大学概要【2018年度実施分】アクティブ・ラーニングを全学全教科に導入するための支援活動

附属高等学校

アクティブ・ラーニングを全学全教科に導入するための支援活動
実施責任者:岩崎 政次

これからの教育は、アクティブ・ラーニング教育の原点である、基礎知識を習得した上で自己の考えを整理し相手に伝えるという「思考・発信型」に転換する必要がある。そのために、生徒は課題の発見・解決のために資料・情報を集約し、必要なものを選択できる環境の中で、学習活動を通し、言語理解・情報活用・判断吟味の力を育成し、図書館は学習を効果的に進めるための基盤としての役割を果たすため設備充実をすすめるべきである。

ACTIVITY

活動報告1

2019/03/06

アクティブ・ラーニングを取り入れた授業を実践する場として、図書館を整備しています。今年度は、授業実践事例を報告します。


実践事例1 :「総合的な学習の時間」の授業における実践
       (普通科特別進学クラス2年生)

 各自が自分でテーマを設定し探究的に学習を進め、論文作成を行う。その際、図書館の豊富な蔵書を生かし、自ら設定した課題に対して調査を行った。

設定した課題に対する調査をするために資料を探しています。
約5万冊の蔵書から適切な資料を探すのも重要な学習活動です。

まずは各自で資料を精読します。
同じようなテーマを調査している生徒がグループを作り、情報交換をします。

グループで議論を重ねながら論文としてまとめていきます。
このグループの使用しているテーブルは最近整備したものです。レイアウトがしやすくアクティブ・ラーニング型の授業を実践していく上で使いやすいものです。

蔵書の中には、専門性の高い本もあります。高校生には難しい内容ですが、意欲的に取り組んでいます。このような取り組みを通して、講義型の授業では得られない体験ができます。

授業担当教諭より
 この授業を実践してみて、生徒個々人が自ら設定した課題に非常に意欲的に取り組む姿が印象的でした。特に授業を図書館で行ったことにより生徒は疑問に思ったことをすぐに調べることができました。
 今年度、図書館にはプレゼンテーション作成用パソコンを10台整備しました。それを活用し、今後は、作成した論文の要旨をパワーポイントでまとめ、クラスで発表していきます。

活動報告2

2019/03/12

実践事例2 : 数学科の授業における実践(普通科特別進学クラス1年生)

5~6名の班を6班作り、各班で指定された内容を学習した上で、内容を発展させレポートを作成して発表する学習を行いました。本校の図書館にある数学関連の書籍は、1年生の学習題材としては難しいものばかりなので、今回の実践では教員が題材を選定しました。

○学習の流れ(全4時間)

STEP1(2時間)
・指定した内容を理解し、各自のノートにまとめる。
     1班:マンガ数学入門(岡部恒治著)   P182~P194
     2班:数学のたまご(仲田紀夫著)    P1~P6
     3班:数学パズル事典(上野富美夫著)  P19~P24
     4班:美しい数学1(Yoshita著)    興味のある内容2項目
     5班:美しい数学2(Yoshita著)    興味のある内容2項目
     6班:神が創った数学(仲田紀夫著)   P21~P27
・指定した内容を基にグループで更なる考察をして発展させる。
 その際、指定されていないページ,他の書籍も参考にする。
・発表用レポートの作成(A3用紙にカラフルに作ります)
     記載内容   表:書名,著者名,班のメンバー,本の内容
            裏:考察,発展

STEP2(2時間)
・各班15分(質疑込み)で発表。発表用レポートを書画カメラで写し、スクリーンに投影しました。

指定された書籍を探している様子です。分類番号400番台の書籍です。
今回の実践に先立ち、書籍の検索には「分類番号」が有効であることも指導しました。

各班で指定された内容を学習している様子です。教科書では扱わない内容だったため、
各自の内容解釈の仕方,各班の討論の仕方の多様性を見ることができました。

今年度整備したプロジェクター・スクリーン・書画カメラです。
今回の実践では、この機材を利用して発表会を行いました。

発表の様子です。各班で話をする生徒、書画カメラを操作する生徒、当該箇所の画面を示す生徒など、役割分担をして発表しました。
かなり深い内容まで学習した班もあり、質疑の時間も充実したものになりました。

A3用紙に作成したレポートを書画カメラにセットしたところです。

上の写真のようにセットしたものをスクリーンに投影したものです。
とても見やすいものになっています。

書画カメラの操作により、必要な部分を拡大して投影することもできます。
このような形で発表の工夫が見られる班もありました。

授業担当教諭より
 クラス単位の調べ学習、発表会では、利用できる時間にも限りがあるためパワーポイント等のプレゼンテーションを作成できません。今回の実践では、4時間の授業時間内でできる限りのことをやってみました。今年度整備した機材を利用することによって手軽に学習発表会などが実践できるようになりました。アクティブ・ラーニング型授業の幅が一段と広がるでしょう。

活動報告3

2019/03/12

実践事例3 : 社会科の授業における実践(普通科特別進学クラス2年生)

 「政治・経済」のこれまでの学習のまとめとして、「グローバル化の進展は、世界の平和や人々の協力関係をもたらす要因となりうるか、紛争、戦争の要因となりうるか」というテーマで、グループで検討し、発表することを行いました。

発表時には、今年度整備した書画カメラを用いて、プロジェクターにつなぎ、100インチのスクリーンに映し出しながら、プレゼンテーションを行います。授業担当者の事前の説明の際に、スクリーン等を使用して、発表のイメージを共有しました。

まずは各グループで、テーマについて立場を決定していきます。幅広い視点から立場を明確にするため、「政治・経済」の教材だけではなく、「世界史」や「日本史」の教材も持参させるとともに、図書館にある各種資料を積極的に利用することを促しました。

グループ活動の際に、元々図書館にある机・椅子よりも、昨年度購入したテーブル(上記の写真)の方が、お互いの距離が近く、話し合いに適しています。

各グループ、A3用紙に考えをまとめ、発表します。発表時には、模造紙を利用することが多いですが、書画カメラを使用することにより、A3用紙にまとめ、拡大して映し出すことが可能になります。そのため、模造紙よりA3用紙の方が準備時間は少なくすみ、より調べたり、話し合ったりする時間がとれます。

次年度は、この写真の右端に写っているホワイトボードで、ポスターセッションを行い、その後、全体発表を行うことで、さらに発表の質を上げていきます。

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