2025年10月に実施された藤原ゼミと日本語クラス(4A・4
留学生に「伝わる」言語での調査
本企画の特徴の一つは、やさしい日本語や英語を用いて、留学生に直接インタビューを行った点です。
藤原ゼミの学生たちは、日本語教育を専門とする神谷先生・西田先生のご協力の下、相手の理解度や文化背景を意識して質問を調整し、丁寧な対話を重ねました。家族との関係、日本での生活、日本語使用時の感覚など、留学生自身の経験に基づく語りを引き出すことを重視しました。これは、異文化間で円滑に意思疎通を図る実践的なコミュニケーション力を養う貴重な機会となりました。
量的分析、そして質的分析
調査はまず、アンケート結果をもとにした量的分析から始まりました。相関分析やt検定、分散分析(ANOVA)などの統計手法を用い、たとえば「学業/仕事と家庭のどちらを重視するか」「日本語使用への意識」といった項目について、国や背景による傾向を数値として可視化しました。
そのうえで、「なぜそのような傾向が見られるのか」「数字だけでは説明できない違いは何か」という問いを出発点に、質的分析としてインタビュー調査を行ったグループもありました。
家族観をテーマにした調査では、明確なルールよりも暗黙の価値観が重視されている点や、母親を中心とした役割分担、経済面と生活面での親子関係の違いなどが語りから浮かび上がりました。また、敬語を扱った調査では、「日本語、特に敬語を使うと性格や態度が変わる」と感じる留学生の声が多く見られ、日本社会への適応と自己表現の変化との関係が考察されました。
留学生と「共に考える」調査体験
この調査では、留学生は単なる対象ではなく、対話を通じて共に学ぶパートナーでした。日本人学生が調査に協力する姿勢で関わることで、留学生自身も安心して経験や考えを語り、日本社会や日本語に対する気づきを言語化する場となっていました。
一方、日本人学生にとっては、外国語学部で応用言語学を専門とする藤原教授の指導のもと、調査設計から分析・発表までを一貫して行う経験を通じて、多文化共生社会における自らの役割を具体的に考える機会となりました。
今後の授業では、今回の交流を土台に、量的・質的な調査や卒業論文執筆に向けた活動が進められていく予定です。学生たちのさらなる成長と、新たな気づきに期待が高まります。
実践と研究をつなぐ学び
本コラボ企画は、
・留学生との実践的なコミュニケーション
・統計を用いた量的分析
・インタビューに基づく質的分析
・AIを活用した文字起こし・データ整理
を段階的に経験できる学びの場となりました。
交流から調査、そして研究発表へ――。
学びを「研究」として形にするこのプロセスは、学生たちにとって大学での学修の意義を実感する貴重な機会となっています。今後も、分野を越えた協働による教育実践から、さらなる学びと発見が生まれることが期待されます。
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