自己点検・
外部評価・成果報告

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平成30年度

事業目的

本事業では、新規ナノ材料の開拓と創製を通じた戦略的なブランディングにより、本学のブランド力を高め、広い視野をもった質の高い意欲的な入学者を獲得し、本学伝統のナノ材料研究を世界最高水準に発展させ、世界的な研究拠点を構築する。同時に本学の将来ビジョン「『学びのコミュニティ』を創り広げる」にならい、学問の探求と理論の応用による成果を教育と社会に還元する。さらに平成28年度選定事業「青色LEDを起点とする新規光デバイス開発による名城大ブランド構築プログラム」との協奏的ブランディングを推進し、「世界の名城大」のブランド構築を行うことを目的とする。

平成30年度の実施目標及び実施計画

研究活動としては、本事業で購入した装置に加え、本学の研究者が保有する電子顕微鏡等のナノ材料研究用装置を集約し、連携して研究ができる強固な体制を構築する。具体的には、グラフェン生成の初期過程を明らかにし、溶液法および気相法により、直径10nm以下の均一性の高い合金ナノ粒子と酸化物ナノ粒子の作製を実現する。加えて、国内外からの研究員の受け入れや他の研究機関との連携を踏まえ、研究を推進する。ブランディング戦略としては、本学のナノ材料の研究成果等を国内外に発信する環境整備を進める。具体的には、ホームページの更新や一般向けの公開シンポジウムの開催、近隣の小・中・高校での模擬講義や模擬実験を行う。

平成30年度の事業成果

研究部門では、放射線を用いて、SWCNT成長中の触媒の化学結合状態を分析し、世界初のSWCNT成長中の触媒粒子のXAFS測定を行った。この成果は日本表面真空学会誌に掲載予定である。この他にも、細径単層カーボンナノチューブの作製も行った。これらの研究実績は様々な国内外の学会等において基調講演・招待講演(20件)、学術論文(12件)他で多くの研究者らに成果報告している。さらに特許出願2件等、研究が前年度以上に加速化している。また平成31年3月1日に公開シンポジウム「世界を変える新材料」を開催した他、近隣自治体との市民連携講座等において、一般向けにも研究の概要や活動実績等の報告を行っている。ブランディング部門では、ナノマテリアルセミナーを年度中9回開催やイノベーションジャパン出展の他、大学として、学内にPRブースを設置する等、積極的な活動を行った。平成31年4月に㈱フロムページが公開した「関心を持った大学ランキング2019」では、本学が4年連続中部圏第1位となり、東海圏の枠を越え、北陸、甲信越地域でも、存在感を示している。

平成30年度の自己点検・評価及び外部評価の結果

自己点検・評価

平成30年度事業に係る自己点検・評価は令和元年5月17日に書面評価とヒアリング評価を実施した。委員による書面評価については、得点率84.4%となり「優」と判定された。また、ヒアリング評価については、法人広報部門による大学のブランディングの方針や情報発信に関する取組についての報告と丸山隆浩ナノマテリアル研究センター長による研究部門に係る平成30年度における実績等に関する報告を行った。その結果、出席した委員のうち、A評価が7名、B評価が1名となり、「非常に優れた成果が出されている」との評価を得た。

外部評価

平成30年度事業に係る外部評価は令和元年5月24日に大学の研究者、産業界から選出された外部評価委員会委員の出席により、実施された。書面評価については、得点率75.2%となり「良」と判定された。書面評価における各委員からは所見には、名城大学のナノ材料研究はかねてからの伝統と実績を有する一方、認知度に課題があったが、本事業により、ブランディングの着実な成果が出ている等の評価をいただいた。その反面、よりグローバルなブランド展開の必要性や本学農学部や薬学部との連携の必要性に係る意見等があった。ヒアリング評価については、法人広報部門による大学のブランディングの方針や情報発信に関する取組についての報告と丸山隆浩ナノマテリアル研究センター長による研究部門に係る平成30年度における実績等に関する報告が行われた。これらの報告を踏まえ、A評価が2名、B評価が4名となり、「優れた成果が出されている」との評価が最も多い結果となった。また委員からは、詳細な研究の進捗の説明を受け、興味深い成果が得られている印象を持った他、海外からの学生を受け入れる予定等は評価できる等の所見をいただいた。その反面、ホームページの活用やナノ材料について、社会実装化をわかりやすくしたPRがあると良い等の指摘もあり、令和元年度の事業展開に合わせて、研究ブランディング事業実施委員会で対応していく必要があり、今後のさらなる改善に繋げていくことになった。

平成30年度の補助金の使用状況

平成30年度予算配布額 27,800千円に対し、執行額は24,720千円となり、その執行率は88.9%であった(1件のデリベーション研究に係る予算執行額を含む)。主な使途は以降のとおり。①研究費:19,017千円(赤外分光高度計:4,752千円/高温XAFS測定用石英セル:1,230千円/海外旅費(アメリカ、ロシア、インド):1,196千円他)②人件費:3,530千円(PD給与1名・特補アルバイト代2名)③広報費:2,173千円(ブランディング事業PRブース設置費:1,850千円他)。