若人の特権

2019/09/25

世を動かすのはお金の力(自分と社会のために、投資を始めてみよう)

  • facebook
  • twitter

若いときの自分は、金こそ人生でもっとも大切なものだと思っていた。
今、歳をとってみると、その通りだと知った。

詩人 オスカー・ワイルド

投資は決してこわいものではない

少し前に大いに世間をにぎわせた「年金2000万円問題」。
金融庁が「95歳まで生きるには年金以外にも2000万円が必要」という内容の報告書をまとめたことで大きな物議をかもしました。

学生のみなさんが年金を受け取れるようになるのは約50年も先の話。この騒動を「自分たちにはカンケーなくね?」と思う人も少なくなかったのでは。
でも、人生は短い。そんな時はあっという間にやってきます。

「老後に必要なお金」について考えた時、みなさんは真っ先に「貯金をしておかねば!」と思うでしょう。確かに貯金は大事です。しかし超低金利のこの時代では、貯金は逆にリスクなのです。
なぜなら、物価上昇と共に、1円の価値がどんどん減ってしまうから。同じ1円でも、数十年後には半分の価値しかない、ということもあり得ます。

価値が減っていく管理より、増える管理をしたいと思いませんか?
そこでおすすめしたいのが投資です。

学生のみなさんの中には、投資はこわいものと思っている人がいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。実は、学校や家庭で投資について教えている国もあり、その国に住む学生たちにとっては、投資は当たり前のもの。

そう考えると、学生のみなさんが投資について考えるのは、早いわけではありません。ですがもちろんリスクがゼロという訳ではないので、自分で責任を取れる範囲内で投資をするということが前提です。

そもそも、投資って何?

ひと言で言うと投資とは、利益になって戻ってくることを期待しお金を預けることです。投資にちょっと興味が出てきたけれども、どんな商品があって、どれから始めればよいのか分からないという人もいるでしょう。
そんな方のために、どんな金融商品があるか紹介します。

①株式…企業が活動資金を得るために発行している株式を購入。株価が上がったところでタイミングよく売却することで収益を上げます。配当金や株主優待制度を定めている企業もあり、一定数以上の株を保有していると優待を受けることもできます。

②債券…国や地方公共団体などが発行している借用証書のようなもので、定期的に利子を受け取ることができ、満期日を迎えれば額面金額が受け取れます。

③投資信託…資産運用の専門家が株式や債券などの金融商品を組み合わせてつくるパッケージ商品。商品によって安全性や収益性が大きく異なります。

おすすめできる金融商品は上記の3つ。預金も投資の一部ですが、趣旨とは違うので、ここでの紹介は省きます。

ほかに外国の通貨を買ったり売ったりすることで利益を出すFXという商品もあります。FXは自己資本を元本としてその何倍もの取引ができるレバレッジという仕組みもあり、上級者向けでリスクが大きいため学生向きではなさそうです。投資に大損を出してしまうという負のイメージが付きまとうのは、このFXによるところが大きいでしょう。

自分の背の丈に合わせて、自己資金以上のお金を動かすことがなければ、マイナスを背負う心配は、本来ならしなくてよいはずのものなのです。

最近では「NISA」と呼ばれる少額投資非課税制度がスタート。投資で得た利益への課税が免除される制度で、比較的少ない金額で始められるいわば投資の初級編です。学生のみなさんが始めるにはうってつけの制度ではないでしょうか。

人類最大の発明は複利である

物理学者 アルベルト・アインシュタイン

利子に利子を生ませるためには、早い時期からの投資を

20世紀最大の物理学者とも言われるアインシュタインが「人類最大の発明」あるいは「宇宙で最も偉大な力」と評した複利。利子にも利子がつくという考え方のことです。

例えば100万円を金利2%で1年間預けたとすると1年後には102万円となります。このまま同じ金利でもう1年預けると104万400円。元金100万円の2%プラス利子の2万円にも2%の金利がつくという計算になります。
こうした考えは、古代ローマからあるのだとか。

賢明な方ならもうお気づきでしょうが、このコラムで投資をおすすめしている理由のひとつは、この利子が利子を生むという考え方があるからです。

若い時に投資を始めて、上手に運用をしていけば、その分どんどんと資産が増えていくのです。学生のうちに始めるのと、40歳で始めるのとでは、最終的に手元の金額に大きな違いが出るのは自明の理です。

株式投資は世の中を応援する手段。蓄財より花咲爺に。

竹田製菓創業者 竹田和平

投資をするならこれを使わねば

知識を得る

Amazon prime reading

学生なら、月額200円で数百冊の本が読み放題。気になった投資の本を読んでみてはどうでしょうか。
投資をテーマにした漫画やドラマを見てみるのもいいかもしれません。

※2019年9月時点

https://www.amazon.co.jp/kindle-dbs/fd/nonprime-pr

名城大学のファイナンシャル・プランニング講座

ファイナンシャルプランニングとは、投資だけでなくお金にまつわる全般の知識をもって、上手にお金を使っていくことです。より網羅的に知識を得たい方は、こういった講座を受講してみるのもよいかもしれません。

https://www.meijo-u.ac.jp/career/qualification/course.html

やってみる

書籍やネットで投資の情報を得るのももちろんですが、まずは少額だけやってみる、というのも理解が早いです。
その場合は、証券口座を開設することで、少額での株取引が可能になります。
アプリ上での取引や情報収集も簡単で、勉強のためにまずやってみたい初心者にはピッタリではないでしょうか。

また、LINEスマート投資などのお手軽な投資や、おつりで投資ができるトラノコというアプリ、クレカ等で貯めたポイントを投資に充てるなど、日常の中で気軽に投資をすることもメジャーになっています。

口座開設を待つ間に、投資のシミュレーションゲームで予行練習をするのも良いかもしれません。

まとめ

学生のみなさんに投資をすすめるのは単にお金儲けにつながるからではありません。投資をすることで社会の仕組みを知り、より能動的に考えるようになることも理由のひとつです。

投資をしてお金を動かすことで経済も活性化し、投資された企業は資金を得て、その活動を応援することになります。
最近では、環境に配慮した企業や、良い取り組みしている企業に選択的に投資をする「エシカル投資」の考えも浸透してきました。

また、株価の上下動は社会情勢やその企業の業績に大きく影響を受けるため、自分の買った株の価格を観察するだけで、世の中や企業の動向に自然に目を向けることになります。IR情報にも興味が持て、企業研究や就職活動にも大いに役に立つに違いありません。

投資とは自分への投資でもあるのです。