2026年4月にスタートした名城大学外国語学部国際英語学科「国際キャリア専攻」では、グローバル社会で活躍できる人材の育成を目指し、1年次全員を対象とした「プレ・キャリア研修」を教育の柱の一つとして位置付けています。
その理念のもと、2026年9月6日から13日にかけて、記念すべき第1回プレ・キャリア研修を実施し、学生たちは海外のリーディングカンパニーやグローバル人材との交流、現地でのイノベーティブな挑戦を通して、国際的なキャリアを形成するための第一歩を踏み出しました。
入念な事前学習
今回のプレ・キャリア研修は、単なる海外訪問ではありません。国際キャリア専攻では、現地での学びを最大化するため、渡航前から多面的な事前学習を重ねてきました。
学生たちは授業内でシリコンバレーの産業構造やスタートアップ文化、グローバル企業のイノベーションについて学ぶとともに、現地プログラム協力者によるオンライン講義を受講しました。オンライン講義では、シリコンバレーが世界有数のイノベーション拠点となった背景や、起業家精神を支える地域文化、グローバル社会で求められる人材像などについて理解を深めました。
また、学生たちは少人数グループに分かれ、現地で取り組む課題や調査テーマについてディスカッションを実施するとともに、英語による質疑応答やプレゼンテーションの練習にも取り組みました。現地で出会う企業関係者や起業家に対して何を尋ね、何を学び取るのかを自ら考えることで、「ただ行くだけ」ではない主体的な学びの姿勢を養いました。
こうした綿密な準備を経て、9月6日から13日にかけて実施された第1回プレ・キャリア研修に臨んだ学生たちは、シリコンバレーの最前線を体験しながら、将来の国際的なキャリア形成について具体的に考える貴重な機会を得ることとなりました。
プレ・キャリア研修スタート
1日目(9月6日)
外国語学部 国際キャリア専攻の30名と教員3名は、中部国際空港からアメリカのサンフランシスコ国際空港に出発しました。到着後は、さっそくオリエンテーションを宿泊先のホテル会議室で受けました。
中部国際空港から出発する前の集合写真
サンフランシスコ国際空港からホテルに向かうバスの中で
ホテルチェックイン前に現地プログラム総責任者から説明を受ける学生たち
外国語学部マックス・プレーバー教授による説明
2日目(9月7日)
この日から、本格的な研修がスタートしました。まずは、現地でプログラムをコーディネートしてくださる桝本博之氏(B-Bridge CEO/現地プログラム総責任者)とフジサカ美和氏(同社)のレクチャーがありました。両氏からは、失敗を恐れずに新しいことに挑戦するシリコンバレー流のマインドセットをしっかりと伝えていただきました。その後、アップル本社とグーグル本社のビジターセンターを訪問して2日目を終えました。
Google旧本社前にて
現地プログラム総責任者 桝本博之氏によるレクチャーの様子
チーフ・エデュケーション・オフィサー(フジサカ美和氏)によるレクチャー
アップル本社ビジターセンター内でワークショップに参加する学生たち
3日目(9月8日)
この日は、JAPAN INNOVATION CAMPUSを訪れ、日本航空からシリコンバレーに駐在している松崎志朗氏のレクチャーを受けました。勤務地であるシリコンバレーから、仕事をしながら東海岸のMITに留学して、MBAを取得した松崎氏のチャレンジから大きな刺激を受けました。
その後、スタンフォード大学を訪問しました。広大なキャンパスを見学し、その中で「デザイン思考」で有名なd.schoolにも足を運びました。d.schoolは、人間中心のデザインの手法を用いて問題解決に取り組んでいる機関です。また、スタンフォード大学では芝生のうえで、大場俊典氏(浜松いわた信用金庫/スタンフォード大学客員研究員)のレクチャーを受けました。日本の銀行から派遣され、スタンフォード大学で調査・研究に取り組むビジネスパーソンの大場氏に、学生たちからたくさんの質問が寄せられました。
最後は、イノベーションチャレンジとして、スタンフォード・ショッピング・センターを舞台に、各チームが準備してきた課題をもとにフィールド調査を実施しました。
スタンフォード・メモリアル・チャーチをバックに
スタンフォード大学で大場氏の野外講義を聴く学生たち
大場氏に質問をしている学生
JAPAN INNOVATION CAMPUSで松崎氏への質問風景
4日目(9月9日)
この日は、アマゾンやグーグルでも勤務経験のある佐藤公一氏のレクチャーから始まりました。佐藤氏は日本の大手製造業に勤務したのち、アメリカの大学院で修士号・博士号を取得した方です。佐藤氏は国内外で幅広いキャリアを持つ技術者で、日本とアメリカでの雇用や働き方の違いなど実体験を交えて教えてくださいました。学生たちは知識として理解していたことを、実際の経験者から学ぶことができました。
続いて、Bruce Paton氏によるワークショップ(英語)を受けました。このワークショップは、まさにデザイン思考に通ずるもので、人に合わせた街づくりについて、日本発祥のKJ法を使ったワークを行いました。その後、インテルミュージアムを訪問しました。ミュージアムでは、係員の方からインテルの歴史や技術の進歩について説明を受けました。
この日の最後は、サンノゼ州立大学を訪問しました。サンノゼ州立大学といえば、1968年のメキシコシティ五輪の陸上男子200mで、同大学のトミー・スミスとジョン・カーロスがそれぞれ金メダルと銅メダルを獲得した際に、表彰台で黒い手袋をつけた拳を突き上げて、黒人差別に無言の抗議を行ったことで有名です。その像を見学したり、同大学のジャグリングサークルのみなさんと交流を行いました。
Bruce Paton氏によるワークショップ
インテルミュージアム
サンノゼ州立大学生たちとの交流
アマゾンやグーグルで勤務経験のある佐藤公一氏によるレクチャー
5日目(9月10日)
この日は、グループごとにシリコンバレーを離れて、サンフランシスコ・ベイエリアにフィールドリサーチに行きました。有名な観光エリアに自動運転のタクシーを使用して訪れるなど、日本ではできない経験をたくさん積みました。
サンフランシスコ市内に鉄道で向かう学生たち
ゴールデンゲートブリッジを背景に
サンフランシスコ市内をフィールドリサーチする学生たち
現地のミートアップに参加して交流する学生たち
6日目(9月11日)
この日は朝からプレ・キャリア研修の現地発表に向けた準備を行いました。グループごとにインタビュー調査などで収集したデータを分析したり、発表用の資料としてまとめたり、精力的に取り組みました。発表では、各グループが英語と日本語をまじえて取り組みの成果を示しました。学生たちは、現地でプログラムをコーディネートしてくださったB-Bridgeのみなさんや、引率の教員たちからの厳しくも温かいコメントをたくさん受けました。。それらを持ち帰って日本での最終発表会に備えました。
午後の発表の準備を行う学生たち
メンバーで役割を分担して発表するチーム
英語でプレゼンする学生たち
英語でプレゼンする学生たち
7日目(9月12日)
最終日は、午後のフライトに備えて午前中にホテルを出発しました。余裕を持ってサンフランシスコ国際空港に到着して、翌日13日に成田国際空港を経由して、中部国際空港に全員無事に到着しました。
研修での学びをプレゼン
帰国後の9月24日、プレ・キャリア研修に参加した学生たちによる研修の最終発表会を行いました。現地での発表の際に受けた厳しくも温かいフィードバックの数々を踏まえて、日米文化や意識の違いなどに焦点を当てた多様なテーマとプレゼン方法を駆使して、プレ・キャリア研修での学びを発表しました。
学生による学びの声
・プレ・キャリア研修に参加して、シリコンバレーの人々やシリコンバレーで活躍されている日本人の方のお話を聞いたことで、その場所で実際に成果を出してきた要因とも考えられる、考え方やマインドを学ぶことができた。このことは学生生活だけでなく、今後の人生全体において自分をアップデートし続けていく、チャレンジし続けていくことを忘れないように生きていく上で役に立つと思う。
・Be proactiveを意識して、AppleやGoogleの視察やブルース・パートン氏のデザイン思考ワークショップ、スタンフォード大学、サンノゼ州立大学での現地学生との交流に参加しました。現地の圧倒的なスピード感を痛感した一方、同じ世代の海外学生と交流できたことはとても貴重な体験でした。ファイナルプレゼン準備では、あまり関わりのなかったメンバーも含めた互いの特性理解や、本質とノイズの取捨選択に悩みました。また、専攻の仲間やグループメンバーと1週間毎日共に行動・生活し、日々の協働を通してとてつもなくお互いの仲が深まったことは大きな財産です。なにより、1年生という早い段階で自分の能力の無さや甘さを痛感し、多角的な視点を得られたこの経験自体が、これからの大学生活を大きく変える最大のアドバンテージだと確信しています。この経験を糧に、今後は本質を追求し、居心地の良い環境に甘んじず、苦しいと感じる環境にも積極的に飛び込み、先生の意図を疑って自ら問いを立てて理解を深める姿勢を、大学生活に生かしていきたいです。
・プレ・キャリア研修に参加して、自分の道は自分で切り開き、思い切って決断し、実行する重要性を学んだ。チャンスはただ待っているだけでは訪れず、自ら行動して掴み取るものだと実感した。この経験は今後の学生生活で新しいことに挑戦するときに勇気を持って一歩を踏み出す原動力になると思った。
・私はプレ・キャリア研修で、アクションを起こすことの難しさと大切さを学びました。自ら行動しないと何も起きない反面、行動に移せば誰かが手を差し伸べてくれる、助け合いの精神に溢れたシリコンバレーのよさを実感でき、自分の価値観や考えに対する柔軟性を高めることができた貴重な機会になりました。今後は、友人と助け合いながら、高め合えるように学びを深め、自分の思い描くキャリア形成ができるように頑張りたいです。
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