2021.12.06

柳沢ゼミ、「仮想現実」映画分析にMRを活用!

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外国語学部

英語圏の知的創作物を研究対象にしている柳沢ゼミでは、今回『サロゲート』や『レディ・プレイヤー・ワン』などVR(バーチャル・リアリティ)をテーマにした映画作品を分析します。そこで、外国語学部生たちにこの種の最新テクノロジーであるMRを体験してもらいました。MRとはVR(仮想現実)とAR(拡張現実)を併せ持つテクノロジーで、「複合現実」(Mixed Reality) と呼ばれています。普段はVRでゲームを楽しんでいる学生たちも、MR独自の新しい認知体験に感動していました。学生たちには「現実」と「仮想」の境界が今後さらに曖昧になっていく現代社会で、人々の価値観や人生観はどのように変容していくのかについて考えてもらいました。

MRを体験する学生たち!!

MR体験を通じたグループワークによる考察

ノートを取りながら映画『レディ・プレイヤー・ワン』を鑑賞するゼミ生

学問的問い:「仮想現実」のテクノロジーは、今後どのようなかたちで知的創作物とその鑑賞に影響すると思うか?

・仮想現実をテーマにした映画にあったような、過激な映画が現実になり得る可能性が出てくるので、この種の技術には規制がかかるのではないか。
・書籍に代表されるこれまでのコンテンツ産業はこの技術をセットにして販売するようになり、購読者はより没入感を味わえるのではないか。
・読書や映画鑑賞などによる知的創作物の世界を脳内でイメージして楽しんでいたものが、VRやAR、MRのように知的創作物の世界に入り、実際に体験することで知的創作物という概念自体が変わるのではないか。

MR体験を通じた学生の考察

ゼミ生の桂川さん(3年生)

ゼミ生の今野さん(3年生)

学問的問い:
①MR体験は、「仮想現実」をテーマにした映画作品の分析や理解にどのように生かせそうか?
②MR技術は、今後どのようなかたちで知的創作物とその鑑賞に影響すると思うか?

(桂川さんの考察)
①これまで仮想現実をテーマにした映画作品や創作物はフィクションであるという考え方で見ていたが、今回の体験で仮想現実が身近なところまで来ているということを感じました。そのような点で、分析や理解をする際にイメージがしやすくなるのかなと思います。

②授業に時に言ったように、映像作品などで人々の不安を煽るような内容の作品は作られづらくなる(減る)のではないかと考えました。また、創作物を鑑賞する際には、VRを利用して鑑賞することが日常になるのではないかと感じました。それによって、まるで自分が物語のその場にいるような感覚を感じながら創作物を楽しめるようになるかもしれないと思いました。

(今野さんの考察)
①"仮想現実"を描いた作品を分析、理解することで現実の世界にある技術と比較し、実用性や危険性を示したり、仮想現実についての作品で登場する未来の技術を再現したら、現実世界での生活はどうなるのかという未来予測に生かせると考えています。

②VRやARの様な技術は、これまで知的創作物の外の世界からしか鑑賞出来なかった私たちを、作品の内部の世界への案内、作品のキャラクターの行動や心情をより理解させてくれる様な役割を担うのではないかと考えられます。