2026.08.20

国際協力研修(カンボジア):4日目!

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カンボジア研修4日目

2026.08.20
 カンボジア研修4日目は、トゥールスレン虐殺博物館(S21)とキリングフィールドを訪問しました。目を背けたくなるような歴史に向き合うことは、学生たちにとって勇気が必要だったと思います。しかし、ポル・ポト政権下で起きた虐殺の歴史を自分の目で見て、平和の大切さについて考える機会となりました。

トゥールスレン虐殺博物館(S21)

Y. Y. (3年生)
 トゥールスレン虐殺博物館は、ポル・ポト政権下でS21と呼ばれる収容・尋問施設として使用されていた元高校の校舎を、そのまま博物館として保存した施設です。1970年代後半には、知識人や公務員、軍人などを含む多くの人々が国家の敵とみなされて収容され、尋問や拷問を受けました。現在も当時使用されていた独房や足枷、尋問に使われた部屋、収容者の顔写真などが残されており、当時の状況を知ることができます。
 私は事前学習を通してポル・ポト政権やS21についてある程度知識を得ていたため、見学前からこの場所で何が起きたのかは理解していました。しかし、実際にその場所に立つことで、知識として理解していた「虐殺」と、そこで実際に起きていた出来事との間には大きな隔たりがあることを感じました。
 強く印象に残ったのは、独房の入り口でした。他の教室の入り口とは比べものにならないほど狭く、人一人がやっと通れるような大きさでした。その狭さを目の前にしたとき、当時ここに収容されていた人々が感じた恐怖や絶望を少しだけ現実として想像することができました。
 さらに心に残ったのは、収容された子どもたちの顔写真でした。前日に訪れた愛センターで一緒に触れ合った子どもたちの笑顔と、当時の写真とが自然に重なりました。同じくらいの年齢の子どもたちが、わずか50年前にはこの場所で命を奪われていたことを考えると、とても苦しくなりました。愛センターの子どもたちが彼ら自身の夢を語ってくれたのと同じように、当時の子どもたち一人ひとりに家族や夢、日常があったはずなのに、それが突然奪われたことを考えると、その事実を容易には受け止めることができませんでした。
 この出来事が約50年前という、決して遠い昔ではないことも重要な点です。自分の親世代や祖父母世代とつながるほど近い時代であり、今生きているカンボジアの人々の中にも被害を経験した人や家族を失った人がいることを考えると、この歴史は過去のものではなく、現在とも地続きの問題です。カンボジアでは、街が想像以上に発展している一方で、貧富の差が非常に大きいことも事実です。同じ国の中に全く異なる世界が存在しているように感じ、その背景にはポル・ポト政権時代の歴史が今でも影響していることを感じさせます。
 今回の見学を通して、歴史は過去の出来事ではなく、現在や未来につながるものだと強く実感しました。今の世界は過去の積み重ねの上にあり、私たちの行動も未来の世界をつくっていく。だからこそ、自分たちのためだけではなく、未来を生きる人たちのために今を精一杯生き、歴史を学び続けることが大切であるということを学びました。

S21生還者のChum Meyさんと

キリングフィールド

 キリングフィールドは、ポル・ポト政権下で多くの人々が処刑された場所です。カンボジア各地に同様の場所が存在しますが、今回訪れたチュンエク・キリングフィールドは、その中でも特に多くの人々が連れてこられた場所の一つです。トゥールスレンなどの収容施設から送られてきた人々がここで命を奪われ、現在も当時の痕跡が残されています。
 トゥールスレン虐殺博物館とは対照的に、キリングフィールドはとても静かな場所でした。木々や草に囲まれた穏やかな場所で、一見すると、ここで多くの人々が命を奪われたとは想像できません。しかし、その静けさの中には、当時の出来事を示す痕跡が今も残されています。特に印象に残ったのは、地面から現在も衣服や骨が見つかっているという事実でした。穏やかな景色と、そこに残されている生々しい痕跡とのギャップに強い衝撃を受けました。
 中でも、幼い子どもたちが幹に打ちつけられて殺害されたとされるキリングツリーや、監視役の人々が上っていたという木を実際に目にしたことは忘れられません。そこが単なる展示物ではなく、実際に人々の命が奪われた場所であることを考えると、歴史上の出来事として捉えていた虐殺が、急に現実のものとして迫ってくるように感じました。
 この場所で最も強く考えさせられたのは、「人間はなぜここまで残酷になれるのか」ということです。同じ人間が、他者の命や尊厳を奪う側になり、それを組織的に行っていたという事実を、簡単には理解することができませんでした。なぜ人はこのような行動をとるようになるのか、その背景にはどのような思想や社会の状況があったのかを、もっと知りたいと思いました。
 キリングフィールドを訪れて、歴史を知るだけではなく、「なぜこのようなことが起きたのか」を考え続けることの重要性を学びました。過去の出来事を遠い国の昔の話として終わらせず、人間が同じ過ちを繰り返さないために何が必要なのかを考えることが、ここを訪れた私たちにできることなのだと思います。

キリングツリー