大学概要【2026年度実施分】国際フィールドワークI(英語圏)

外国語学部

国際フィールドワークI(英語圏)
実施責任者:鈴村 裕輔

大学での学びを社会の中で活かせるのが本事業の大きな特長です。本事業では、シンガポールとマレーシアでの現地研修において地元企業・団体が抱える問題を、現地の大学生との協働や調査活動を通して解決します。参加学生は現地での課題解決型学習を通してこれまでの学修の成果を実践できるとともに、国や地域の枠組みを超えたグローバル人材となるために求められる挑戦心や探求心を一層向上させることを目指します。

ACTIVITY

国際フィールドワークI(英語圏)の実施に向けた事前学習

2026/09/07

2026年9月1日(火)、マレーシアとシンガポールを舞台に行われる「国際フィールドワークI(英語圏)」の現地研修が始まりました。
当日は、まず中部国際空港から最初の目的地であるシンガポールのチャンギ国際空港に向かい、その後チャンギ国際空港からマレーシアのジョホールバルへ移動しました。
中部国際空港を離陸してからジョホールバルのホテルに到着するまで約10時間かかったものの、陸路で国境を超えるという日本では得られない経験をしたことで、参加者は両国の地理的な特徴を体感するとともに、フィールドワークに参加した実感をもつことができました。


国際フィールドワークI(英語圏)では、現地研修に先立ち、2026年6月11日(木)から8月26日(水)まで4回にわたり合計9コマ分の事前研修を行いました。
参加者は、事前研修の中で本フィールドワークの特徴である、現地の大学生との協働による課題解決型学習(PBL)に関する講義や渡航に関する留意事項などの説明を受けたり、現地の大学生や教員に向けた名城大学の紹介のための資料作成や発表の練習を重ねてきました。
事前学習のなかで、参加者「変化を続ける国内外情勢に身を置きながら、人材と組織の成長を活性化させ、改善を継続するためには、大人としてどう考えていくべきか」について問いかけを受け、自分自身のみならず、周囲を巻き込んで成長を続けるためのマインドセットについても学ぶことができました。


現地研修では、この事前学習で得られた知見を活かしながら、自身で設定した到達目標や課題に向かってPBLに取り組んでいきます。

参加者をシンガポールのチャンギ国際空港まで運んだシンガポール航空のB787-10

マレーシアでの新たな経験と大きな挑戦

2026/09/18

国際フィールドワークIの前半は、第2日目(9月2日[水])から第6日(9月6日[日])までマレーシアを舞台に行われました。


1.各日の活動の概要
【第2日目:9月2日(水)】
まずマレーシアでの課題解決型学習(PBL)を出題するイオンモール・テブラウシティを訪問しました。
イオンモール・テブラウシティではPBLで協働するマレーシア工科大学(Universiti Teknologi Malaysia: UTM)の学生の皆さんと合流し、副責任者のラヴィ・スーンダラムーティ(Ravi Sandarammutee)氏からモールの構成や利用者の特徴、「ライフスタイルとしてのモール、目的地としてのモール」という目標などの説明を受けました。
その後、館内の様子を視察するとともに、3つのグループに分かれて、参加者同士の交流が図られました。


【第3日目:9月3日(木)】
午前8時45分からUTMで開会式が行われるとともに、PBLの詳細が説明されました。
今回のPBLの課題は、マレーシアの伝統的なろうつけ染めの技法でありユネスコの無形文化遺産にも登録されているバティック(batik)を用い、「イオンモール・テブラウシティの利用客の注目を集め、モールの魅力向上につながるような製品を作り、新たな商機を生み出す」というものです。
UTM側の責任者であるズライダ・スレイマン(Zuraidah Sulaiman)准教授をはじめとするUTMの講師陣によるバティックに代表されるマレーシアの文化遺産の説明や、遺産を単なる保護の対象から新たな創造性を発揮する対象として捉えることの重要さなどについて講義を受けました。
その後、ジョホール王国以来のジョホール州の文化や芸術の遺産を収集・展示するスルタン・アブ・バカール・ヘリテージ・コンプレックス(Kompleks Warisan Sultan Abu Bakar)を訪問し、マレーシアの伝統文化や文化遺産についての知見を深めました。


【第4日目:9月4日(金)】
第4日目は、第2日目のイオンモール・テブラウシティで得た情報と第3日目の講義とスルタン・アブ・バカール・ヘリテージ・コンプレックスの見学を通して理解したマレーシアの伝統文化の現状に基づき、終日グループワークを行いました。


【第5日目:9月5日(土)】
午前中から午後にかけて、グループごとに翌日の最終報告会に向けた発表用資料の取りまとめや発表の練習を行いました。
また、午後はマレーシア滞在中唯一の自由時間となり、UTMの学生の皆さんとともにジョホール市内の散策や食事を楽しみました。


【第6日目:9月6日(日)】
最終報告会がイオンモール・テブラウシティに所在するTSUTAYA BOOKSTOREのイベントスペースで行われました。
3つのグループがそれぞれ15分の持ち時間でそれぞれの案を発表しました。各チームの案は以下の通りでした。


チームA…バティックで日本の着物を織り、日本風の可愛らしいキャラクターに着用させたうえで開封するまで中身が分からないブラインドボックスとして販売する
チームB…バティックを利用した弁当包みやカップ・スリーブを入手できるガシャポンを設置する
チームC…ネコ、タヌキ、招き猫、ダルマで日本風の可愛いらしいキャラクターを作り、バティックの衣装を着用させ、'Kawaii Batik'のストラップとして販売する


これらの発表を受けて、イオンモール・テブラウシティの責任者ナスルーラ・ビン・アブド・ムタリーブ(Nasrullah Bin Abd Mutalib)氏やズライダ・スレイマン准教授などによる講評があり、柔軟な発想と大胆な戦略により、文化遺産であるバティックを現代の人々の嗜好に合わせて商品化し、モールの活性化にも寄与する方向性が示されたと高く評価されました。
閉会式を終えると名城大学の参加者はマレーシアを後にし、陸路でシンガポールに入国しました。


2.参加学生による各日の感想

【第2日目】
研修2日目です。午前はマレーシアのイオンモール・テブラウシティにて現地大学の学生と合流し、企業説明を受け、実際にモール内を見学しました。モール内には桜やだるま、招き猫のような、日本を感じることのできるものを多く見つけることができました。午後はグループごとに昼食を取り、課題についての戦略会議を行いました。言語の壁を感じながらも、身振り手振りや写真を用いながら、互いの国の文化について紹介し合ったり、課題についての意見交換を行ったりすることができました。
R.Iさん
【第3日目】
マレーシア工科大学へ行き、先生方の授業を聞いた。私が印象に残ったのは、遺産はただ古いだけではなく、価値のある貴重なものであるということである。日本の世界遺産はどうなのかと考えてみると、確かに貴重な素材や建築方法、そして残す価値があるものがたくさんある。
また、たくさんのマレーシアの文化が展示されている博物館を何ヶ所か周り、マレーシアの多くの文化に触れることができた。
普段は自国の文化に関わることや考えることは無かったが、今日のアクティビティで改めて日本の文化の素晴らしさや在り方を見直すことができた1日であった。
Y.Tさん
【第4日目】
今日は各グループで、発表プレゼンの作成をした。私たちの班は、分からないことがあったらお互い質問し合いながら意見をまとめることができたと思う。また、昼ごはんや夜ごはんを一緒に食べている時に、文化の違いについて話す日常会話がとても楽しかった。また、自分が少しずつ会話を聞き取れるようになったり、言っていることが伝わったりしてきて成長を感じた。プロジェクトは難しくて厳しいと感じることが多々あるが、初めての海外で同じ大学生と協力して学び合いができるのはとても良い経験だと思う。
S.Oさん
【第5日目】
本日は朝からファシリテーターの堀部さんたちと朝活に参加しました。
周辺の喫茶店でカヤトーストやコピなどマレーシアを感じる料理を存分に堪能しました。カヤジャムは非常に甘く、少し苦めのコピとの相性が抜群でした。
日中は各グループでプレゼンテーションの準備を進め、夕方にはサンセットを見にUTMの学生さんたちとダンガパークへ行きました。現地の子たちとTikTokを撮影したりと自由行動の時間ではお互いのことをよく知ることができました。
N.Kさん
【第6日目】
今日はプレゼンテーション報告会当日、そしてマレーシア滞在の最終日でした。今日までチームメンバーと何度も話し合いを重ねて沢山準備して挑みました。私たちのチームは、マレーシアの伝統的な繊維製品であるバティックと、日本の伝統衣装の着物を組み合わせた商品を考えました。いつもとは異なる環境下で、発表は少し緊張しましたが、チームメンバーが''Calm down''と言ってくれて落ち着いて発表ができました。大変達成感のある報告会となりました。私は初めての海外で不安や緊張を持ってマレーシアに来ましたが、現地のUTMの学生たちが優しく歓迎してくれて、マレーシアが大好きになり、ずっとマレーシアに居たいと思うことができました。素敵な経験を提供してくれたファシリテーターの堀部さん、鈴村先生、UTMの学生、先生方全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。
R.Sさん

マレーシア工科大学で行われたグループワークの様子

シンガポールでのさらなる挑戦と大いなる成長

2026/09/18

国際フィールドワークI(英語圏)の第7日目から第10日目まではシンガポールで行われ、第11日目に帰国しました。


1.各日の活動の概要
【第7日目:9月7日(月)】
シンガポールでの協働先であるラッフルズ・カレッジ・オフ・ハイヤー・エデュケーション(Raffles College of Higher Education: RCHE)を訪問し、開会式が行われました。
次に、RCHEの学生とともにシンガポールでのPBLの課題を提供するハビタット・フォー・ヒューマニティ・シンガポール(Habitat for Humanity Singapore: HHS)で最高経営責任者のダニエル・シー(Daniel See)氏と事務局長のシャロン・トー(Sharon Toh)氏からHHSの活動とPBLの課題について詳細な説明を受けました。
今回の課題は、以下の2つでした。


課題1…社会福祉機関と連携し、支援を必要とする個人や家族を特定し、ボランティアと協力して住居の改修を行うHHSの活動HomeWorksへの参加者の促進
課題2…企業や個人からの長期的な資金調達の方法の策定


RCHEに戻った一行は3つのグループに分かれ、意見の交換や課題に対する議論などを行いました。


【第8日目:9月8日(火)】
午前中はRCHEでグループごとに、課題の解決に向けた議論や調査を行いました。
その後、名城大学の参加者は在シンガポール日本大使館に設置されているジャパン・クリエイティブ・センター(JCC)を訪問し、大使館の矢澤晧子二等書記官から外交官の業務やシンガポールの現状、国交樹立から60周年目を迎えた日本とシンガポールの二国間関係などについてのお話を伺いました。
また、JCCでは9月2日から16日まで「沖縄伝統工芸展 琉球王国から現在へ繋がる絆」が開催されており、展示を見学しました。
RCHEに戻った後は、HHSのシャロン・トー氏とグループごとに進捗状況の報告を行いました。


【第9日目:9月9日(水)】
名城大学側は連日の活動により、RCHE側は隣国インドネシアの森林火災による煙害の影響による体調不良がいたため、参加者の健康状態を最優先してオンラインで作業が進められました。
また、グループごとに2回目の進捗報告会がオンラインで行われ、最終報告会に向けた準備が進められました。


【第10日目:9月10日(木)】
RCHEにおいて最終報公会が行われました。
各グループの報告の概要は以下の通りでした。


グループA…Z世代を対象とするHomeWorks参加者の募集。「シンガポールの国内向けの活動」と「学生も参加しやすい企画」の2点からHomeWorksを再構成し、トートバッグ、帽子、TシャツなどにHomeWorksを象徴する意匠を施すことで若者への訴求力を高めるとともに、バザールを開催してHomeWorksへの参加者を募集する
グループB…Z世代を対象とする資金調達。寄付を行うごとに図柄が変わる'Fund Raising Card'を配布してZ世代の収集意欲に訴えるとともに、コミュニティ・カーニバルを開催して幅広く寄付を募る
グループC…大手金融機関を対象とした資金調達。金融機関を冠スポンサーとするマラソン大会'Race for Future'を開催し、日本のたすきを模したTシャツを制作して参加者に頒布するなどシンガポールの他のマラソン大会との差別化を図りつつ、金融機関によるスポンサー料と参加者の参加費を調達資金とする


いずれの案もHHSのダニエル・シー氏とシャロン・トー氏から高く評価されるとともに、これからのHHSの活動に応用したいという発言がありました。
閉会式の後はシンガポールで唯一の自由時間となり、グループごとなどでシンガポール各所を探訪したり、お土産を購入したりしました。


【第11日目:9月11日(金)】
午前1時20分にシンガポールのチャンギ国際空港を出発する便に搭乗して中部国際空港に到着し、11日間の日程が全て終了しました。
参加者はいずれも達成感に満ちており、今回のフィールドワークで大きく成長したことが分かりました。


2.参加学生による各日の感想
【第7日目】
本日は7日目で、シンガポールのRaffles Collegeを訪問し、キャンパスツアーや現地の大学生との交流を行いました。Raffles Collegeはデザインやビジネスを専門とする学校で、キャンパス内には学生が制作した服やアクセサリー、建物の模型などがたくさん展示されていました。作品のクオリティの高さや規模の大きさに、とても感動しました。また、現地の学生の中には、インドネシアや中国など、さまざまな国や地域から来た学生がいたため、国際交流をすることができました。さらに、初めて海外の電車にも乗ることができ、とても刺激的で充実した1日になりました。
A.Mさん
【第8日目】
本日はJCC(ジャパンクリエイティブセンター)というところに向かい、実際にJCCで働いているお姉様から主にシンガポールと日本の外交について勉強していった。
今回学んだことにおいて印象的だったこととしては、シンガポールという国家が成立したその翌年から日本との外交が始まったというところである。
国家が成立して年があまり経ってない時期から日本との外交が進められていたということや、シンガポールではバイリンガル教育が盛んではあったことを知っていたが成績次第によってさまざまな言語を勉強できるようになるところから自分の中での【シンガポールは学歴社会である】というイメージに結び付けられていった。
また、自分が納得したこととしてはシンガポールではあまりテレビなどのメディアによるエンターテインメントが少なかったことである。
お話の中でシンガポール発のコメディ(バラエティ番組)やドラマが無いということや韓国ドラマ、K-POPが人気であるというところと、言われてみれば確かにシンガポール出身の役者さんやアーティストさんを聞いたことがなかったというところの結論のひとつになったように思った。
そして日本とシンガポールの関係については、国際関係が変化していく中でも日本とシンガポールは友好状態を続けていけるのかが気になった。
M.Dさん
【第9日目】
9/9は体調不良者が多く、大学ではなく各自連絡を取りながら活動することになった。どのグループも企画を作成段階で、終わりには程遠かったが、それぞれが役割をこなしていた。中間報告の際もオンラインでのミーティングで、代表して1人が話す形となった。各自の作業が終わり、体調が良いメンバーは、TWGやバシャコーヒーなど多くのブランドなどが集まるショッピングモールに行き、お土産を調達した。そして、次の日が発表ということもあり、みんな早めに休んだ。
M.Nさん
【第10日目】
今日はシンガポールのラストデイでした!午前はラッフルズ大学の学生とプレゼンテーションを行いました。今回は両校に体調不良者がいるということに配慮してオンラインでの参加者を含めた新しい形でのプレゼンテーションでした。その後、プレゼンテーションのグループごとでランチをして、私はシンガポールに来てまで牛丼を頼むという最後まで日本人味の抜けないランチをしました。午後は自由時間で、マレーシアの学生がシンガポールまで来てくれて一緒にCity Hall駅近くを散策しました。最初は冗談半分でシンガポールに来て欲しいと話していたのですが、前日になるといろいろ予定を話し合い、最終的に会うことができました。とても良い縁に恵まれたなと感じます。マレーシア、シンガポールの学生との縁を結んでくれた鈴村先生、堀部さんに感謝してもしきれません。来年の2月にはまたマレーシアに行こうと計画しているので、また会えるのがとても楽しみです。約10日間という短い期間の中で様々な経験ができ、人としてとても成長できたと実感しました。
A.Oさん

われわれ一校の訪問を歓迎するラッフルズ・カレッジ・オブ・ハイヤー・エデュケーション入口のデジタルサイネージ

オンラインでの作業の様子

チャンギ国際空港で現地ファシリテータの堀部英俊氏との別れを惜しむ参加者たち

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