大学概要【2024年度実施分】次代のテーマに実践面で取り組むゲストスピーカーの講義・特論への招聘

理工学部

次代のテーマに実践面で取り組むゲストスピーカーの講義・特論への招聘
実施責任者:高井 宏之

選定した次代の建築に関わるテーマについて実践面で取り組む一線級のゲストスピーカーを、講義・特論の中で招聘し、講義の流れに沿った「実践的取り組み事例や立場」に関する情報提供を行ってもらうと共に、担当教員との総合的討論を行う。
対象科目は、建築学科の学部1~4年生の講義科目、または博士前期課程1年生の特論科目(非履修生や2年生にも声をかける)などで、常勤教員が担当する科目とする。

ACTIVITY

活動報告1

2024/07/18

特別講師:日髙仁(関東学院大学人間共生学部共生デザイン学科准教授)
開催日時:2024年7月15日(月)5限(17:00-18:30)
場所:共通講義棟南103
 
 理工学部建築学科の科目「建築計画概論」の一環として、関東学院大学人間共生学部共生デザイン学科准教授の日髙仁氏をお招きし、「建築アクション」からまちのより良いあり方について講義をしていただいた。講義には、同科目の履修者の他、受講希望学生も、院生を中心に多く参加した。
 内容は大きく4部構成で講義をされた。第1部では、「遊び」と「仕事」について、「楽しかった遊びは何か」「将来やりたいと思う仕事は何か」「遊びと仕事が結び付くことが自身の将来にどんな意味があるのか」を考えさせるような課題が与えられ、学生たちはシート作成に取り組んだ。第2部では、逗子小坪で運営されているカフェ「南町テラス」について、計画・設計からDIY施工、運営まで一連のプロセスを説明。同時にまちの魅力を、こうした取り組みを通して、地域住民に伝えることの意味が語られた。第3部では、学生たちとの活動の一環として、DIYで製作したキッチンカーやピクニック用に改造された自転車でエリアの魅力を伝えるツアーのデザインなど、モビリティを通してまちや地域へと広がる建築分野の裾野の広がりが語られた。第4部では、「人口減少」をテーマに、これまで活動されてきた全国の空き家改修事例を紹介。人口減少のより生まれた空き家が、新たなまちづくりや、人とのつながりづくりの契機になることが語られた。
 受講生にとっては、建築分野が射程とする裾野の広がりを学ぶとともに、建築学生として、今後、どんな心持ちで大学生活を過ごしていく必要があるのかを、学び・感じることができたのではないだろうか。専門的な内容ばかりか、教育的な内容も多く含まれた講義であり、満足度の高い内容であった。
(建築学科 谷田真)

日髙氏による講義風景

講義をする日髙氏

特別講義「米国の人口減少都市の再生」を実施

2024/12/10

特別講師:矢吹剣一 准教授(横浜国立大学)
開催日時:2024年12月9日(月)1限
場所:共通講義棟南203
 
 理工学部建築学科2年生科目「都市計画」の第12回(12/9)に横浜国立大学・矢吹剣一准教授をお招きし、「米国の人口減少都市の再生 -ミシガン州デトロイト市を題材として-」と題して講義をしていただいた。この科目では、都市計画法制や都市デザインやまちづくりの技術・事例を講義している。
 矢吹先生の主な研究フィールドであり、深刻な人口減少を経験したアメリカ北部の工業都市における都市計画の実践を通じて、我が国でも対応が迫られている人口減少社会における都市像や都市計画のイメージ・可能性を学生に膨らませてもらうことを意図し企画した。
 講義では、背景として自動車産業の衰退によって急激な人口減少に見舞われた米国五大湖周辺の都市空間の現状を日本の都市と比較しながら解説いただいたのち、デトロイト市を事例として、主にリーマン・ショック後から展開されてきたアーバンデザインの実践について紹介いただいた。
 人口減少により、大量の空き家が除却され、それに伴う空地の発生した住宅地等における緑地・農地等への土地利用転換の考え方、土地取引の仲介を担うランドバンクの役割、地域住民らによる都市農業等の空き地利用の実践、行政や都市デザイナー、民間事業者が連携したエリア再生のプロジェクト等について紹介があった。土地利用計画とそれに付随した多様な主体が連携した空間利用と再生の取り組みについて知見を得ることができた。また、日本や欧州諸国との違いも踏まえながら、人口減少社会における都市計画の考え方について方向性を示していただいた。
(建築学科 萩原拓也)

講義を行う矢吹先生

矢吹先生による講義風景

アリソン理恵さんの講演会を実施

2024/12/28

特別講師:アリソン理恵氏 一級建築士事務所ARA
開催日時:2024年7月17日(水)5限
場所:共通講義棟南103
 
 理工学部建築学科の科目「建築計画Ⅰ」の一環として、アリソン理恵さんをお招きし、グッドデザイン賞ベスト100も受賞している「MIA-MIA」をはじめとするプロジェクトの紹介をいただいた。講義には、同科目の履修者の他、受講希望学生も、院生を中心に多く参加した。
 講義では、東長崎の町で人々の居場所となっているMIA-MIAの紹介に加え、建築・街づくりとしての技術を紹介いただいた。更に、アパートを改修した事例や小学校での活動など、さまざまな規模でのプロジェクトから、多くの示唆に富む学びの時間になった。特に、「まちの営繕」という視点は、建築だけの問題ではなく、更なる広い視座を得ることができた。
 受講生にとっては、実践の伴った具体的な話は刺激が多く、更に、高次の書籍からの知見などは学ぶことへの意欲を育む内容であった。
(建築学科 佐藤布武)

講義するアリソン氏

講義を聞く様子

超高層住宅による都市再開発-錦二丁目再開発エリアとオリマチ錦

2025/01/03

名畑恵(NPO法人まちの縁側育くみ隊 代表理事/錦二丁目エリアマネジメント株式会社 代表取締役)

大学院建築学専攻の科目「建築計画特論」の一環で、6月24日に、錦二丁目再開発の見学会を開催した。
超高層住宅は、高容積率の確保、早期の資金回収の手段として、都市再開発においてしばしば登場する。しかし、このような再開発は従前の権利関係の複雑さから長期間を要し、多大なエネルギーが注がれる。また足元の用途計画、立地特性や従前建物の用途、開発者の思いにより多様な様相を呈する。この見学会では、具体的な事例を通し、具体的な開発プロセス、および足元施設の用途計画や運営管理システムに込められた考えを学んだ。
講師は、スタートした時からこの再開発に参画した名畑恵氏であり、開発プロセスにおける具体的な取り組み、苦労話などを丁寧に話していただき、そして計画地周辺を案内いただいた。
また、人口減少社会の視点から、20年に及ぶ再開発では地権者の代替わりが発生するが、価値観が異なる新しい世代の共感をどう得るかが再開発の進捗や現在のまちのマネージメントに影響を及ぼすこと。そして、彼らの心をつなぎとめまた仲間意識を形成するために、イベントや喫茶スペースが貢献していることの説明があった。
(建築学科 教員 高井宏之)

名畑氏によるレクチャー

外周道路から超高層住棟を見る

外周の歩道に設けられた設え

地域の拠点でもある喫茶七番のテラス

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