大学概要 【2018年度実施分】自然環境教育をとおした生物環境問題についての問題解決能力の育成

農学部

No.12

実施責任者日野 輝明

環境問題の解決を図るためには,身近な環境において自ら問題を見つけて仮説をたて、自ら調査方法を考えて実施し、得られた結果を自ら考察・検討し、新しい問題に応用していく実践能力を有する人材を育てていく必要がある。 本事業では,奥山でのシカの高密度化,里山林や耕作地の管理放棄,都市での緑地消失やゴミ処理についての環境問題に対して取り組むための実習地を整備し,そこでの動植物の調査を通して,学生の問題解決能力を育成することを目指している。

水田(稲刈り)実習

2018/10/23

 10月12日に行った1年生の実習では,5月25日に別のクラスが田植えを行った豊田市古瀬間町の水田において稲刈りを行いました。この水田は,本事業プロジェクトによって耕作放棄された場所を水田として整備したもので,農薬や肥料を使わない冬期湛水・不耕起による稲作を実践しています。1年中水を張っていることで,雑草も生えにくいために除草剤の必要はなく,カエル・クモ・トンボなどの天敵も豊富なために殺虫剤の必要もありません.肥料には脱穀後に出た稲わらと米ぬかを散布しています.稲刈り時も田んぼの水を抜かないため,学生たちはドロドロになりながらも稲を刈り,刈った稲を天日干しのためにハザ掛けを行いました。水生生物の採取では,ミナミメダカ・ナゴヤダルマガエル・ホトケドジョウ,ヒメタイコウチなどの絶滅危惧種を含めて約30種の動物を捕まえることができました。稲刈り中にもカヤネズミやマムシなどを見つけて大騒ぎでした.実習後は,別クラスと同様に,耕作放棄地の問題や冬期湛水・不耕起栽培による生物多様性保全の効果について,各自が考えレポートをまとめました。また,2週間後に有志学生によって脱穀と精米を行う予定です。

ACTIVITY

干潟実習

2018/07/19

 4月20日と5月18日に藤前干潟で1年生の実習を行いました。最初に藤前干潟活動センターの職員の方から藤前干潟がゴミ埋立処分場計画から守られた歴史や干潟生態系の重要性についてのお話を聞きました.今年は干潮の時間が遅かったため,例年は最後に行う干潟のゴミ拾いを最初に行いました.学生たちは河川を通して海に流れてくる大量のゴミを集めることで,日常生活でゴミの排出削減と分別に心がける必要性を再認識するとともに,最近問題となっているマイクロプラスティックについても認識を新たにしていたようでした.
 望遠鏡で干潟で採食するシギやチドリやカモメなどの水鳥を観察したあと,干潟と岩場でいろいろな種類のハゼ,カニ,エビ,貝などを採取しました.採取した生き物は,センターに戻ってから,各グループで協力して名前を調べ,行動を観察したりスケッチを行いました。今年はイシガレイやヒラメなどこれまで実習で採集できなかった生物を採集できました.
 今年からは泥干潟だけでなく岩場でも生物採集を行うことにしたため,時間刻みの慌ただしいスけジュールでしたが,学生たちは楽しみながらしっかりと実習を終えることができました.実習後は,干潟の保全とゴミ問題をどう解決していくべきか、実習で学んだことをもとに,各自の考えをまとめてレポートを作成しました。

田植え実習

2018/07/19

 5月25日に行った1年生の実習では,豊田市古瀬間町で田植えと水生動物の採取を行いました。この水田は耕作放棄された場所を、実習用に3年前に水田として整備したもので,殺虫剤や除草剤や肥料を使わない冬期湛水・不耕起による稲作を実践しています。学生たちは泥に足を取られて動けなくなったり汚れたりしながらも、楽しんで田植えを行い,お米の大切さを知ることができました.
 また,田んぼに生息するいろいろな種類の水生生物を網を使って採集しました.その中には,ホトケドジョウやヒメタイコウチのような絶滅危惧種も含まれており,冬期湛水田における生物多様性の高さを知ることで,農薬を使用することにによる生物への悪影響について体感することができしました.実習後は,耕作放棄地の問題や冬期湛水田による生物多様性保全の効果について,各自が考えレポートをまとめました。10月にはまた実習で稲刈りをして,獲れたお米を味わう予定です。

都市近郊林林実習

2018/07/19

 6月1日と8日に行った1年生の実習では,豊田市自然観察の森において野鳥の観察を行いました.まず施設のセミナー室で森林内に生息する鳥の囀りと姿の識別方法について学んだ後,ロッジに出て双眼鏡の使い方の練習をしました.その後4グループに分かれて,定められたルートを歩きながら鳥の種類と個体数を調べました.囀りの違いで鳥の種類を識別することの難しさを実感しながらも,2クラス合わせて31種類を記録することができました.
 例年は「声はすれども姿は見えず」なのですが,今年は実際に鳥の行動を双眼鏡で捕らえることのできた学生も多く,メジロとヤマガラとエナガが混群内で餌を採ったり,キビタキがとびついて昆虫を捕まえたり,オオタカが飛翔する様子などを観察することができました.学生たちは8カ所のセンサスポイントにおいて記録した鳥の種数や個体数について,草本層から高木層までの階層ごとの植生被度との関係を分析し,鳥の生息にとって望ましい森林管理についてレポートをまとめました.

里山林実習

2018/07/19

 6月15日と22日に行った1年生の実習では,豊田市自然観察の森に設置してある里山林試験地で,樹木の樹高・胸高直径の調査,地表徘徊性昆虫であるオサムシと土壌動物の採集,地表環境(落葉落枝量・土壌水分・土壌硬度)の調査およびネズミの捕獲調査を行いました。
 この場所では,豊田市の許可を得て5年前に50mx50mの伐採を行い,伐採区では下刈りと落ち葉かきを毎年行う「管理区」と何も行わず遷移に任せる「放置区」,非伐採区では「落ち葉かき区」と何も行わない「対照区」の4タイプの試験区を設置して,動植物の比較調査を継続的に行ってきています。このうち放置区では植生の回復によって低木が密生して,実習が困難になってきたため,本プロジェクトの予算で再度伐採を昨冬に行ないました.
 学生たちは,炎天下の中,高木の樹高を読み取ったり,落とし穴トラップ用の穴を掘ったりするのに苦労したりしながらも,しっかりと調査を行いました。生きた虫を触るのが苦手な学生たちも,このような実習を繰り返すことで鍛えられていきます.採取した土壌動物とオサムシは,6月22日と29日に実験室で顕微鏡下で同定作業を行いました。学生たちはこれらのデータと管理方法や環境要因との関係を分析して,里山林管理のあり方について夏休み中にレポートを作成することになっています。

奥山林実習

2018/10/23

奈良県の大台ヶ原において,2年生の1泊2日の宿泊実習を9月1日から2日にかけて行いました。この実習では,ニホンジカの採食にともなう植生の変化が森林生態系に及ぼす影響を明らかにすることを目的にしています。1日目は森林内を歩いて,ニホンジカによる森林衰退の実態と環境省による自然再生事業の内容を見学しました.またシカがササを食む様子や異なる種類の鳥が混群を作って一緒になって行動する様子を観察したり,路上でナガレヒキガエルやオオダイガハラサンショウウオなどの珍しい動物たちを見つけて手に取ったりしました.2日目は,環境省によって設置されている防鹿柵内外で,ササ,オサムシ,ネズミなどの動植物のデータを採取したり,シカ密度推定のためにの糞を数えたりしました。採取したデータは,後期の実験において同定したり分析を行います。その結果をもとに,人と生物と自然の共生を図っていくために,シカの個体数管理や森林生態系保全をどう進めていくべきかという問題について,学生各自が考えをまとめてレポートを作成することになっています。なお,台風直撃の影響で1クラスが実習をあいにく行うことができませんでした.その代わりに希望者にのみ現地で補講を行うことにしたところ,14名の希望がありましたので,10月31日より出かける予定です.

水田(稲刈り)実習

2018/10/23

 10月12日に行った1年生の実習では,5月25日に別のクラスが田植えを行った豊田市古瀬間町の水田において稲刈りを行いました。この水田は,本事業プロジェクトによって耕作放棄された場所を水田として整備したもので,農薬や肥料を使わない冬期湛水・不耕起による稲作を実践しています。1年中水を張っていることで,雑草も生えにくいために除草剤の必要はなく,カエル・クモ・トンボなどの天敵も豊富なために殺虫剤の必要もありません.肥料には脱穀後に出た稲わらと米ぬかを散布しています.稲刈り時も田んぼの水を抜かないため,学生たちはドロドロになりながらも稲を刈り,刈った稲を天日干しのためにハザ掛けを行いました。水生生物の採取では,ミナミメダカ・ナゴヤダルマガエル・ホトケドジョウ,ヒメタイコウチなどの絶滅危惧種を含めて約30種の動物を捕まえることができました。稲刈り中にもカヤネズミやマムシなどを見つけて大騒ぎでした.実習後は,別クラスと同様に,耕作放棄地の問題や冬期湛水・不耕起栽培による生物多様性保全の効果について,各自が考えレポートをまとめました。また,2週間後に有志学生によって脱穀と精米を行う予定です。

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