大学概要【2018年度実施分】生物環境に対する視野を広げ主体的な学びを身に着ける場の創出

農学部

生物環境に対する視野を広げ主体的な学びを身に着ける場の創出
実施責任者:村野 宏達

生物環境科学科では以前より講義や実習で得られた知識・技能を主体的に生かし,学ぶ姿勢を身に着ける基礎作りを目的に活動を行ってきました。2017年度より「学びのコミュニティ創出事業」の支援を受けてこの取り組みを発展させています。具体的には,小学生に環境に関する自由研究の講師として,学んだことをアウトプットすることや,環境に関する仕事や学外の団体が主催する実習などの体験を通し,講義・実習で得た知識を具体的な例と結び付けることで視野を広げ,社会で主導的に環境に関わる仕事や取組みを行える人材を育成することを目的として活動を行っています。

ACTIVITY

青年会が協力隊員の活動をとおして環境の国際貢献を考える

2018/06/13

5月28日に平成23年度(3次隊)にウガンダ共和国に村落開発普及員として青年海外協力隊に参加した稲葉亮二さんのお話しを70名の学生が聞き、生物環境科学科で学んだことを活かした国際貢献について考えました。稲葉さんは人から聞いたことを鵜呑みにせずに、自分で確認しながら取り組んだことや、与えられるのを待つのではなく、自らの意思で行動することの大切を協力隊での体験をもとに講演されました。聴講した学生からは多くの質問が出るとともに、講演の後にも個人的に意見を交わすなど、環境に関わる国際貢献について考える良い機会となりました。

夏休みこども自由研究

2018/07/30

2018年7月29日(日)に学部4年生、大学院生23名が中心となって、「夏休みこども自由研究」を行い、39名の小学生が参加しました。実験のテーマは「鏡像花柱性をもつ花のひみつ:他受粉促進の仕組み」、「いろいろな葉っぱの大きさや形を比べてみよう」、「手作り花火で酸性雨について学ぼう!」、「ブルーベリーで土のpHをはかろう!」の4テーマでした。学生たちは講義や実験実習や卒業論文研究、修士論文研究で得た知識などを活かして、小学生たちに科学の面白さを伝えました。参加した小学生からは「お兄さん、お姉さんが分かりやすくおしえてくれたから、自由研究がまとめやすいです。」といった意見や、保護者の方からは「学生さんは積極的に話しかけて教えてほしかったです。皆さん遠慮がち」といった意見がありました。学生たちにとっては、生物環境科学科で学んだことを、どのように伝えていけばいいのかを考えるきかっけとなりました。また、自らの卒業研究や修士論文の研究内容を見直すきっかけにもなったことと思います。「夏休みこども自由研究」に参加した小学生たちが、将来、自分の夢を実現することに少しでも役に立てることができたならば、教えた学生たちも本望だと思います。

花の構造を調べて他花受粉の仕組みを知る。

葉っぱの面積を専用の機械で測って比べてみる。

自分で作った線香花火を燃やして、酸性雨について学んでみる。

ブルーベリーの色素で土壌や身近なもののpHを測る。

子どもたちの将来の夢の実現の役に少しでも立てなら幸いです。

農業環境変動研究センター研修

2018/08/06

2018年8月2日(木)~3日(金)に学部1~4年生 20名で国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境変動研究センター(つくば市)の研修に参加しました。1日目には同研究センターの大浦典子氏に「センターの概要」、赤羽幾子氏に「研修の概要と研究者のキャリアパス」、横山淳史に「農薬の生態影響評価」、金田 哲氏に「ミミズが土壌に与える影響について」のお話しをいただいた。また、2日目には高田裕介氏に「e-土壌図について」のお話しをいただいた。大倉利明氏と前島勇治氏には、東京の西ヶ原から農業環境変動研究センターの前身の農業環境技術研究所が移転してきたときから保存されている場所の土壌断面を紹介いただきながら、土壌の成り立ちを解説していただいた。また、金田 哲氏には前日の講演で紹介いただいたミミズが土壌に与える実証研究の現場を案内いただいた。その後、大倉利明氏と前島勇治氏にインベントリー展示館のモノリスを使いながら土壌の成り立ちについて更に紹介していただき、赤羽幾子氏から土壌の基本についてご講演いただくとともに、泥だんご磨きを通しながら、土壌について考える時間を作っていただきました。学生らは、研究現場で研究者の生の声を聞く機会を得、講演の内容に質問をするなど積極的に参加し、充実した時間を過ごしました。今回の研修が、農業と環境に関する知識を広げるだけでなく、将来のキャリアの一助となることを願ってやみません。また、今回の研修のお世話になりましたすべての皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

農研機構、農環研について説明を受ける。

農業と環境に関する研究を第一線で行っている研究員の方々に講演いただき、講義や実験・実習の内容をより具体的な問題に結びつけられた。

各講演の時間がオーバーするほどの活発な質疑応答が行われた。

つくば台地の黒ボク土断面に触れながら土壌の成り立ちの解説を受ける学生たち。

3種類の土壌の泥だんご磨き通しながら、土壌の基本についての講演をいただく。

お世話になった研究員の皆さんと参加した学生たち。

第27回ペドロジスト・トレーニングコース

2018/10/23

2018年10月19日(金)~21日(日)に行われた第27回ペドロジスト・トレーニングコースに参加を希望した学部3年生3名、4年生2名が参加しました。このトレーニングコースは、土壌断面調査の基本、分類法を習得することを目的として毎年行われるもので、本年は秋田県立大学の高階 史章氏、高橋 正氏が世話人となり、秋田県八郎潟干拓地(秋田県大潟村)で行われ、全国の学生および研究者の計41名が参加しました。講師には、金田吉弘氏(秋田県立大学)、三浦英樹氏(国立極地研究所)、前島勇治氏(農業環境変動研究センター)のペドロジーのスペシャリストが講師を務め、高階氏が進行役を務めた。初日は金田氏と三浦氏による土壌断面調査についての講義を受け、2日目には5つの土壌断面を5班(各班8名)に分かれて調査した。3日目の朝に1班1断面について調査した結果を発表し、断面の分類方法についてディスカッションおよび総括を行い閉会した。このトレーニングコースへの参加は昨年度に引き続き2回目で、2年連続で参加した学生も1名いた。このトレーニングコースは、他大学の学生と交流を深めながら、生物環境の研究に重要な土壌の調査方法を専門家から学ぶ点でも意義深い。また、参加した学生が、今後の研究活動で、主体的かつより確かな形で土壌調査を進めることによって、他の学生にも主体的な学びが波及する点で、本トレーニングコースへの参加は非常に有意義なものである。

広大な干拓地の八郎潟。

試坑を掘る。

土壌断面。

夜は土壌断面の分類についてディスカッションする。

冬休みこども自由研究

2019/01/15

2018年12月23日(日)に学部3~4年生、大学院生20名が中心となって、「冬休みこども自由研究」を行い、35名の小学生が参加しました。実験のテーマは「いろいろな葉っぱの大きさや形を比べてみよう」、「入浴剤を作ってみよう ~お風呂は酸性?アルカリ性?~」、「クリスマスツリーを見て考える針葉樹と広葉樹のかたちの違い」、「生物から電気を取りだそう!」の4テーマでした。学生たちは、講義や実験実習や卒業論文研究、修士論文研究で得た知識などを活かして、小学生たちに科学の面白さを伝えていました。また、この冬休みのこども自由研究が初めての参加となる3年生には4年生や院生が前回の経験を活かして、子供たちへの教え方を伝えていました。参加した小学生たちにとっても、季節にあった企画も多く、楽しんで実験をできたことと思います。

微生物の力を利用した電池を作る。

葉っぱの大きさや形にはどのような関係がある?

入浴剤を自作しました。

クリスマスツリーには大きく2種類ある?

3~4年生や院生が、小学生に講義や実験実習、卒業研究などで得た知識を試行錯誤しながら伝えました。

環境に関する仕事の視野を広げるための職場見学

2019/01/24

2019年1月23日(水)に学部1~4年生17名が環境に関する仕事の視野を広げることを目的に、総合検査会社の一つ中外テクノス中部支社を見学しました。当日は、会社全体の説明に続き、土壌、分析、環境技術、工業技術、営業の方々から環境に関わる仕事の紹介をスライドやビデオを交えて頂き、学生から質問がなされました。その後、オフィスや現場調査の器材、分析室などを案内していただきました。環境に関わる企業は学生にとって馴染みがない仕事も多く、参加した学生にとって、環境の仕事に対する視野を広げるとともに、普段の学習に具体的なイメージをさらに持たせる貴重な機会となりました。また、お忙しい中、お時間を割いてくださいました中外テクノスの皆様にこの場を借りて御礼申し上げます。

環境に関わる仕事にどのようなものがあるのか説明を受ける。

調査に使う用具にも工夫が多い。

管理された分析室を見学する。

環境に関わる様々な分析機器が揃えられている。

  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ