副専攻(経営学)制度に挑戦する場合、2年次から履修が可能になるため、外国語学部の授業や留学とのバランスを取りながら計画を立てることが重要となってきます。3年前期で修了をした平川さんと松岡さんに、副専攻制度に臨む上でのコツを聞きました!
副専攻制度挑戦のきっかけ
松岡:きっかけは1年生の夏休みに経験したマレーシア研修です。現地でのマレーシア人学生との交流を通じて「主体的な学び」の重要性を実感しました。マレーシア研修は他にも多くの刺激を得ることができたのですが、英語学習や異文化理解だけではなく、円滑な就職活動のためにも社会人としての基礎知識を得たいと考え、副専攻制度を活用することを決めました。
平川:私は就職活動において、他人とは異なるアピールポイントが欲しかったので履修することを決めました。受講し始めてから、外国語学部の学びだけでは得られない知見を獲得し、普段の生活の中でも視野の広がりを実感できるようになりました。たとえば、スーパーマーケットに行った際、どのように消費者心理を利用した売場づくりをしているかなどに意識が向くようになりました。
履修の流れ
松岡:外国語学部の講義科目は、2年後期までに大半を履修しました。そのため、3年前期に4科目の副専攻科目履修というように力を注ぐことができました。2020年度はコロナ禍というイレギュラーな状況だったため、授業がオンライン開講となり、移動時間を気にせずに受講することが可能でした。ただし、これは2020年度の特殊な例で、通常は3年後期まで履修はかかると思います。注意点としては、年度によって時間割が変更になる可能性もあるので、必ず外国語学部の授業と、経営学部の授業のバランスをとることが重要です。3年次以降は授業の難易度も高くなるので、しっかりと単位を修得するためにも、なるべく早めに余裕ある副専攻の履修を心掛けることが大切です。
平川:私たちはセメスター留学は選択をしなかったので、海外体験は夏季休暇中などの短期プログラムに参加しました。私も松岡さんが参加したマレーシア研修などで多くの異文化体験ができました。一年生の後期に副専攻のことを知り、挑戦を決意しました〈図参照〉。2年次にセメスター留学に参加する場合には履修計画が変わってくるので、4年次にどんな科目を取ることができるか、何単位必要になるかなどを考えておくといいと思います。
履修デザイン(平山さん・松岡さん)
■2年前期:『国際流通論(2単位)』
■2年後期:『国際マーケティング論(2単位)』『基本簿記(⋆4単位)』
■3年前期:『マーケティング入門(2単位)』『ネットワーク組織論(2単位)』『プロダクト・デザイン論(2単位)』『グリーンマーケティング論(2単位)』
⋆『基本簿記』のみ2時限受講のため4単位
印象に残った科目
平川:『基本簿記』です。この授業は2時限連続した授業になっていて、外国語学部の語学系の授業とは異なる形態でした。普段使わない計算式や、膨大な桁数の数字に慣れるのには時間が必要でしたが、元々簿記に興味があったこともあり、自分で参考書などを購入し学習を進めました。その結果、努力の甲斐もあり期末試験にて満点を獲得できました!私たちが履修した以外の授業もとても面白そうなものがあります。自分の興味に合わせて、しっかり講義内容を事前に調べながら科目選びをすると良いと思います。
松岡:3年前期で履修した『マーケティング入門』です。この授業では毎回レポートの課題が出されました。授業内容は普段当たり前のように利用している店舗の売り場作りや、商品のプロモーションなど消費者目線では気にしない視点に関する学びが多かったです。課題に取り組む際には、実際に店舗へ足を何度も運んでフィールドワークをすることで内容に具体性を持たせるように工夫しました。
実際に取り組んだ課題
松岡:これは『マーケティング入門』で実際に出された課題です。写真①は近くのスーパーマーケットへ行き、POP広告に関しての調査を行ったものです。特に、「定性調査が適するか」を確認する課題でした。定性調査とは、数字では分からない疑問点を明らかにするために採択される調査方法でインタビューやフィールドワークが含まれます。今回は、実際に売り場でフィールドワークと観察を行いました。
実際にPOP広告がある商品と無い商品で顧客の行動を1時間程度観察しました。公平を期すため、同じカテゴリーの商品を対象にしました。個人的な分析ですが、観察結果は前者の方が商品の売れ行きが多く、また消費者が立ち止まって手に取る人数が多い事が分かりました。
観察した人数:193人
観察結果
・手に取った人数
POP有:102人/POP無:91人
・立ち止まった人数
POP有:157人/POP無:36人
(調査日時:2020年7月19日)
写真②は、この課題に取り組んだ際に見つけた別の広告です。名城線の車両広告ですが、車両全体に同一商品の広告を掲示することで、乗客の商品への購買意欲を高めることができるのではないかと思いました。このような身近なマーケティングの手法について調べたことで、広告に対しての見方も変化したと思います。
大変だったこと・苦労したこと
平川:私が苦労したのは、空きコマの使い方と時間割の組み方です。外国語学部の基本的な時間割によっては、副専攻の講義までに2、3限分の空きコマが発生することもあります。その空きコマの時間をいかに有効に使うかが円滑な受講の大切なポイントになります。でも、当初慣れていなかった私は、天白キャンパスで2時間も何をしたらいいかわからず、時間を持て余して貴重な時間を無駄にしてしまったことがあります… また、時間割の組み方ですが、副専攻科目を受講したくても、外国語学部の授業とバッティングしていたり、移動時間を含めると間に合わなかったりという問題があって管理がとても大変でした。
松岡:最初は授業タイトルだけで授業を選んでしまったので問題が生じました。たとえば、2年次で履修した『国際マーケティング論』ですが、この授業は経営学部で開講されている『マーケティング入門』(1年次開講)の発展講義だったので、基礎が十分でない自分は内容理解に苦戦しました。もう一つ苦労したのは、レポート課題や試験対策のために使える図書資料は天白キャンパスの図書館(本館)に多いので、天白キャンパスにいる時間を有効に使って勉強をしなければいけません。キャンパス間移動があるので、時間の使い方やスケジュール管理がやはりとても苦労しました。
失敗談(松岡さん)
松岡:それから、もう一つ、本当に大きな失敗談があります。ナゴヤドーム前キャンパスから天白キャンパスまでは大学の無料シャトルバス〈リンク参照〉が出ているのですが、あいにく2限終わりの時間にドーム前から天白に向かうバスは運行していませんでした。それを知らずに履修登録してしまったので、毎回、地下鉄で向かわざるを得ませんでした…(自腹…涙)。到着時間もギリギリで、走って教室まで向かいました。お昼も十分に取れず大学生活の中で一番辛い経験でしたね…。でも、今となってはスケジュール管理においてとても良い教訓になっています(笑)。
学び・強みになったこと
平川:一番役立ったのは、就職活動でのグループワークです。小売業界の説明会やイベントではマーケティングに関するグループワークがあることが多く、課題として【この商品を売り出すにはどういった戦略をとったらいいか】などのテーマに取り組みます。マーケティングの基礎知識を持っていると、グループの中で自信をもって意見を出すことができ、企業側にもアピールすることもできました。外国語学部の授業でも課題解決には取り組みましたが、経営学部の授業を履修したことで、自分の表現の幅が広がったと感じられました。
副専攻修了の秘訣
松岡:なんといってもやはり、「気力」と同じ目標を持つ「友人」は必要不可欠だと感じました。他学部履修は2年前期から開始なので、“副専攻解禁”と同時にスタートダッシュを切ると、後々履修が楽になるだけではなく、心に余裕をもって講義を受けることができます。ただし、簡単ではないので気力が必要です。また、少人数での授業が多い外国語学部とは違う環境で、周囲にも頼る存在が少ないため、お互いに学びを確認できる友人がいるだけで気持ちは変わります。同じように副専攻履修をしている友達と切磋琢磨できたことが修了のカギでした。
平川:効率的な講義の取り方を意識することだと思います。例えば、『基本簿記』は2時限連続の授業になりますが、外国語学部の授業が比較的少ない木曜日に開講されているので(2020年度時点)、空いた時間に4単位分が習得できます。このような効率重視の取り方であれば、最短1年半で修了することができます。もう一つ、繰り返しになりますが、セメスター留学に臨む場合には違った履修計画になると思うので、早い段階で授業を調べたり、計画を立てたりすることが大事だと思います。
就活でのアピール
平川:私は面接での自己PRの一環として活用しました。副専攻制度自体が中部地域ではかなり珍しいので、面接官の方に興味をもっていただけることができました。「どういった分野を専攻していたのか」「どうして副専攻制度を履修しようと思ったのか」などを面接官の方から具体的に質問をされたので、「未知の学問の世界へ挑戦していくチャレンジ精神」や「一つの学びだけでなく多方面で成長したいという向上心」などをキーワードにして、自分のアピールポイントの拡大に繋げることができました。なにか一つでも武器を持っていると自分の心の余裕にも繋がると思います。
松岡:私はサービス業界への就職を考えています。「経営学の学びって活きるの?」と思うかもしれませんが、近年環境に配慮した観光や企画は増加していますし、SDGsの目標達成に向けて貢献する日本企業も増えています。私が3年生の前期で履修した『グリーンマーケティング論』での知識は、こういった将来の仕事に活かせると思います。授業ではSDGsについて、実際の企業の取り組みを通して学びました。社会に出た際に、学びのアウトプットとして時代の変化にあった企画やサービスを行いたいと考えています。
平川:私もサービス業界に興味をもって就職活動をしています。『マーケティング入門』などで得た、消費者心理やマーケティング法の知識を活用し、将来サービス業界で広報や企画などの分野にて活躍していきたいと考えています。基礎知識を備えておくだけで、前述したように就職活動のグループワークでも役に立ちますし、周りとの差別化を図ることができます。そして何より経営学部の講義を履修したことで、今まであまり見てこなかったビジネスニュースなどに注目するようになりました。このような意識変化を就職活動中の今、情報収集能力の発達に繋げ、そして将来的には社会人としての土台構築に活かしていきたいです。
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