から漠然と「教育を変えたい」「若い人の選択肢を増やしたい」という思いがあったのかもしれません。

Q現在の活動につながる転機について教えてください。

A

高校は、自宅から往復3時間ほどかかりますが、総合学科として幅広く学べる「いなべ総合学園」を選びました。ハンドボール部に所属し、主将として活動していました。高校3年生の12月まで部活動を続けていたため、指定校推薦で進学先を検討しました。その中で名城大学は少人数講座など特徴的な学びがあり、他の大学よりも魅力を感じました。また、経営について学びたいという思いもあり、経営学部を選びました。当時は起業についての知識は全くなかったですが、大学から届いたメールで知った起業部との出会いが転機になりました。

興味本位でイベントに参加したところ、自分で課題を見つけ、自分で行動している学生や社会人の方々と出会いました。それまでの人生であまり出会ったことのないタイプの人たちだったので、とても衝撃を受けました。「こういう生き方もあるんだ」と思いましたし、自分が中学生の頃から感じていた教育への違和感について話したときに、初めて理解してくれる人たちに出会たことが何より嬉しかったです。

名城大学は、自分から一歩踏み出せばさまざまな機会に出会える環境があると感じています。起業部や外部活動を通して多くの人と出会えたことが、現在の活動につながっています。

Q「ゆめマガ」はどのような媒体なのでしょうか。

A

高校生向けの就職情報誌です。
ただ、私自身は単なる求人情報誌ではないと思っています。

高校生の就職活動では、求人票が大きな情報源になります。しかし、求人票だけでは分からないことがたくさんあります。実際に働いている人はどんな思いを持っているのか。どんな職場なのか。その会社が地域でどんな役割を果たしているのか。そうした情報を高校生に届けることで、「知らない会社」だった企業が「知っている会社」になります。

進路を選ぶ際には、情報量が大きく影響します。だからこそ、企業の魅力や働く人の姿を伝え、高校生がより納得感を持って進路を選べるようにしたいと思っています。

Q「ゆめマガ」に込めている思いを教えてください。

A

本当にやりたいのは、情報誌を発行することではなく、進路選択の文化を変えることです。高校生の進路選択には、まだまだ情報格差があります。知っている企業しか選択肢に入らなかったり、周囲の意見だけで進路を決めてしまったりするケースも少なくありません。一方で、地域には魅力的な企業や魅力的な大人がたくさんいます。私たちはそうした人たちと高校生をつなぐことで、「こんな働き方もあるんだ」「こんな人生もあるんだ」と知るきっかけをつくりたいと思っています。

進路選択は人生を左右する大きな決断です。だからこそ、多様な価値観や選択肢に触れたうえで、自分自身で納得して決められる環境をつくっていきたいです。

Q今年度から三重県の高校でも授業を担当されているそうですね。

A

はい。今年度から三重県立桑名工業高等学校で授業を担当しています。実際に高校生と接する中で感じるのは、本当に可能性にあふれているということです。一方で、自分の将来について考える機会が少なかったり、地域にどんな企業があるのか知らなかったりする生徒もいます。

授業では、進路について考えるきっかけをつくったり、地域企業と関わる機会をつくったりしています。大学生の自分だからこそ、高校生に近い目線で話せることもあると思っています。生徒たちが「こんな選択肢もあるんだ」と気付く瞬間を見ると、とてもやりがいを感じます。中学生の頃に自分が感じていた違和感に対して、今は教育現場で直接アプローチできている実感があります。

Q最後に、受験生や在学生へメッセージをお願いします。

A

親や先生の意見は大切ですが、最終的には自分の意思で進路を選ぶことが大切だと思います。大学を選ぶことも重要ですが、それ以上に、その環境の中で自分がどう行動するかが大切です。私自身も、大学生活の中で自分から一歩踏み出したことで、多くの人や価値観に出会うことができました。

自分のモットーにしている好きな言葉は「DO!」です。考えることも大切ですが、まずは行動してみること。やってみなければ分からないことはたくさんあります。ぜひ自分の可能性を決めつけず、さまざまなことに挑戦してほしいと思います。

経営学部 国際経営学科2年(休学中) 飯田 思遠(いいだ しえん)さん

三重県鈴鹿市出身。経営学部国際経営学科2年。
高校時代はハンドボール部主将として全国大会に4度出場。
名城大学入学後は、様々な活動の経験をもとに、在学中に株式会社ゆめスタを設立。現在は高校生向け就職情報誌「ゆめマガ」の発行やキャリア教育事業に取り組む。趣味はバイク、ギター、歌、旅行。