大学概要【2026年度実施分】経営学部・経済学部連携による産業遺産・産業集積を活用した新たなビジネスモデルと地方創生の取組

学部・部署共同

【経営学部・経済学部】経営学部・経済学部連携による産業遺産・産業集積を活用した新たなビジネスモデルと地方創生の取組
実施責任者:田中 武憲

本プログラムは,経営学部・経済学部の学生が地域の特色ある産業遺産や産業集積を活用し,地域の企業・自治体等幅広いステークホルダーとも連携・協働して,それぞれの専門知識を活かした新たなビジネスプランや地域活性化策を企画・検討・実施します。このような取り組みを通じて,学生や若者が中心となった地方創生と社会貢献の実現を目指します。

ACTIVITY

島根県奥出雲町で「たたら」をテーマとしたフィールドワークを実施しました

2026/09/22

 本取組では昨年度,明治維新後の日本の近代工業化プロセスにおいて急速に広まった近代(洋式)製鉄について,岩手県釜石市(橋野鉄鉱山など)と福岡県北九州市(官営八幡製鉄所など)でそれぞれフィールドワークを実施しました。
 一方,紀元5世紀頃,朝鮮半島から鉄が伝来した日本では,以後,「たたら」と呼ばれる独自の製鉄技術が発達し,現在もたたらで作られる「玉鋼(たまはがね)」は,唯一無二の原材料として日本刀に使用されています。
そして,江戸時代後期に全国の鉄の生産の約7割を占めていたのが現在の島根県奥出雲地方であり,9月13~15日に経営学部・経済学部の2~4年生17名が島根県奥出雲町を中心にたたらに関するフィールドワークを実施しました。
学生はまず「奥出雲たたらと刀剣館」を訪問,近代製鉄とたたら製鉄の違いや炉や吹子などたたらで使用される製造装置を学ぶとともに,地元の刀匠による日本刀の鍛錬作業も見学,玉鋼の特徴や日本刀の製造工程とその技術の承継などについて学びました。
また,たたら製鉄に不可欠な「鉄穴(かんな)流し」と呼ばれる砂鉄の採集装置は,現在は美しい棚田へと変わって「仁多米」や蕎麦,和牛など地域の農産物特産品を生み出しており,2025年8月にたたら製鉄を起源とした奥出雲の農林畜産業は,国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定されました。
たたら製鉄が盛んに行われた江戸時代,松江藩はたたら製鉄を営む「鉄師」を保護し,特に「鉄師御三家」と呼ばれた田部家・櫻井家・絲原家は多くの山林資源と技術者を抱え,奥出雲地方の製鉄業のみならず,幅広い産業や文化的な発展にも大きく貢献しました。
このうち学生は「絲原記念館」を訪問,現在の16代目当主より絲原家の歴史や「山内」と呼ばれるたたら製鉄を営む当時の地域の様子などの説明を受けるとともに,未来に向けた伝承の取り組みについても学びました。
続いて人気ドラマ「VIVANT」のロケ地として知られる櫻井家の住宅・庭園を保存した「可部屋集成館」も訪問,「聖地巡礼」と呼ばれる観光振興の可能性についても確認しました。

「奥出雲たたらと刀剣館」で刀匠より玉鋼と日本刀について学ぶ学生

「川西そば工房」で地域伝統の「割子そば」と「仁多米」おにぎりを食べる学生

16代目当主よりたたら製鉄を営んでいたころの地域の様子を聞く学生

砂鉄を採取した跡地に作られた絲原家の出雲流庭園と住宅

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