大学概要【2019年度実施分】実践的な取り組みをするゲストスピーカーの講義・特論への招聘

理工学部

【2016~2019年度】実践的な取り組みをするゲストスピーカーの講義・特論への招聘
実施責任者:高井 宏之

講義・特論の中で特に実践的内容を扱う回について、その内容に関する一線級の実務家をゲストスピーカーとして招聘し、講義の流れに沿った「実践的取り組み事例や立場」に関する情報提供を行ってもらうと共に、担当教員との総合的討論を行う。
対象科目は、建築学科の2~3年生の講義科目、または修士課程1年生の特論科目(非履修生や2年生にも声をかける)などで、常勤教員が担当する科目とする。
なお、本事業は4年目であり、昨年度は5名を招聘した。

ACTIVITY

ミユキデザインの仕事と柳ヶ瀬商店街の活性化

2019/05/14

大前貴裕氏(ミユキデザイン取締役 1級建築士/管理建築士)
(開催日:2019年5月13日)

建築学専攻の「生活空間特論」の第6回に同氏をお招きし、「ミユキデザインの仕事と柳ヶ瀬商店街の活性化」と題した特別講義を実施した。
生活空間特論では、建築家の作家論から都市論までをテーマとして扱っているが、建築家が取り組む都市再生の実例として大前氏の具体的な活動の講義を設定した。昨今建築家の職能は拡大してきており、自ら動き仕事を生み出すことは、今後社会で活躍する学生にとって不可欠な視点になりつつある。名城大学のOBでもある同氏の講義は建築の多様な可能性を実感する機会となると考え、授業を履修している大学院生に加え、建築の基礎教育を終えている学部3年生以上の学生にも広く声をかけた。その結果、建築計画、設計を学ぶ計76名の参加があった。
特別講義は大前氏の30代の頃の作品紹介から始まり、商店街活性化プロデューサーとしての2011年以降、まちづくり会社を設立した2016年以降と、時系列に沿って活動が紹介された。
商店街活性化イベントの実施や遊休不動産の活用などの顔の見える地域のネットワークを大切にした活動の重要性を学ぶとともに、講義の最後には「多様なwantを集めてpublicを動かす」というキーワードもいただき、これからの建築と都市に関して学生が考える機会となった。(建築学科 佐藤布武)

日本建築構法史序説-伝統建築の技術

2019/11/26

坂井禎介氏(文化財建造物保存技術協会)

大学院理工学研究科建築学専攻の科目「建築史特論」の一環で、10/4(金)4限に同氏を招き、『日本建築構法史序説』と題し講義をしていただいた。講演には、大学院生の他、受講希望の学部学生も参加した。
坂井氏は文化財建造物保存技術協会に技術職員として勤務し、重要文化財建造物をはじめとする建物の修理工事に携わっている。その一方で伝統建築に関する技術の修得やそれを伝える活動、古建築に見られる技法の解明の研究など多彩な活動を行っている。

今回の講義では、こうした氏の活動の成果を基にして、伝統建築にそれほど慣れ親しんではいない学生がこうした建物の基礎から躯体、屋根まで、どのように作られているのか、その背後にはどのような技術が使われているのかを、実践も交えながらお話し頂いた。修理工事現場での経験や写真、図面を活かした臨場感のある解説はともすると難解になりがちな古建築の世界を身近に感じることができた。また、事前配布しておいた軒先規矩術解説の模型を使った曲尺を使う規矩術による設計の解説は、その複雑さと理解できれば納得がいく面白さが体験できるものであった。曲尺の使い方は、実際に参加学生に挑戦してもらうなど参加型の内容で楽しい講義となった。
最後に現在氏が研究している内容にも触れ、多角的に建築を見ていくこと、いろいろなことに挑戦することの面白さが伝わったと思う。(建築学科 米澤貴紀)

講義の様子

講義の様子

講義の様子

講義の様子

竹中工務店の木造技術

2020/01/27

東野雅彦氏((株)竹中工務店 執行役員 技術研究所 所長)

建築学科2年生の科目「建築構造計画」の一環で、12/20(金)5限に同氏を招き、『竹中工務店の木造技術』と題し講義をしていただいた。講演には、木造建築が専門の松田和浩准教授と同研究室の大学院生・学部生も聴講した。
東野氏は免震構造などの先端の建築構造の技術開発が本来の専門であったが、現在は技術研究所の所長として、竹中工務店の技術開発全般を推進・運営管理する立場にある。今回の講義では、こうした氏の取り組みの中で、近年著しい進歩の著しい木造技術についてお話しいただいた。
内容は三部構成で、第一部は耐火性能に優れた木材の技術開発であり、材料の特性と応用例の紹介があった。第二部はいま話題の名古屋城天守閣であり、残された様々な情報に基づく図面の復元に始まり、現代求められる耐震性能にいかに迫るかの研究開発に取り組んでいるとの紹介があった。第三は、耐震補強への木造技術の適用であり、木造の質感等を活かした様々なケースが紹介された。
最後に、ご自身の当初大学入学時に目指していたことから現在の職務に至るまで経緯や思いを振り返り、これから社会に巣立つ学生に対し、限りある時間を大切にしていかに専門性を高めるかを目指してほしいとの熱いメッセージか語られた。

(建築学科 高井宏之)

木とモルタルを複合化した柱・梁の部材

高齢者施設への応用例

名古屋城天守閣木造復元

国産材を用いたLVL耐震壁をRC造建物の耐震補強

建物のライフサイクルにおける設備技術者の役割

2020/01/28

岸本 知子 氏 (株式会社竹中工務店 名古屋支店FM部)

 2019年7月16日に、建築学科の三年次科目「建築設備工学I」の第15回として、株式会社竹中工務店の岸本知子氏をお招きし、ファシリティマネジメント業務に携わる専門家の視点から『建物のライフサイクルにおける設備技術者の役割』と題した特別講義をいただいた。
 まず、従来のスクラップ&ビルドの考え方からストック指向へ変化する社会情勢の中、維持修繕業務の重要性が高まっていること、そして、建物が陳腐化する原因としては物理的劣化よりも機能的劣化・社会的劣化の比重が大きいことが指摘された。その上で、ライフサイクルにおける運用段階での維持保全が建物の長寿命化に直結しており、設備技術者は適切なタイミングで、機能の回復修理を行う更新提案や、新築時よりも性能を向上させる改修提案を行い、省エネやBCPも視野に入れた建物を継続的にマネジメントする必要性を解説された。
 後半には、優れた建築に対する国内外の認証制度である、CASBEEやLEEDの紹介、また最新的な省エネルギー技術を複数採用したZEB(Zero Energy Building)の事例を多数紹介いただいた。最後に設けた10分程度の質疑時間には、複数の学生から積極的な質問が寄せられた。

(建築学科 吉永美香)

講演の様子

会場風景

学生からの質疑

「防犯の基本」と防犯環境設計

2020/01/30

堀江昌範警部(愛知県警察本部 生活安全総務課)

建築学科の2年生科目「建築計画II」の第15回に(1/14)に同氏を招き、『「防犯の基本」と防犯環境設計』と題し講義をしていただいた。目的は、将来設計者を目指す学生たちに、住宅防犯の基本的な作法を、実感を持って理解して欲しいとの思いからである。
特別講義は3つのパートから構成され、前半は、愛知県の住宅侵入盗の認知件数は大変厳しいものの近年徐々に改善されてきたこと、および犯人の手口を実際空き巣に入る泥棒の動画で紹介いただいた。また、空き巣犯は大きく単独犯と組織窃盗グループに分けられ、後者では逃走用に盗難車が用いられ特定車種が使われることが紹介された。
後半では、犯罪防止の4原則(時間・光・音・目)、および防犯環境設計の4要素(監視性の確保、領域性の確保、接近の制御、対象物の強化)が解説された。また、特に住宅設計との関連について、日本の玄関扉は火災時の避難上外開きが多いがこじ開けられやすいこと、また窓によく使用される網入りガラスや面格子なども破壊が容易であることなどが説明され、住宅設計の難しさを学生に強く印象づけた。

(建築学科 高井宏之)

聞き入る学生

板書を使いながら熱弁を振るう

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