2026/07/22
都市情報学部 都市情報学科3年 北村 竜之助(きたむら りゅうのすけ)さん
学生国際協力団体「SIVIO(シビオ)」東海支部の代表を務める北村さん。
幼少期の海外での生活経験をきっかけに海外の文化や雰囲気に魅力を感じ、「まずは身近なことから始めたい」と国際ボランティア団体に入り、活動しています。
「自分が成長できるか」「誰かを成長させられるか」を自身の哲学だと語る北村さんに日々の活動内容や、活動に込める思いについて伺いました。

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SIVIOは関東・関西・東海の3支部で「ラオスへの教育支援」「学生間のチャリティームーブメント」という2つの理念を掲げて活動する、設立から19年目を迎える団体です。普段は週1回のミーティングや月に3〜4回の街頭募金活動を行っているほか、企業と連携したチャリティーイベントも開催。収益金はすべてラオス政府を通じて支援金として寄付しています。
また、春と夏の長期休みを利用して年2回ラオスを訪れ、現地の調査を行っています。滞在中の2週間は、現地コーディネーターの案内のもと複数の小学校を訪問。発展途上国の暮らしや貧困の現状を知ることで、私たちが解決すべき課題やこれからやるべきことが見えてきます。数ある課題の中でも、特に教育の重要性を痛感しています。
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ラオスは「世界で最も爆撃を受けた国」といわれており、今なお多くの不発弾が地中に残っています。私が現地の小学校を訪問した際、校庭に一つのお墓がありました。不思議に思って理由を尋ねたところ、児童が穴を掘って遊んでいる最中に不発弾を見つけ、それを遊び道具のように扱ってしまった結果、命を落とすという悲惨な事故が起きたと伺いました。もし子どもたちが不発弾の危険性や、安全な対処法について知っていれば、このような事故は防げたかもしれません。そう考えると、不発弾の危険から子どもたちの命を守るための教育は、非常に重要だと感じています。
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首都から離れた地域では、そもそも教育環境が十分に整っていません。例えば、屋根はあっても壁がない校舎があり、雨が降ると授業が中断されてしまいます。机や椅子といった備品も壊れたまま使われており、子どもたちが「勉強したくてもできない」のが現状です。そこで、私たちは活動を通じて集まった寄付金を新校舎の建設や備品の寄贈に充てています。その際、長く大切に扱うための指導も実施しています。半年ごとの訪問で、支援した環境が保たれ、子どもたちの学びを支えていると実感できるのが何よりうれしいです。
一方で、「半年で寄贈した備品がここまで傷んでしまうのか」と感じることもあります。ヒアリングしてみると、そうした地域では、教育があまり重視されておらず、子どもが労働力の一つとして捉えられているという現状があります。その意識を少しずつ変えていくために、子どもたちだけでなく、村の大人も巻き込んで、ゴミ拾いや校舎のペンキ塗りプロジェクトなどを行い、「自分たちの学校を大切にする」という地域の意識改革に向けた働きかけを続けています。
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かつては1校舎あたり約100万円で建設できましたが、現在は約600万円必要です。SIVIOではこれまでに14校建設したものの、まだまだ教育環境が整った地域は少なく、学校が不足しています。そのため、募金やイベント収益による寄付、そして活動を支えてくださるスポンサー企業からの協賛が不可欠です。
協賛を得るために他団体を支援する企業へ自らアプローチし、また別の企業を紹介いただくなど、人脈作りに必死でした。協賛のメリットが伝わらず断られる日々も続きましたが、諦めずに多くの企業の担当者とお会いしたことで、相手のニーズを捉える視点を養うことができたと感じています。
A
この活動に参加する学生は、「ボランティアをしたい」「海外での経験が欲しい」「居場所を見つけたい」「楽しい思い出を作りたい」などさまざまで、最初の動機が必ずしも「ラオスを支援したい」という人ばかりではありません。
そのため、最初は自分の熱意だけでチームを引っ張ろうとしてしまい、一部のメンバーしかついてきてくれないという壁にぶつかりました。
そこで、メンバーの活動に対するニーズは否定せず、活動の中に楽しさの要素を取り入れたり、役職や部署を増やして仕事を細分化し、一人ひとりに役割と裁量を任せる機会を増やしたりするように。全員が主体的に関われるチームづくりを意識したことで、最近では「新しいプロジェクトに挑戦したい」と自発的に声を上げてくれるメンバーが増え、これまでの取り組みが実を結んだと実感しました。
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そうですね。私たちの代は「挑戦こそ、僕らの原動力」というスローガンを掲げていますが、挑戦の数だけ、成長とやりがいがあると感じています。自分の挑戦が成果になる瞬間や、メンバーの成長を見られたときは本当にうれしいです。
さらに、ラオスの教育支援をする中で、子どもたちの進学の知らせを聞いたり、「大人になったら日本で働きたい」という夢を耳にしたりすると、活動を通じて自分も周囲もともに成長できていると実感でき、大きなやりがいを感じます。これからも、子どもたちの夢の可能性を広げてあげる活動をしていきたいです。
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大学生にチャリティーへの意識を持ってもらうことです。その先にラオスへの関心があると考えています。実は東海エリアは、関東や関西に比べて国際ボランティア団体やNPOの数が少ないんです。それは、東海の若者に熱量が足りないというわけではありません。「誰かのために頑張りたい」「地域をよくしたい」という熱い想いを持った人がたくさんいることを知っています。彼らに足りないのは、「きっかけ」や「仲間との繋がり」「行動する場」です。だからこそ、チャリティーに興味を持つきっかけを作りたいと思い、現在はラオスの料理教室や大規模な音楽イベントの企画も進めています。こうした活動を通じて、チャリティーを誰もが「自分事」として捉えられる、そんなきっかけを東海エリアから生み出していきたいです。
愛知県出身。4歳から6歳までアメリカに在住。多様な価値観に触れたいと考え、国際ボランティアに興味を持つ。ラオスの魅力については「日本人のような温厚さや内気さを持ちつつも、打ち解けると欧米人のような陽気さを併せ持つ点」と語る。大のパクチー好きで「ラオスに行くとむしろ体調が良くなる」とも。東京で開催されたラオスのチャリティーイベントでは、現地の人と間違われたというエピソードも持つ。
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