育て達人第164回 二神 真美

開設準備室時代から外国語学部に関わる 国際観光学も研究

外国語学部国際英語学科 二神 真美教授(アメリカ地域研究)

外国語学部が教育内容と立地の両面で利点があり、入試の難易度を上げています。開設準備室時代から学部に関わる二神真美教授に、学部の特色と設置3年目の現状を語ってもらいました。

設置3年目の感想から聞かせてください。

二神真美教授

二神真美教授

2016年度の1期生は個性的な学生が集まりました。先輩がいない、ゼロからのスタートに魅力を感じてくれたような学生が。英語力と異文化理解力の二本柱を強化していますが、1期生(3年生)たちが、どんな就職をするかによって教育成果が問われます。グローバルな環境でチームワークよく仕事をする能力をつけ、実社会に出て「グローバルコミュニケーター」として活躍できる力を身につけてほしいと期待しています。

そのための独自の教育はどんなものがありますか。

オープンキャンパスで来場者の質問に答える二神教授

オープンキャンパスで来場者の質問に答える二神教授

1年生前期にFSP(Future Skills Project)を課しているのはその一つです。企業とタイアップして具体的なミッションを出してもらい、学生がチームで課題解決にあたる産学連携授業です。隣のイオンナゴヤドーム前店で7月に実施した、暑い夏を快適に過ごすことができる商品の売り場提案はその成果です。英語力だけでなく、実社会で役立つ力を養う科目です。

受験生向けに、外国語学部の売りを語ってください。

教育・研究内容の向上にスクラムを組む外国語学部の教員たちと池上彰教授

教育・研究内容の向上にスクラムを組む外国語学部の教員たちと池上彰教授

ほとんどの学生が海外留学しますが、2年生で留学する前に、1年生の段階でふさわしい英語力を付けるのが基本方針です。日本にいても英語力を強化できるカリキュラムが特色です。読む、書く、聞く、話すの4技能プラスアルファを学部で統一性をもって教えています。TOEICのスコアは卒業までに900点を目標にしています。

ご自身はどのようなことを教え、また研究していますか。

異文化コミュニケーションや多文化共生論などを教えています。3年生後期には日本のツーリズムを教えます。国際観光学も研究対象で、7月に科研費の研究でオランダとスロベニアに行ってきました。「持続可能な観光と国際認証の有効性に関する多面的分析」というテーマです。夏休みには、学生を連れて岐阜県高山市にツーリズムの調査に行きます。

異文化理解力はどうやって測りますか。

学生が海外へ行ったり、社会へ出たりした時、多様な環境の中でどう課題を解決するか。異文化理解力の向上を科学的に測るため、教員3人で「国際共修リサーチセンター」を設けました。IDI(International Development Inventory)という指標を用いるため、3人ともアメリカへ講習を受けに行きます。学生には、留学前と留学後にアンケートし、違いを検討します。

ナゴヤドーム前キャンパスにいても異文化体験はできますか。

北館2階には「グローバルプラザ」があります。ネイティブのスタッフや教員が常駐し、部屋に入れば英語しか使えません。外国に行かなくても英語漬けの場所があるのは強みです。ネイティブの先生方が自分たちのネットワークで外国人を連れてきて、その人たちと出会う機会もあります。

さらに、異文化体験のできるさまざまなイベントが開かれるのも利点です。6月には2020年東京パラリンピックに出場するカナダ車いすバスケットボールチームを受け入れました。エアライン業界への就職を目指す学生の研究会「M-Line」が立案・運営をしました。他の学生たちも「キャンパスコンシェルジュ」として交流しました。

学生にメッセージをください。

It’s not the end of the world. 世界の終りなんかじゃない、抜け道はあるさ、という意味で、アメリカ留学時代も含め、八方ふさがりの時に励みにした言葉です。「たたけよ、さらば開かれん」「出会いを大切に」という言葉も贈りたいと思います。

最後に、趣味をお聞かせください。

体を動かすことです。昔はサイクリングをしていました。今は、アシュタンガ・ヨガを楽しんでいます。

二神 真美(ふたがみ・まみ)

福岡県久留米市出身。ペンシルベニア州立大学大学院人類学研究科修士課程修了(M.A.)、コロンビア大学大学院英語教授法研究修士課程終了(M.A.)、九州大学大学院博士課程修了 博士(比較社会文化)。2014年10月開設準備室教授に着任、2016年4月から現職。アメリカ地域研究・国際観光学。主な論文に「アメリカ合衆国における地域計画」(ミネルヴァ書房『地域の構造と地域の計画』)、「Regional Development of the Tennessee Valley and Transformation of Local Economic and Natural Environment」(国連地域開発センター『Regional Development Studies』)、「Sustainable Development in the Frontiers of the American Megalopolis(国際学術誌『Ekistics』)など多数。アメリカ学会、日本観光研究学会(研究分科会「SDGsと観光」研究代表)、異文化間教育学会、異文化コミュニケーション学会、グローバル人材教育学会 会員。国際NPO「世界持続的観光協議会(GSTC)」専門トレーナー有資格者。

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