学びのコミュニティ

本を中心とした交流で、好きなものを語り合う温かさを生みだす

学びのコミュニティ創出支援事業 サカバンブックス

2025年10月、学内共創スペース「社会連携ゾーンshake」のあるフロアで、人と人がつながる名城大学シェア本棚「i am BOOKs MEIJO」の運用がスタートしました。その運営を担い、学生主体で新たな賑わいや交流を生み出しているのが「サカバンブックス」です。
団体のメンバー3人に、活動についてお話を伺いました。

MEMBER

  • 都市情報学部4年 遠山信吾さん

  • 都市情報学部3年 牛島小晴さん

  • 理工学部建築学科3年 渡邉彩愛さん

OUR PROJECT

PROJECT SUMMARY

どんなプロジェクト?

社会連携ゾーンshakeの活性化を目的に発足した「サカバンブックス」。
2025年3月に、シェア本棚「i am BOOKs MEIJO」プロジェクトを立ち上げました。「自分の個性を本で表現したい!」と思う棚主(オーナー)に、社会連携ゾーンshakeのあるフロアに設置された格子状の本棚の一棚を一人ずつ貸し出し、セレクトした本を並べてもらいます。ただ本を置くのではなく、本棚を中心に学内の在学生、卒業生、教職員、地域住民、自治体、企業などの多様な人々が、年齢や職業を超えてフラットな交流ができるイベントや企画を定期的に開催しています。

WHAT WE LEARNED #01

ゼロから仕組みを構築する難しさを実感

「2024年11月からメンバーを集めて動き始め、シェア本棚の運用までに、約1年かかりました」と、牛島さん。シェア本棚の利用規約の策定にとにかく時間がかかり、苦労したといいます。

「ここでは棚を貸す際に料金が発生しません。本を置くハードルが下がる分、置かれる本の内容チェックや、利用者が適切に本を扱ってくれるのかなど、最初は懸念が多かったです」と牛島さんは振り返ります。

シェア本棚を無料で運用している県内の事例が少なかったことにも、頭を悩ませたそうです。

そこで本のある空間の様々な運用事例を学ぶため、2025年3月に、当時のメンバーで研修旅行を実施。山口県下関市にあるブックホテル「ねをはす」や、兵庫県神戸市にある「こども本の森」などを訪問し、施設見学や空間の設置者からお話を伺いました。
この研修旅行で得た知見も参考にしながら、利用規約が完成。棚主(オーナー)や利用者など、さまざまな人の視点に立って検討を重ねる中で、ゼロから仕組みを構築する大変さを、身をもって実感できたといいます。

WHAT WE LEARNED #02

温かさを生み出す仕掛けを作る側に立ち、得られる学び

シェア本棚の運用準備期間中にも、人と人をつなぐ交流イベントを模索。名古屋・栄にある本屋「文喫 栄」とコラボした選書ワークショップや、自分の好きなことについて語り合うカフェ風交流イベント「好きカフェ」の開催などで、関わる人や団体の活動の幅を拡げていきました。「選書の知識だけでなく、ワークショップを実践する際に必要なファシリテーションについても学べました」と牛島さんは話します。

シェア本棚の運用が始まってからも、月に1度のオーナー交流会や、一般の人も参加できる栞作りワークショップ、読書会などのイベントを開催。週に1度、サカバンブックスのメンバーで定期ミーティングを行い、人と人をつなぎ、温かさを生み出すには何ができるか話し合いながら企画を考えています。

定期的なイベントの開催と振り返りを重ね、実践と改善を繰り返しています。

WHAT WE LEARNED #03

好きなものを通して新たな世界が開ける場に

「i am BOOKs MEIJO」は現在、50の一箱本棚がすべて埋まっています。棚主(オーナー)は、名城大学の学生、教職員だけでなく、中高生、企業で働く人、80代の方など、年齢や職業もさまざま。いろいろな人の「好き」が本棚に詰まっています。
単に本が並ぶだけでなく、そこには双方向のコミュニケーションが生まれる工夫があります。shakeを利用する学生や教職員、一般の来館者が、栞型のアイテム(リアクションカード)に感想を書き留め、気になったページに挟むことで交流を促す仕掛けもその一つです。本を通じて誰かと繋がる体験が生まれるこの本棚は、まさにshakeが目指す、人と人が集うコミュニティの場そのものです。
さらに、オーナー交流会には毎回10~20人ほどが参加し、本の感想を語り合いながら、多様な価値観に触れられる場となっています。

リアルイベントだけでなく、ソーシャルメディアを用いた交流の場も設けています。コミュニケーションアプリ「Discord」では、棚主(オーナー)やサカバンブックスのメンバーが読んだ本の感想を自由につぶやき、おすすめ本をシェアしあう姿などを見かけることができます。「本が好き」という共通点を持っている人たちが集まっているからこそ、安心して語れる場を創出しています。
「普段は読まないジャンルの本のおすすめを募る人もいて、好きなものの入口を広げる手助けができている」と、牛島さんは手応えを語りました。

WHAT WE LEARNED #04

相手を肯定し合う交流のかたちを創造

遠山さんはメンバーの中で比較的、本を読まないタイプといいます。「人が集まる場を作ることに興味があり、サカバンブックスに入りました。好きな本は電車の時刻表。
自分も変わっている方だと思いますが、周りを見ても、民俗学が好きとか、東野圭吾の作品をこよなく愛するとか、みんな好みが偏っていて変わり者が多い。好きなものを尊重し合えれば、好みが共通していなくても交流できる」と、活動を通して得た気づきを語りました。

渡邉さんは、サカバンブックスに入ったことで「元々人見知りで全然話せなかったのに、積極的に人前で話せるようになった」と自己成長を実感しているそう。
「話すことが楽しいと思える場だから、定期ミーティングが一番楽しい」と語り、メンバー同士の仲が良く、意見を交わしやすい雰囲気だと話しました。

「過去のイベントの参加者で、サカバンブックスのチームに加入してくれたメンバーもいます」と牛島さんは語りました。サカバンブックスの良さは、人の意見を肯定し合える空気感があること。チームでそれぞれの「好き」を尊重し、意見が言いやすいチームになっていることだといいます。

NEXT STEP

継続して温かさを生み出していくために

「立ち上げ当初から考えると、学内の学生や教職員だけでなく、文喫事業を展開する『株式会社ひらく』といった学外企業や、さまざまな背景を持つ人たちと、これだけの交流が生み出せるとは思わなかった。挑戦を継続することが重要であると学びました。今後もshakeからさまざまな交流を生み出していきたい」と、遠山さんは語りました。

一方で、渡邉さんは「活動を通して、場所を作って終わりではないことに気づかされました。集まる人たちが常に新鮮に楽しめる働きかけがなければ、活発な交流は続かないと思います。場を作って終わりにしないためにも、これからも何ができるのか考え続けたい」と、サカバンブックスが今後取り組むべき課題について語りました。

牛島さんは、「今は私たち発信でオーナー交流会を行っていますが、オーナー発信のイベントなど、二次的、三次的な交流が発生していくことが理想です。サカバンブックスの活動はshakeの活性化も目的としているので、『shakeが何やらすごく盛り上がっている』と気づいてもらい、多くの人がここに集まるようにしていきたい」と、今後の展望を語りました。

学生コミュニティ『サカバンブックス』
ナゴヤドーム前キャンパス西館2階shakeで活動中!
シェア型本棚 「i am BOOKs MEIJO」 をメインにshakeの活性化を目指しています。

一箱本棚の棚主(オーナー)募集やイベント情報はInstagramからご確認ください!
『サカバンブックス』Instagramアカウント

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