大学概要 【2016年度実施分】次世代リーダー育成及びアクティブラーニングの推進

附属高等学校

No.継続30

実施責任者岩崎 政次

附属高校では,3号館2階の「学習ルーム」において,生徒主体のサロン的学習が展開されています。
自然科学ゾーンの学習・実験ルーム では,「数学オリンピック」や「科学オリンピック」に代表される大会やコンテストに向けての準備がアクティブ・ラーニング形式で行われています。
グローバルゾーンの「英語多読ルーム」では,協力委員の生徒が中心となって英語ビブリオバトルを展開し,「英会話ルーム」では,名城大学のグローバルプラザとタイアップしたイベントやプレゼン発表会、洋楽、洋画鑑賞会などを計画しています。

第3回次世代リーダー育成講座を開催しました。(2/28更新)

2017/02/28

附属高校では,「次世代リーダー育成及びアクティブラーニングの推進」を目標に、3号館2階の学習ルームを利用し活動しています。その活動の一環として,2月16日(水)午後3時45分から午後5時にかけて,第3回次世代リーダー育成講座を開催しました。今回の講師は名古屋市中央卸売市場本場場長の古川直樹氏です。
名古屋市中央卸売市場は、織田信長時代に始まったと言われている「熱田魚市場」を起源に持ち、水産物の取扱高は全国3位、青果物の取扱高は全国10位の日本有数の卸売市場です。
今回は「食料・市場・世界~私たちの食生活をめぐるいろいろな話~」というテーマで、さまざまな食料に関する問題について、お話していただきました。
穀物は世界の大半の地域で主食となっています。その穀物について、「総生産量では今後も十分に人類を養っていける。しかし、実際には食肉用家畜の飼料として35%が消費されたり、バイオ燃料の原料として利用されたりしており、人類の食用になっているのは48%つまり半分以下だ。食肉の消費量は増加傾向にあり、従って家畜飼料としての穀物消費量も増加する。また、環境問題対策としてバイオ燃料の生産量も今後は増加が見込まれ、人類の食用に供することができる穀物量は減少していくので、今後は食糧不足に陥る可能性がある。特に日本は、食料自給率が低く、現在の3倍の農地がないと必要とされる量を賄えない。」というお話を伺い、生徒たちは驚いていました。
また、これからの食料問題として「食品ロス」について解説していただきました。現在、世界の国々が実施している年間食糧援助量は総計で約320万トンだそうです。それに対して、日本国内の食品ロスは年間約642万トンだそうです。このことから日本が無駄にしている食料がいかに多いかが分かります。また、日本の食品ロスの約半数が家庭から出ているそうで、その80%以上が「過剰除去(食べられる部分まで調理時に取り除いてしまう)」と「食べ残し」によるものだそうです。つまり、私たちが調理法を工夫したり、食べ物に対する意識を改めたりすることによって、食品ロスのかなりの部分を解消できるということになります。
この他にもいろいろなお話を伺いましたが、いずれのお話しも日頃から食料に関わっていらっしゃる古川氏だからこその内容で、最後に生徒に向けた「みなさんも、自分にできることを考えてみてください。」というお言葉がとても印象に残りました。

  • 卸売市場の重要性を語る古川氏 卸売市場の重要性を語る古川氏
  • 古川氏の説明に、聞き入る生徒たち 古川氏の説明に、聞き入る生徒たち
熱心にメモを取る生徒 熱心にメモを取る生徒
終了後も居残りで質問する生徒 終了後も居残りで質問する生徒

ACTIVITY

活動報告1(7/11更新)

2016/07/11

附属高校では,英語教育における多読学習や,SSH及びSGHのサロン的学習などの実践の場として,生徒が学習活動に主体的に取り組む環境の整備を行っています。3号館2階のフロアを自然科学ゾーン,グローバルゾーンと分け様々な形態のアクティブラーニング型授業を実施し,先進的な教育活動を実践するための場として活用しています。

【学習ルーム】
学習ルーム(自然科学ゾーン)では,授業後に自主的に集まり,サロン的学習を展開しています。そこでは,教員はファシリテータの役割を担っています。
1学期の利用状況は,通常授業時は1日あたり平均20名程度の生徒が利用しています。主な学習内容は,その日の授業の振り返り,数学オリンピックの対策演習,課題研究の内容など様々なテーマを持った生徒がホワイトボードの前で議論を重ねています。また,試験週間中は,平均30名程度の生徒が試験対策などをグループで行っています。
夏休み以降は,SSクラス2年生の生徒が,Thailand-Japan Student Science Fair 2016 での研究発表に向けての事前準備にも利用する予定でいます。
6月17日には,四方義啓名古屋大学名誉教授とコルカタ大学オビシック教授(インド)が日本での学会の合間を縫って来校されました。インドの気候や食べ物,また学生の様子など生徒に向けて,講義を行いました。

  • コルカタ大学オビシック教授の講義 コルカタ大学オビシック教授の講義
  • 教員はファシリテータ役 教員はファシリテータ役

【英語多読ルーム】
英語多読ルーム(グローバルゾーン)は,午前8時から8時25分と , 授業後の午後3時30分から6時15分頃まで開放しています。朝は,NHKラジオ英会話講座の視聴など数名の生徒が利用しています。また,名城大学から貸与されている約3,000冊の英語多読本の中から自由に書籍を講読し,語彙力アップに努めています。多い日には50名程度の生徒が利用し,平均すれば15名程度の生徒が利用していることになります。

  • 本の貸し出し,返却は生徒が運営 本の貸し出し,返却は生徒が運営

【英会話ルーム】
英会話ルーム(グローバルゾーン)では,英語によるプレゼンテーションの練習を行い,週1回ネイティブ教員のアドバイスを受け,プレゼンテーション能力を伸ばす試みを行っています。この部屋では,オールイングリッシュが義務付けられ,生徒ばかりでなく教員も参加しています。

  • 英語プレゼンテーションの練習 英語プレゼンテーションの練習
  • 練習後スコット先生からのアドバイス 練習後スコット先生からのアドバイス
教員も参加 教員も参加

2学期の学習ルームでの主な活動(11/24更新)

2016/11/24

2学期の学習ルームでは,授業後の自主学習に加えて,以下に示すテーマ学習を行いました。


【「あいち科学の甲子園2016トライアルステージ」に向けての自主学習会】
10月22日(土)愛知県立明和高等学校で「科学の甲子園2016」の愛知県予選を兼ねる大会で,特別進学クラス2年生とスーパーサイエンスクラス1年生の2チームがエントリーしました。夏休み以降,週1回のペースで自主学習を行いました。月に1回名古屋大学名誉教授四方義啓先生にアドバイスをもらいながら,数学,物理,化学,生物,地学の分野を勉強しました。結果は,残念ながら2チームとも予選敗退でした。

  • 四方先生によるレクチャー 四方先生によるレクチャー
  • チームで学習 チームで学習

【Thailand-Japan Student Science Fair 2016 での研究発表に向けての事前準備】
12月下旬にタイ王国で行われる研究発表に向けて,夏休み中にまとめた研究要旨を英文で作成し,それを発表用ポスター・スライドに英語でまとめる作業を授業後に行いました。現在,ポスターはほぼ完成し,ポスター発表を英語で行うための最終練習を行っています。

  • 英語によるプレゼン練習 英語によるプレゼン練習
  • ALTによるプレゼン指導 ALTによるプレゼン指導

【数学オリンピックの対策演習】
平成29年1月9日に行われる数学オリンピックに参加するための講習を2学期には7回計画し,数学教員の指導の元行っています。これまで20数名が参加をしており,講習以外にも学習ルームにおいて自主学習会を行っています。


【英語多読ルーム】
英語多読ルームでは,1学期と同様に,午前8時から8時25分と , 授業後の午後3時30分から6時15分頃までの間,NHKラジオ英会話講座の視聴や名城大学から貸与されている約3,000冊の英語多読本の中から自由に書籍を講読し,語彙力アップに努めています。


【英会話ルーム】
英会話ルームでは,英語によるプレゼンテーションの練習を行い,週1回ALT教員のアドバイスを受け,プレゼンテーション能力を伸ばす試みを行っています。この部屋では,オールイングリッシュが義務付けられ,生徒ばかりでなく教員も参加しています。
また不定期での実施ですが、外国映画DVDを利用した英語学習にも生徒主体で取り組みました。生徒が選んだDVDを視聴して、その後特定の箇所を選び、音声や字幕を切り替えるなどして英語学習に結び付ける活動をしています。

  • 自由に貸し出し 自由に貸し出し
  • 土曜講座で多読指導 土曜講座で多読指導

第1回次世代リーダー育成講座を開催しました。(1/6更新)

2017/01/06

附属高校では,「次世代リーダー育成及びアクティブラーニングの推進」を目標に、3号館2階の学習ルームを利用し活動しています。その活動の一環として,12月12日(月)午後4時40分から午後6時にかけて,第1回次世代リーダー育成講座を開催しました。講師は豊田工業高等専門学校講師の室賀翔氏。氏は本校の特別進学クラスを卒業し,東北大学工学部に進学。さらに,同大学大学院工学研究科電気工学専攻,日本学術振興会特別研究員,東北大学大学院工学研究科助教を経て現職に至っています。

今回のテーマは「課題研究に向けての心構え」と題し,氏の専門である「高周波磁気デバイス工学,電磁環境工学」を研究するに至った経緯を,高校時代の話から遡って講義をしました。大学進学のきっかけは,単純に数学や物理が得意であったこと。ITデバイスには少し興味があったが結局は理系の方が文系よりは就職が有利であり,理学部は就職の幅が狭いので工学部に進学したとのことでした。その話を聞いていた20名程の生徒は少し拍子抜けした様子でしたが,大学での研究生活の話が進むにつれて引き込まれていく様子が伺えました。東北大学の理念が「研究第一」「門戸開放」「実学尊重」であり,教員一人に対する学生数が他大学に比べて非常に少なく,研究室が抱える学生数も少ないため全員が研究の主要メンバーとして活躍できる環境にあるということでした。スマートフォンを代表とする日本の通信用電力の推移予測では,2020年には中部電力の発電量とほぼ同じ量の消費電力となり,それを解消するために巨大で分散した電力ネットワークをマイクロ・ナノ領域で最適化する。具体的には磁性体などの新規材料を使ったこれまでにないノイズ抑制デバイスの開発が氏の主な研究で,一日の大半は研究室での実験に明け暮れているとの話でした。

最後に,ここまで研究に没頭できたのは,大学院時代の恩師の言葉「35歳ぐらいまでは自由にやりなさい」であり,20年先も自分の好きなことを自分の力でやり続けていたいとの強い気持ち,そのためには世界で活躍するための免許,すなわち博士号が必要であったと締めくくりました。
その後,3年生に対して,これから受験する大学もしくは受験した大学について,どのようなきっかけで決めたのかを一人一人に発言を求め,それについて1,2年生が質問をし講師が助言をするといったサロン的学習が展開されました。3年生の将来設計や受験に対する意識の高さに驚きながらも,大学に入学してからが本当の勝負であるとアドバイスをいただき,1,2年生に対しては,「今は焦らなくても身の回りの少しの興味でも良いから膨らませることから始めなさい」と言葉をいただき終了しました。

第2回次世代リーダー育成講座を開催しました。(1/30更新)

2017/01/30

附属高校では,「次世代リーダー育成及びアクティブラーニングの推進」を目標に、3号館2階の学習ルームを利用し活動しています。その活動の一環として,1月26日(水)午後3時45分から午後5時にかけて,第2回次世代リーダー育成講座を開催しました。今回の講師は愛知県幸田町副町長の成瀬敦氏です。成瀬氏は幸田町の一般職として約30年勤められた後、平成22年9月から副町長となり、現在2期目を迎えておられます。今回は、「地域密着型の公務員像」というテーマで、幸田町の歴史や現在の幸田町の取り組み、そして副町長としての苦労などについてユーモアを交えながらお話をしていただきました。

今回のお話しで最も印象深かったことは「行政の仕事はたくさんの△(さんかく)を創ることだ。」ということです。行政上の課題については、住民の中には○(賛成)の方もいれば×(反対)の方もいる。行政の仕事は客観的判断、あるいは多数決に基づいて○か×かを決めることではない。誰もが納得する△を見つけ出すこと。ということです。また、この△を見つけるということは世の中全般の事柄に当てはめることが出来るというお教えをいただきました。「正解のない課題に取り組む」これこそ21世紀で活躍する次世代リーダーに最も必要とされる姿勢です。生徒にとって学校の授業、試験と異なる考え方に触れる良い機会になりました。

また、幸田町の現在について、「これまで法人税収入が多く、それを元に充実した町政を行ってきた。したがって住民を増やすという施策は採ってこなかった。しかし、法律が変わり法人税収入が減ることになった。そこで、住民を増やし町民税収入を増やすため、3つあるJRの駅周辺の整備や、市街化区域を増やすなどの施策に取り組んでいる。町の施策は国や県などの施策の影響を受ける。公務員はそういうことにも対応していかねばならない。ただ、そのための職員が少ないので、是非、幸田町職員の試験を受験して欲しい。」というお話しもありました。

そして最後に、成瀬氏はこれまで「『一日一生、一生一回』、『情熱、知性、感性』ということを大切に生きてきた。高校生の皆さんも是非参考にして欲しい。」とおっしゃっていました。

  • 幸田町の歴史を説明する成瀬氏 幸田町の歴史を説明する成瀬氏
  • 聴講生で満席の学習ルーム 聴講生で満席の学習ルーム
生徒同士のディスカッション 生徒同士のディスカッション
講義後に質問する生徒 講義後に質問する生徒

第3回次世代リーダー育成講座を開催しました。(2/28更新)

2017/02/28

附属高校では,「次世代リーダー育成及びアクティブラーニングの推進」を目標に、3号館2階の学習ルームを利用し活動しています。その活動の一環として,2月16日(水)午後3時45分から午後5時にかけて,第3回次世代リーダー育成講座を開催しました。今回の講師は名古屋市中央卸売市場本場場長の古川直樹氏です。
名古屋市中央卸売市場は、織田信長時代に始まったと言われている「熱田魚市場」を起源に持ち、水産物の取扱高は全国3位、青果物の取扱高は全国10位の日本有数の卸売市場です。
今回は「食料・市場・世界~私たちの食生活をめぐるいろいろな話~」というテーマで、さまざまな食料に関する問題について、お話していただきました。
穀物は世界の大半の地域で主食となっています。その穀物について、「総生産量では今後も十分に人類を養っていける。しかし、実際には食肉用家畜の飼料として35%が消費されたり、バイオ燃料の原料として利用されたりしており、人類の食用になっているのは48%つまり半分以下だ。食肉の消費量は増加傾向にあり、従って家畜飼料としての穀物消費量も増加する。また、環境問題対策としてバイオ燃料の生産量も今後は増加が見込まれ、人類の食用に供することができる穀物量は減少していくので、今後は食糧不足に陥る可能性がある。特に日本は、食料自給率が低く、現在の3倍の農地がないと必要とされる量を賄えない。」というお話を伺い、生徒たちは驚いていました。
また、これからの食料問題として「食品ロス」について解説していただきました。現在、世界の国々が実施している年間食糧援助量は総計で約320万トンだそうです。それに対して、日本国内の食品ロスは年間約642万トンだそうです。このことから日本が無駄にしている食料がいかに多いかが分かります。また、日本の食品ロスの約半数が家庭から出ているそうで、その80%以上が「過剰除去(食べられる部分まで調理時に取り除いてしまう)」と「食べ残し」によるものだそうです。つまり、私たちが調理法を工夫したり、食べ物に対する意識を改めたりすることによって、食品ロスのかなりの部分を解消できるということになります。
この他にもいろいろなお話を伺いましたが、いずれのお話しも日頃から食料に関わっていらっしゃる古川氏だからこその内容で、最後に生徒に向けた「みなさんも、自分にできることを考えてみてください。」というお言葉がとても印象に残りました。

  • 卸売市場の重要性を語る古川氏 卸売市場の重要性を語る古川氏
  • 古川氏の説明に、聞き入る生徒たち 古川氏の説明に、聞き入る生徒たち
熱心にメモを取る生徒 熱心にメモを取る生徒
終了後も居残りで質問する生徒 終了後も居残りで質問する生徒
  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ