大学概要【2018年度実施分】次世代リーダー育成及びアクティブラーニングの推進

附属高等学校

次世代リーダー育成及びアクティブラーニングの推進
実施責任者:岩崎 政次

 英語教育における多読学習の場、SSH、SGH及び放課後のサロン的学習の場及びアクティブラーニング型授業の実践の場として、生徒が、主体的に学習活動に取り組むことができる学習ルームの環境整備、運用を行う。また、外部講師等による課外授業及び講演の会場としても活用する。
 これらの活動を通して、生徒の主体性、発信力、コミュニケーション能力を涵養し、次世代リーダーとなるための資質を育成する。

ACTIVITY

第1回 次世代リーダー育成講座

2018/06/12

 平成30年5月2日に次世代リーダー育成講座を「MS-26推進支援事業」の一環で整備された学習ルームで実施しました。今回は外部講師として株式会社ウィルゲートから渡辺麻由氏をお招きして、「リーダーシップ×フォロワーシップ=関係の質の向上=成果UP 」というテーマで約1時間のご講演をいただきました。今年度最初の講座ということもあり、1年生を中心に84名の生徒が参加しました。渡辺氏は愛知県立旭丘高等学校のSGH活動で重要な役割を平成26年度から担っておられ、附属高校でのご講演も今年で3年目になります。
 ご講演は、アイスブレイクから最後の振り返りまで、グループワークやペアワーク、グループディスカッションを多く採り入れて参加した生徒たちが能動的に関わることができるワークショップとなりました。生徒たちはリーダーになったりフォロワーになったりしながら、そのつどフィードバックを行い、リーダーには相手の傾向やタイプを考慮した伝え方が求められること学びました。そしてリーダーの気づきとして以下の3点が重要であるいうことを理解しました。
  1 成果を出すためのチームであることに気づく
  2 関係の質がチームづくりに影響することに気づく
  3 リーダーがいればフォロワーがいることに気づく
 まとめではダニエル・キム( MIT教授)の「組織の成功循環モデル」を紹介され、チームがバッドサイクルではなくグッドサイクルで活動できるようにリーダーが「関係の質」の向上を意識して、フォロワーを尊重して一緒に考えることによってチームの目標が達成できるということを学びました。

講演の様子

積極的に参加する生徒たち

グループ活動の様子

講師を交えてのディスカッション

SSHタイ王国海外研修における研究発表準備

2018/06/13

 附属高校では、6月5日~11日にかけてSSHタイ王国海外研修を行います。スーパーサイエンスクラスの2年生4名が、タイ王国プリンセスチュラボーンサイエンスハイスクール・ペチャブリ校にて開催されるThailand-Japan Student Science Fair 2018 において、口頭発表やポスター発表を行います。その準備が本格化し、連日学習ルームにて遅くまで準備をしています。

 今回の発表テーマは,昨年のSSラボ実験を引継いでおり,そのテーマを研究していた卒業生が後輩の指導に時折来てくれます。この日は「麹菌」に関する研究を後輩に引き継ぐために昨年度卒業の鈴木さん(名城大学薬学部)が大学の講義後に駆け付けてくれました。生徒は、真剣に研究内容を聞き、時折質問をしながら準備を進めています。

研究テーマについて議論している様子

プレゼンテーションの作成

鈴木先輩からの指導の様子

第1回土曜サロン

2018/06/13

 4月19日に第1回土曜サロンが3号館2階の学習ルームで行われました。この土曜サロンは、SSH事業の一環として行われ今年度で13年目となります。ここでは、学問分野の壁・教師と生徒の壁・現実と理論の壁・実験と調査の壁を越えた学習「サロン的学習」が展開されています。講師である名古屋大学名誉教授の四方義啓先生と参加生徒との対話を通して、日常生活や自然現象がいかに数学的であるかを自分で考えるアクティブ・ラーニング型の授業が進められています。今年度は、本校の教員とのコラボレーションで学問分野の壁を超越した授業を展開します。

 今回のテーマは「猫はこたつで丸くなるのは何故?」です。これは土曜サロンの初年度から毎年行っている定番テーマですが、参加者が違えば毎回、話の広がり方が違ってきます。

 まず初めに、今回のテーマの担当者である数学の梁川教諭から、「あなたにとって数学とは?」という質問が参加者に投げかけられました。「好きだけどちょっと苦手なもの」という素直な気持ちから、「万物を表すことができるもの」という意見まで、たくさんの回答が出ました。そこから数学の成り立ちや歴史を説明した後で、梁川教諭から「実は猫も、この数学を知っているんだよ」というお話がありました。参加者は「猫が数学…?」というような不思議そうな表情をしていましたが、丸まっている猫と伸びている猫の2つの図が示され、「この2つの猫の絵は何をあらわしているでしょうか?」と問いかけが続きました。

 「丸まっている猫は冬に見かけるよね」「寒いから熱を逃がしたくないんじゃない?」「伸びている猫は夏に見かけるよ!」「熱いからなるべく体温を逃がしたいのかな?」というような議論の過程で、猫は自分の表面積が寒いときには最小に、熱いときには最大になるように経験的に動いているということがわかりました。つまり猫は面積の最小、最大の問題が経験的にわかっているということです。さらに、やかんがなぜあんな形をしているのかなど形の意味を確認し合いました。

 最後に四方先生にバトンタッチです。「君たちがパスタにソースをたくさん絡めたいならどういう工夫をする?そういうパスタがすでにあるじゃないか。マカロニって知っているだろ?」というお話から、数学が学校の授業の中だけではなく、日常的に活躍しているという話に発展していきました。日常の現象も数学的に解釈することで、科学として発達し発明につながっている、と締めくくられました。

 このように、今年度も活発なサロン的学習が展開されました。

四方先生による講義

グループ討論の様子

猫ちゃんの図

第2回 次世代リーダー育成講座

2018/06/13

 5月31日に第2回次世代リーダー育成講座を「MS-26推進支援事業」の一環で整備された学習ルームで実施しました。今回は外部講師として株式会社blue studioの吉田雅史氏をお招きして「受験から30才までのキャリア選択~僕の人生のリスクとリターン~」というテーマで約1時間のご講演をいただきました。吉田氏は、建築分野で都市開発やデザインの仕事をしており、自身の実体験を元に生きていく上でのリスクとリターンについて話していただきました。

 受験は人生で最初の「自分の戦略づくり」と考えることが大切であるという言葉は、参加した70名の高校生の心に大きく響いたようでした。「自分は何が強みで何が不足しているのか?」、「目的のために、何を選択し何を捨てるのか?」、「そのためにどんなリスクを受け入れられるのか?」などの問い掛けは、進路選択の真っ只中にある生徒たちにとっては切実な問題であり、スライドを見ながら熱心にメモを取っている姿が印象的でした。

 また、卒業後のキャリア選択では、大企業に就職して一生安泰の生活は果たして本当か。動かないことに対して、リスクはないのだろうか、ということを生徒と共に考えていきました。最後に「リスクとリターンの最適なバランスは一人一人異なる。自分が幸せになれるバランスを見つけましょう」と締めくくりました。質疑応答の時間では、自身の進路について不安な生徒から多くの質問が出て、それに対して的確なアドバイスをしていただきました。終了後も多くの生徒が吉田氏を取り囲み、留学のための準備の方法などキャリアに関する悩みの相談をしていました

講演の様子

真剣に話を聞く生徒たち

個別相談の様子

留学生交流会I

2018/06/25

 平成30年5月29日に附属高校の総合学科2年生社会探究系列の生徒が、留学生交流会を持ちました。今回は、国際化推進センターのご協力により、中国、台湾、ベトナムからの留学生4名をお招きしました。
 内容は、自国の文化を紹介するプレゼンテーションやそれぞれについてディスカッションを実施しました。
 プレゼンテーションでは、4つのグループに分かれ、自分たちの住む地域の見所や魅力について、探究した事項を発表しました。留学生が足を延ばしやすい名古屋市内のことや名古屋近郊の地域のことについて発表しました。留学生の方々は大変熱心に聞いてくださいました。
 留学生の方々には、自国の文化や高校生活についてプレゼンをしていただきました。書籍等では分からないローカル色が豊かなお話もしていただきました。生徒達は、特に高校生活の違いについて関心を持ったようでした。
 今回の交流会は、異国の文化に興味を持つきっかけになったばかりでなく、自国の文化について改め考えてみるよい機会になりました。また、留学は単に学問を修めるだけではなく、異文化を知り、自文化を再認識し、世界の多様性について知識を深めるという意義もあることが分かりました。初めは緊張して話しかけられない生徒もいましたが、次第に打ち解け、実りのある交流会となりました。

アイスブレイクの様子

ベトナム文化の説明を聞く

地元の見所を紹介

コミュニケーション英語I

2018/09/10

 9月7日、2学期最初のコミュニケーション英語Ⅰの授業を学習ルームで行いました。今日は2学期初めの多読の授業でした。学習ルームには、多読用の教材が豊富に用意されています。
 1学期の授業でそれぞれの読みたいレベルやジャンルがわかってきたので、今日から新しい取り組み「グループ読み聞かせ」を始めました。まず20分間は図書館のような静けさでそれぞれが読みたい本を読みます。その後5分間で音読練習をします。その後3人グループに分かれて練習した内容をお互いに読んで聞かせます。絵本の場合はその絵を見せながら音読し、より分かりやすく内容を伝えます。それぞれ読む内容が違うので、とても興味をもってお互いの英語を聞くことができました。

silent reading

読み聞かせ

名城大学の台湾留学生と名城大学附属高校生との交流会

2018/10/02

 9月25日火曜日6・7限学習ルームにて、附属高校総合学科2年社会探究系列の生徒27名と地域交流系列の生徒43名が名城大学の台湾からの留学生と交流をしました。
 社会探究系列と地域交流系列の生徒は10月の修学旅行で台湾に行き、現地の高校生と交流することになっています。その際、日本の伝統文化を伝えるプログラムを体験してもらうため、今回の交流会で同じプログラムを実施し、留学生の方々からアドバイスを頂きました。
 水引や盆踊りなど初めて経験する日本の文化に、留学生も自然と笑顔になり、楽しく充実した時間を過ごすことができました。

お礼の挨拶

スノードームづくり

ハーバリウムづくり

第3回 次世代リーダー育成講座

2018/10/05

 9月27日(木)の授業後に、次世代リーダー育成講座が本校の学習ルームで実施されました。今回は外部講師として、ピアニスト・音楽プロデューサーの甚目裕夫氏をお招きしました。”Top or Nothing”という題で、世界を相手にしたときの振舞い方や心構えを中心に、約1時間30分のご講演をいただきました。参加生徒は、国際クラスをはじめ、全校から希望者が集まりました。甚目氏は名古屋出身で、国内のみならずイタリアなどでも音楽活動をされていますが、早稲田大学国際教養学部でも教鞭をとっていらっしゃいます。
 ご講演は、「世界に通用するプレゼンテーションとは」という内容を中心に進められました。プレゼンテーションといっても、必ずしもスライドショーを使ったような発表ではなく、ほぼ全ての対人コミュニケーションを指しています。世界中どこでも通用する人材になるためには、相手や場所によって、自分の見せ方・聞こえ方を柔軟に変えることが必要だということでした。
 具体例として、キーボードを使った即興演奏や歌唱も披露してくださり、普段の授業とは違う様子に、生徒はとても興味深そうな様子でした。生徒たちは、甚目氏から出される質問に対して、戸惑いつつも、答えを出すべく真剣に考え、発言をしていました。

考える生徒たち

オペラの実演

問いかけながら話は進む

SSH海外研修報告会

2019/02/07

 1月26日(土)土曜サロンの開始前にSSHタイ王国海外研修、終了後にSSH台湾海外研修の報告会が学習ルームで行われました。
 SSHタイ王国海外研修は、12月12日~18日の5泊7日の行程で、プリンセスチュラボーンサイエンスハイスクール・トラン校に赴き、研究を中心とした交流を行いました。トラン校とは、
研究交流協定を締結しており、今回の研修ではスーパーサイエンスクラス2年生10名が、日頃の研究成果を互いに発表するなど有意義な研修であったとの報告がありました。
後半は、タイのトップ・エリート校であるKVIS Science Academy校を訪問しました。そこでのフィールドワークでは、マングローブの原生林を見学し、タイの壮大な自然に触れることができました。また、学生交流においては、 KVIS校の学生や施設のレベルの高さに驚かされ、大いに刺激を受けたそうです。
 SSH台湾海外研修は、特別進学クラス2年理系の生徒6名とスーパーサイエンスクラス2年の生徒4名の合計10名で実施しました。12月17日~20日の3泊4日の行程で、台中市立忠明高級中学、桃園市立内壢高級中学を訪問し、日ごろの課題研究の成果を英語で発表しました。お互い英語での交流となりましたが、すぐに打ち解け合い連絡先の交換を行うなど、その順応性の高さに驚かされました。
 この報告会には、多くの1年生が聴講しており、次年度の海外研修の参考にと質問する姿も見られました。

  • 情報工学部始動
  • 社会連携センターPLAT
  • MS-26 学びのコミュニティ