学部・大学院薬学部

人間性豊かで実力ある薬剤師の養成。

人々の健康と福祉の向上に広く貢献できる薬剤師・薬学研究者の養成をめざす。

薬剤師の職能は、ますます広がり続けています。臨床薬剤師は、今、病院で医師、看護師などとチーム医療を推進する一員としてその存在感が高まり、さらに超高齢社会の中で、予防医学や地域医療、在宅医療の担い手としての期待も大きく高まっています。2014年に創立60周年を迎えた薬学部では、薬剤師が医療に携わる重要性に早くから着目し、日本における臨床薬学教育をリードし続けてきました。
一方で、バイオテクノロジーなど先端の研究活動も積極的に推進。高度な教育と研究を両輪として、将来にわたり人々の健康と福祉の向上に貢献できる薬剤師・医療人、薬学研究者の養成をめざしています。

学部の特徴

効率的で一貫した薬学教育を実施

実際の教育では、薬学教育モデル・カリキュラムに準じ教養教育、ヒューマニズムや医療倫理、薬学専門教育の科目を1年次から3年次までに配置、さらに4年次には基礎と臨床を繋げる統合型薬学教育を、5年次には実務実習教育、5・6年次には卒業実習教育を置いて、効率的で一貫した薬学教育を実施しています。

1年次には、薬学を学ぶ際の導入科目と語学および体育科目とともに、医療人に求められるヒューマニズムや医療倫理を身に付けるための体験学習を中心とした「薬学入門」が設けられています。1年次後期から4年次では、薬剤師として最低限身に付けておかなければならない専門薬学科目群の習得が中心になります。4年次には患者を中心とした医療における"薬の責任者"として、適切な薬物治療に貢献できる能力を養うことを目的として統合型薬学教育の「薬物治療学」を配置しています。従来の講義形式の利点と、学習効率の高い少人数自己学習法であるPBL教育を併せた「ハイブリット型PBL教育」を通じ、学生一人ひとりに実践的な薬物療法の学びを提供しています。4年次後期には医療現場で求められる専門知識・技能・態度について学ぶ「実務実習事前講義・演習」が設けられ調剤技術や接遇マナーを習得します。4年次終了時点で5年次実施の臨床実習に必要な知識、技術及び態度を確認する共用試験に合格した後、5年次に病院と薬局でそれぞれ11週間(合計22週間)の実務実習を受けます。実務実習では、実際の患者に接し、医師や看護師とのチーム医療の中で、薬物治療の実際を体験し学部教育で習得した知識・技能を、医療に必要な生きた知識と確実な技能へと醸成させます。5年次の「実務実習」が実施されない期間中と6年次前期には、配属研究室において「薬学卒業研究」に取り組み今後の薬剤師に求められる科学者としての視点と考察力を養成します。6年次の9月末には卒業研究内容の発表会が実施され卒業論文を作成します。さらに6年次後期には、薬学部6年間で習得した知識・技能を総合的に整理する「薬学特別講義」を履修します。

学年の枠を超えて学び合う「エイジミキシング」を導入

「早期体験学習」では、すでに履修した4年生が、1年生に自らの経験に基づいて指導。また議論などを通じて、お互いに刺激し合い、モチベーションの維持・向上を図ります。異なる学年の学生同士が同じチームで学び合う画期的な学習スタイルです。

臨床現場で活躍するための技術を磨く「シミュレーション学習」を実施

患者の病態の変化を再現できる患者シミュレーターを使用して、実際の患者を想定した薬物治療や薬剤投与のシミュレーションします。薬剤の過剰投与や誤処置により身体にどのような変化が生じ、どう処置すべきかなどを実践的に学ぶことができます。

臨床薬剤師の育成を推進する「アドバンストコース」を設置

5年次に実施する長期実務実習で修得した薬剤師としての知識・技能・態度の向上に加えて、臨床現場で求められる、より実践的な知識・技能・態度を身に付けるために「アドバンストコース」を設置。本学と教育協定を締結している名古屋大学、藤田保健衛生大学、愛知医科大学や安城更生病院などにおいて、指導薬剤師および指導教員の指導下で臨床研究に取り組み、高度な専門知識と臨床技能を有する臨床薬剤師を育成しています。

海外臨床薬学研修

本学部は、米国カリフォルニア州の南カリフォルニア大学薬学部、アラバマ州サンフォード大学薬学部、およびアリゾナ州アリゾナ大学薬学部と学術交流協定を締結。この協定に基いて、5年生と6年生を中心に、それぞれ10人が参加する臨床研修を実施しています。参加学生は、米国の学生とともに、現地で臨床研修に参加し、米国の先進的な薬剤師の役割を理解します。

参加学生の報告書などはこちらをクリック

薬剤師が学ぶための共有プログラムを実施

このプログラムは、臨床現場の薬剤師向けに6年制薬学教育で行っている臨床判断能力育成カリキュラムを、スクーリングとeラーニングで提供しているものです。薬剤師としての臨床判断能力と指導者としてのコーチング能力の向上を図ると同時に、実務実習で関わる薬学部学生に対しその学びを発揮してもらうことで、学生と薬剤師がともに育つ「共育」をめざすものです。

重要な医薬情報を収集・管理する「医薬情報センター」を設置

医療に直結する重要な医薬情報を収集・管理する「医薬情報センター」では、医薬品業界の動向や新薬など最新情報の収集をはじめ、集めた情報の多角的分析、医薬品の安全性確保のため副作用や中毒に関するデータベースの作成などを行っています。

Carpis Web版

薬学共用試験(CBT・OSCE)

薬学教育6年制においては、5年次実施の22週間の実務実習を受講するにあたり、4年修了時に「薬学の基礎知識」の習熟度を確認するテスト(CBT)が行われます。

このテストは、全国全ての薬学生を対象に実施される共用試験の一つで、CBT(Computer Based Testing)の名の通り日本薬学会作成の多肢選択式問題を、インターネットを介してコンピューターで解答する試験です。正答率60%以上を合格とします。

薬学共用試験

令和4年度 名城大学薬学部 薬学共用試験結果

実施日程合格者数合格基準
CBT 本試験
令和5年1月10日・11日
追・再試験
令和5年2月14日
239人 正答率60%以上
OSCE 本試験
令和4年12月18日
追・再試験
令和5年2月25日
240人 細目評価70%以上
概略評価5以上
共用試験 239人

人材養成目的

人材養成目的その他教育研究上の目的

薬学部は、薬学の確かな知識、技能とともに、生命の尊さを知り、豊かな人間性と倫理観をもち、人々の健康と福祉の向上に貢献できる人材の養成を目的とします。

学生実習

充実した設備の中で実験が楽しめる豊富な実習科目

薬学部では、教養科目の他に、化学、生物学、物理学を3本の柱とする多くの薬学関連科目について、基礎から応用へと順次高度な内容を学習できるカリキュラムが組まれていますが、その一方で、講義で学んだ知識や理論を活きたものにするための実感教育の場として、充実した設備の中で実験が楽しめる豊富な実習科目が用意されています。

「実習」は基礎から専門に至る全ての科目の中から、薬学生として必要な基本的な知識と技能を身に付けることを目的とするもので、そのプログラムは1年次の薬学入門実習(4実験)にはじまり、2,3年次の化学系、生物系、分析系、物化製剤・薬剤系の4つの分野の基礎科目と応用科目とで構成され、2年次から3年次の毎週午後の時間帯に開講されています。実習は、薬学教育開発センター・学生実習部門の教員が実習内容全体の企画・立案、日程調整、教材作成、設備・備品等の一元的管理などを行い、実習科目の円滑な運用に努めています。

実務実習事前学習(6年制課程)

実務実習事前学習とは

薬学教育6年制では、5年次に病院及び薬局でそれぞれ11週間(合わせて22週間)の長期実務実習を実施します。その実務実習に先立ち、大学内(医薬情報センターモデル化された薬局クリーンルーム等)において薬剤師業務に関するシミュレーション教育として事前講義・演習(事前学習)を実施します。

本学部における事前学習は、「卒業後、医療に参画できるようになるために、病院実務実習・薬局実務実習に先立って、大学内で調剤および製剤、服薬指導などの薬剤師職能に必要な基本的知識、技能、態度を習得する。」ために、薬剤師の業務の流れを意識したケース課題を基に学習者自らが判断し、何を解決しなければならないのかを学習することで、薬剤師に必要な基本的な知識・技能・態度を身に付け、薬剤師の役割を考察することを目標としています。

概要

具体的な内容は、実務実習モデルコア・カリキュラムの事前学習に関する学習目標に基づき、3つのユニットから構成しています。各ユニットは、講義・演習・SGDから組み立てており、形成的に学習ができるようプログラムしています。

  • 【オリエンテーション】事前学習を始めるにあたって(1日間)
  • 【第1ユニット】処方せんに基づく調剤、無菌調製・注射薬管理(10日間)
  • 【第2ユニット】患者情報と服薬指導(5日間)
  • 【第3ユニット】薬剤師業務とリスクマネジメント(5日間:自己学習を含む)
  • 【総合演習】(5日間:自己学習を含む)

また、オリエンテーションでは、薬剤師倫理に関する講義、マナーセミナーを実施し、事前学習期間中、常に心がけるよう指導しています。

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