大学概要【2018年度実施分】加子母木匠塾への参加

理工学部

加子母木匠塾への参加
実施責任者:岡田 恭明

加子母木匠塾(もくしょうじゅく)は、全国の学生が木造建築実習に取り組むサマースクールです。岐阜県中津川市加子母で毎年実施されており、名城大学は2013年より、1年生から大学院生まで幅広く参加しています。前年度の秋から準備を始め、地域の方や他大学との打ち合わせ・ミーティング・自主的な技能講習等を重ねながら、木造建築の設計から積算まで行い、夏季の2週間には加子母に泊まり込み、森林見学や間伐体験なども含め、山村での暮らしを体感しながら製作を行います。また、木工技能の修得・向上の機会として豊田市旭地区でツリーハウス制作を名城大学独自の取り組みとして行っています。大学では触れることのできない日本の伝統的な木造建築の技法・文化を体感する機会となっています。

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ACTIVITY

全体説明会(4/11、18)、本工期説明会

2019/01/16

本工期説明会(7/14)の様子

4月11日と18日には、新入生向けに木匠塾の活動内容や今年度のおおまかなスケジュールの説明会が開かれました。この2日間で約60名の学生が参加し、多くの学生が木匠塾に興味を示していました。
7月14日には、8月14日から始まる本工期に向けて、本工期参加学生(45名)が集まり説明会が開かれました。説明会では今年度の制作物やチームTシャツのデザイン発表、本工期中のイベントやスケジュール確認などがされ、本工期へのモチベーションUPにつながりました。

技能講習(4/29,5/13,6/16,7/14,8/8,9)

2019/01/16

技能講習では鋸や鑿、玄翁などの使い方を木材加工を通して学生主体となり体験します。
また、主な加工方法として伝統構法を扱っています。(以下の「」で表すものは継手仕口[木材同士を接合する技法]の名称)
今年度は4月から8月の本工期までに計5回の技能講習を行いました。
基本的に上級生を含む5人1組でチームごとに分かれて加工をします。
1回目は工具の使い方を知ることを目標として「相かき」で加工しました。
2回目は木材の性質を学ぶことを目標に「短ほぞ差し」で加工しました。
3回目は今までの経験を活かして「短ほぞ差し」で加工をして本工期で使用する馬をつくりました。
初回に比べて全体的に加工技術が上達していました。
4回目からは加工の正確さを重視して「あり継ぎ」で加工しました。
5回目の技能講習では2人1組になり「あり継ぎ」で加工し、スピードや正確性を競う技能五輪を開催しました。

4月初回レクチャー

6月集合写真

技能五輪上位チーム

本工期(8/14〜8/29)

2019/01/16

岐阜県中津川市の加子母で行われる本工期(8月14日~29日)に本学から46名が参加し、他大学の学生も合わせると約300名が参加しました。
本工期では、全国から集まった大勢の学生が2週間の自炊生活を送り、制作物を作ります。
加子母の工務店の方にご指導いただきながら加工場をお借りして、木材のプレーナーがけや加工を行い、加工が進むと現場へ出て組み立てます。
本工期中に竣工とはなりませんでしたが、実際にものを建てる難しさや楽しさなどを体感することができました。
また、本工期中には地域交流イベントや夏祭りなどがあり、加子母の方々と交流し貴重な時間を過ごさせていただきました。
この夏の加子母での経験・思い出は、学生1人1人にとってかけがえのないものになりました。

部材加工

ブレーナーがけ

鑿研ぎ

組み立て1

組み立て2

自炊の様子

加子母の風景と参加者

本年度制作物について

2019/01/16

□制作物
今年度は加子母で行われるマウンテンバイク事業の開始のため、「道の駅かしも」にマウンテンバイク倉庫を制作しました。お施主様の「店内からも外からもマウンテンバイクが見えるようにしたい」というご要望のもとガラスと壁の高さを調節するなどの工夫をしてセキュリティ性とディスプレイ性の両立に力を注ぎました。また、コスト面が問題になりましたが木材を極力減らし、小さくすることでコストカットを実現しました。
この倉庫が加子母の方々に愛され、事業の中心となり使い続けられる建物になってほしいです。

□まとめ
2018年度の⽊匠塾には名城⼤学建築学科から45名(1回⽣12名、2回⽣14名、3回⽣14名、4回⽣5名)が参加しました。2017年度後期から幹事会・ミーティングを重ねつつ準備を行い、4月からは制作物の設計を開始するとともに、道具等の準備、工期中の作業計画の立案などを、すべて学生たちが主体的に実施しました。8月11~13日のプレ工期、14~29日の本工期に45人の学生が参加し、「道の駅かしも」のマウンテンバイク倉庫の制作を行いました。10月からは次年度に向けた幹事グループを組織し、準備を始めています。プロジェクトを通じて高い学習意欲の向上や木造建築の構造・施工への理解の深まり、また、地域の方々や他大学との交流など通常の授業にはない学生の顕著な成長が見られています。

制作物「マウンテンバイク倉庫」全景

制作物の様子1

制作物の様子2

制作物 平面図

制作物 立面図

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