学生が挑む!市民の疑問解決プロジェクト

最先端の治療が届く未来を目指し、医療への関心の輪を広げる

学びのコミュニティ Innovation for NEW HOPE
学生アンバサダー

「日本で最先端の治療法が1日でも早く、継続して届く社会の実現」を掲げるInnovation for NEW HOPE。「学生が挑む!市民の疑問解決プロジェクト」は、医療関係者や患者団体、専門家、学生アンバサダーが連携し、専門性の高い医療課題について、わかりやすく情報発信する取り組みです。2026年6月には名古屋市の商業施設でイベントを開催。150名を超える幅広い年代の方が参加し、大きな反響を呼びました。今回はこれまでの取り組みを振り返るとともに、活動を通じて感じたことや今後の展望について話を伺いました。

MEMBER

  • 薬学部6年 水野遥さん

  • 薬学部4年 可児 沙也伽さん

  • 薬学部4年 加藤優美香さん

  • 薬学部5年 玄田有祐美さん

OUR PROJECT

PROJECT SUMMARY

どんなプロジェクト?

Innovation for NEW HOPEは、「日本で最先端の治療法が1日でも早く、継続して届く社会の実現」を目指し活動をしています。2023年に、医療関係者や患者団体、政策分野の専門家6名と運営企業であるアステラス製薬によって発足しました。
活動の背景にあるのは、新たな治療法を待ち望む患者さんのために新薬が日々開発されている一方で、海外で承認された医薬品が日本で承認されるまでに時間を要する「ドラッグ・ラグ」や、日本では開発・承認されないために使用できない医薬品が生じる「ドラッグ・ロス」といった課題です。「学生が挑む!市民の疑問解決プロジェクト」は、こうした日本の医療を取り巻く現状を専門家や患者さんから学ぶとともに、課題を市民の方に伝え、理解と認識を深めることを目的としています。

このプロジェクトにはこれまで名城大学の学生約10人が参加。メンバーは大学のリーダーシップ開発プログラム「iMPACT!」等を通して、本プロジェクトに参加しました。

WHAT WE LEARNED #01

それぞれの得意を掛け合わせ、より良いものを生み出す

2025年度は「日本で最先端の治療法が届かないのはなぜ?」をテーマに、親子や高齢者などターゲットの異なる6チームが、情報発信のためのゲームやポスターなどを制作しました。水野さんと玄田さんは高齢者向け、可児さんと加藤さんは親子向けを担当。異なる大学の学生で構成されたチームだったため、「当初はチームづくりに苦労しました」とメンバーは振り返ります。オンライン会議なども活用しながら、会議を重ねる中で、それぞれの得意・不得意を共有し、作業が偏らないよう役割を分担。特に高齢者向けチームでは、美術を学ぶメンバーにデザインを任せ、水野さんと玄田さんは薬学部の知識を生かし、「どの病気が一番自分事化しやすいか」の検討や川柳のトピック選定などを担当しました。異なるバックグラウンドを持つ学生が集まったからこそ、それぞれの強みを生かしてチームを形成し、企画を形にすることができたようです。

WHAT WE LEARNED #02

薬や医療を身近に感じ、考える機会を届ける

2026年6月13日には、イオンモールナゴヤドーム前で「新しいくすりがわたしたちのもとに届くまで」をテーマにイベントを開催。3つの層を対象にしたブースを企画・運営しました。今回は学生が事前準備から当日の運営までを担当。可児さんが全体の統括、玄田さんが広報や全体のテーマ設定、加藤さんが会場レイアウト、水野さんが経費管理やアンケート制作を担当しました。

親子向けのブースでは、最先端の創薬プロセスや医療の仕組みを楽しく学べる、体験型すごろく「おくすりはかせになろう!」を企画しました。難しいテーマだからこそ、子どもたちが親しみやすいよう、イベントマスを取り入れるなどの工夫を凝らしました。また、一緒に参加する保護者が子どもに対してわかりやすく噛み砕いて説明できる言葉を意識したといいます。
「イベントでは、子どもたちが声を上げながら楽しみ、保護者の方も関心を持って参加してくださる姿を見ることができ、医療の課題やその魅力を伝えることの意義と手応えを感じました。」と可児さんは振り返ります。

高齢者向けのブースでは、川柳企画やポスターを用いた対話型企画を展開。最先端の治療法という聞き慣れない言葉や日本の医療が抱える課題を少しでも身近に感じ、自分事として考えてもらいたいという思いから、子どもや孫が生きる未来を想像しながら詠む川柳企画を実施しました。
「実際に集まった川柳の中には、孫の将来を案じる想いや自身の健康を願う言葉が多く、参加者の方々に医療を自分や家族に関わることとして捉えていただけたことに達成感を得ました。」と水野さんは語りました。

WHAT WE LEARNED #03

多様な人との関わりから学ぶ、社会で活きるコミュニケーション

各チームにアステラス製薬の社員の方が担当として伴走し、活動をともにする中で、相手に合わせた適切な連絡手段や言葉遣いを意識するようになったことが成長の一つだといいます。また、大学教授や政治家を招いた学会や講演会など、日本の薬を取り巻く現状について学ぶ機会を通じて、目上の方への丁寧な接し方はもちろん、「質問しないことは相手への失礼にあたる」という意識も身についたそうです。加藤さんは「同年代だけでなく、目上の方に対しても自分の意見を言葉にして伝える機会が多く、それが自身の成長につながった。」と語ります。多様な人々との関わりを通じて、相手に合わせて自分の意見を的確に伝える力を身につけた学生たち。それが、イベントで来場者に医療課題について伝える際の発信力にもつながっているようです。

NEXT STEP

あるべき未来をともに考え、つながりを広げる

「Innovation for NEW HOPE」の活動を通じて、薬を取り巻く現状を知る事ができたメンバー。「この活動で得た学びを自分たちでかみ砕き、どうすれば伝わるのかを考え、イベントでの対話に活かせるのは、このプロジェクトならではの魅力です。」と可児さんは話します。

さらに「この活動で薬学の知識を社会に還元できることを実感でき、大学の学びに対するモチベーションにもつながりました。」と水野さんは活動のやりがいを語りました。
今後の目標は、最先端の治療法や医療課題に関する学びを深め、より多くの方々に気づきや発見の機会を届けることです。イオンモールナゴヤドーム前でのイベントの際には、子どもたちが自宅で親と医療について話すきっかけとなる持ち帰り用の資料を制作。イベントで得た気づきを家庭で共有し、医療について話す機会が生まれることで、家族全員が医療課題を自分事として捉えるきっかけにつながります。

可児さんは「自分が知ったことを次の人に伝え、その人が私たちの企画に興味を持って参加し、また新しい知識を得る。このような循環を生み出すことで、私たちが理想とする社会に近づいていくと考えています。市民と未来の医療をつなぐ架け橋となる存在を目指し、情報発信に挑戦し続けたい。」と展望を語ってくれました。

OTHER PROJECT