ご挨拶

名城大学学長
小原 章裕

プロフィール
神戸大学大学院自然科学研究科資源生物科学専攻博士課程修了。学術博士。名城大学農学部農芸化学科助教授、准教授を経て2008年教授。農学部長、農学研究科長、評議員を歴任し、2019年4月から学長。専門は栄養科学・食品科学。

ご挨拶

本学は、「青色LEDを起点とした新規光デバイス開発による名城大ブランド構築プログラム」により、文部科学省の平成28年度「私立大学研究ブランディング事業(世界展開型)」の支援対象校として選定されました。そして、平成29年度は飯島澄男終身教授の研究グループを中心に世界レベルの基礎研究を全学体制のもとで進める事業「新規ナノ材料の開拓と創製による名城大ブランド構築プログラム」が同事業に選定されました。 世界展開型で2年連続採択されたのは、北陸・東海地区では、本学が唯一であり、全国でも6大学のみで、「研究の名城」を高く評価していただけたものと思います。
 この私立大学研究ブランディング事業につきましては、文部科学省の当初の予定(5年間)よりも前倒しで令和元年度をもって終了いたしました。本学では、補助事業終了後の対応といたしまして、本学のブランディング向上に資することを目的に、このプロジェクトを新たに名城大学独自の研究ブランディング事業として継続しております。
 全学的な研究拠点として、「光デバイス研究センター」「ナノマテリアル研究センター」「自然災害リスク軽減研究センター」を、また、総合研究所では「次世代エネルギーマテリアルイノベーションセンター」設置しております。引き続き研究開発を進め、また、得られた研究成果を社会に発信し、「研究の名城」というブランドを展開していきます。
 本学では、開学100周年を迎える2026年を目標年とする戦略プラン「Meijo Strategy-2026 (MS-26)」を策定し、様々な取り組みを展開しています。この戦略プランでは、「学問の探究と理論の応用を通して、成果を教育と社会に還元する」ことを研究ミッションとしており、国際的な研究拠点の育成と強化を行動目標の一つとして掲げています。本学の掲げる行動目標の具現化に向けて、また、国際的な研究拠点として認められるよう取り組んでまいります。
 本学は、「研究の名城大」「世界の名城大」となるべく、更なる躍進を目指してまいります。

名城大学学長
小原 章裕


光デバイス研究センター 名誉センター長
赤﨑 勇

プロフィール
工学博士(名古屋大学)、名城大学大学院理工学研究科終身教授。1985年に世界で初めて高品質GaN単結晶を実現。さらに理論的に不可能と言われたp 型結晶を1989年に作製し、GaNpn接合型青色LEDを実現した。2014年に高効率青色発光ダイオードの発明によりノーベル物理学賞受賞。

ご挨拶

 20世紀中の実現は不可能と言われた青色LEDは、最大の難関であった「高品質GaN 単結晶の実現」により、実現への道のりが開かれ、共同研究者や民間企業技術者の多くの貢献により実用化に至りました。この青色LEDは、現在では照明やスマートフォンなど多くのアプリケーションに利用され、イノベーション創出のキーデバイスとして活躍しています。
 本事業では、青色LEDで培われた技術をさらに推し進め、超高効率半導体レーザなどの革新的光デバイスを実現し、イノベーション創出の新しいキーデバイスへと発展させることが目的です。このキーデバイスは、エネルギー・環境・医療・バイオサイエンスなどの幅広い分野へ応用が期待され、超省エネルギー社会実現にまた一歩近づくことになります。そのためには、大学教員・学生・企業研究者が三位一体の体制で高い目標を掲げて研究を遂行することが肝要であり、「名城大学・光デバイス研究センター: Optoelectronic Device Research Center in Meijo University」を具体的な研究の場と致します。
 最後に、目標に向けて挑戦し続ける若い研究者や学生に対して、皆様のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。

光デバイス研究センター 名誉センター長
赤﨑 勇

2014年ノーベル物理学賞受賞


光デバイス研究センター センター長
竹内 哲也

プロフィール
1992年名古屋大学修士課程修了後、ヒューレットパッカード日本研究所に入社。1999年名城大学博士課程修了後、米国Agilent Technologiesに出向。2004年キヤノンに移り、2010年より名城大学准教授に着任、2015年より教授。窒化物半導体などのⅢ-V族化合物半導体の結晶成長および発光ダイオード・レーザダイオードの開発に20年以上従事。

ご挨拶

本事業では、赤﨑先生、天野先生が発明された青色LEDを発展させ、安心・安全な社会実現に寄与する新しい光デバイスを具現化し、その成果を幅広く社会に発信することを目的としています。
 上述した光デバイスは、例えば、高効率三原色半導体レーザ、面発光レーザアレイ、深紫外レーザなどであり、高効率・高機能照明、超小型ディスプレイ、そして殺菌用光源などの魅力的な応用に直結しています。赤﨑名誉センター長が意図する、教員・学生・企業研究員の三位一体となった研究遂行を進めるとともに、インターンシップ的な要素を盛り込むことも試み、学生と企業間の相互認識を高めていきます。この研究遂行の場として、「光デバイス研究センター」を設置しています。
 上記研究活動で得られた成果に関して、何が優れているのか、そして何ができるようになったのかを、小・中・高校生を含む一般に向けて、わかりやすく紹介する機会(一般向け講演や模擬実験など)も設けています。この機会に触れた若者が刺激を受け、新しい技術を創造することの素晴らしさを認識するとともに、名城大学にて研究活動に参加したいと思うきっかけになることも期待しています。
 私自身、学生時代に企業研究員の方と一緒に研究を進める機会を与えられ、赤﨑先生に直接指導していただくことで多くを学びました。赤﨑先生の研究に対する「思想」を少しでも多くの人々に伝えるという強い想いを持って、本事業を遂行する所存です。

光デバイス研究センター センター長
竹内 哲也