2023.11.07

「健康スポーツ科学」の授業でクリケットを体験(2023年11月1日)

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 英国発祥の伝統的なスポーツですが、日本ではあまりなじみがありません。1年生の選択科目である、「健康スポーツ科学2」の授業に、一般社団法人日本クリケット協会会長の山田誠先生(神戸市外国語大学元教授)をお迎えして理解を深めました。

 先日、2028年のロサンゼルスオリンピックに「クリケット」が採用されましたが、日本人にとってあまりなじみがありません。この授業では、「モルック」や「ユニバーサルホッケー」など学校体育では取り上げられることのない授業をも教材にしています。クリケットもその一環で教材として取り上げられました。それによって、スポーツの文化的意義についても広げられるよう工夫されています。

クリケットを実際に体験!

日本クリケット協会ホームページより

 クリケットは、本来直径120mの円形競技場で行われます。いわば、野球場のサイズの丸い競技場で、その真ん中に間隔20.12mのピッチが用意されます。イメージしやすいので野球を例にたとえると、ピッチャー(ボーラーといいます)とキャッチャーがいて、ホームベースに相当するところにウィケットという3本の棒を立てます。ボーラーはそのウィケットにボールを当てるように投球します(ボーラーは本来肘を曲げて投げてはいけません)。バッター(バッツマンといいます)はウィケットにボールを当てられないようにバットで守り、あわよくば遠くにボールを打とうとします。
 ウィケットはピッチの両サイドにあり、バッツマンは隙あればボーラーの立ち位置にあるクリースに到達できるようバットを持って走ります。ボーラーの横には、野球でいうランナーのようなバッツマンのパートナー(ノンストライカーという)がいて、逆サイドのクリースに到達しようとバットを持って走ります。野手(フィールダーといいます)は両方のバッツマンが反対側のクリースを超えるまでに、ボールをウィケットに向かって投げるかタッチさせます。バッツマンの方が早ければ1点、ボールの方が早ければアウトになります。
 バッツマンとフィールダーは交代する中でペアで対戦したり、バウンダリー迄ボールが到達したら4点などという、さらに細かなルールがありますが、授業では簡略化したオーストラリア発祥の「カング・クリケット」をさらにシンプルにしてゲームまで持っていきました。そもそも10アウトで攻守交替といったルールで、通常5日間ゲームが続くことも珍しくありません。ゲームの合間にティータイムがあったり、ということも山田先生は教えてくださり、文化の奥深さを知りました。前週には冨岡教授を中心に基本技術とルールの基本を指導しましたが、本来のルールを理解することはなかなか難しいようでした。

資料を基にルールの概略を学びます。

本来のボールとバットはとても固く、重いものです。まるで船漕ぎ用のオールを持つようです。

まずは、ウィケットに当てる練習をします。体育館で行うためにテニスボールを代用して行いました。バッツマンに打たれにくいようワンバウンドでウィケットを狙います。

ゲーム形式での対戦です。本来バッツマンは後方へ打ってもいい(360度可能)のですが、体育館という広さの制限と、野球の先入観から前に打つことを当然としています。

バッツマンは、ボーラーにボールをウィケットに当てられてしまうとアウトになってしまうので、打撃フォームも野球と異なります。

学生の感想を一部紹介!

・クリケットは今まで私が出会ってきたスポーツは、基本的に1日で終わったり、短時間で終わるものが多いのですが、クリケットは何日間もかけてしかも、ティータイムがあったりとかして驚いたが、たしかに何時間もやる方が疲れるので、他のスポーツにも、ティータイムがあっても良いのではと思いました。また、野球と似てる感覚でやっていたので、後ろに当たっても良いというルールを忘れて、走り忘れてたが、後ろもいいと私が思ったよりも守備範囲が広くて大変だと思いました。実際に触ってみて、本当に当たったら防具があっても痛そうだなと思ったし、ボールの縫い目がしっかりとしてて、野球のように滑り止めの役割があるのかなと思いました。

・今日の体育で、クリケットが最後に行われました。正直に言って、クリケットのルールや戦術についてまだよく理解していませんが、そのゲームを体験しながら、本当に面白いものだと感じました。自分がやっていることが正しいのかどうかは分からないし、まだ学びの途中ですが、クリケットに対する興味が高まり、もっとプレイしたいという気持ちが湧いてきました。ピッチ上での戦略、ボールを打つ技術、フィールディングのスキルなど、多くの要素が組み合わさっています。まだ初心者であると認識していますが、よりスキルを高めていきたいと考えています。クリケットは挑戦的で楽しいスポーツであり、自分自身を成長させる機会でもあります。

・本日はクリケット協会の会長さんが来て下さって、本格的なルールを知ることが出来た。クリケットという競技を前回で初めて知ったが、フライキャッチはアウトになったり、攻めと守備の方式が同じだったりなど、比較的野球と似ている特徴が多いため、容易に理解することが出来た。しかし、ボールを縦状のものに当てるという行為はとても難しく、コツを掴むことが出来なかった。外国語学部であるからこそ、海外の方と関わることが多いため、スポーツを通して親しむことが出来れば良いと感じた。

・今日はクリケット協会の会長のお話を聞けてとても良い機会になりました。今日試合形式でやってみてこんなに楽しいのに、今まで日本では注目されなかったことに驚きです。動画だけではやり方を理解するのが難しかったですが、今回会長が見せてくださった子供用の図と、細かい口頭での説明のおかげでルールをちゃんと理解出来ました。ボールをウィケットに当てるのも、ボールを打つのもどちらも難しかったですが、ボールがバットに当たるように時はとても嬉しかったです。せっかくルールを覚えたのにクリケットが終わってしまうのが残念です。また機会があればやりたいです!