大学概要【2025年度実施分】歴史的景観の保全にむけた地域ネットワークづくり
理工学部
歴史的景観に寄与する建築群の価値を理解し、それらを守っていくことは容易ではない。
本プログラムでは守りたいと考える景観や建築に対して、地域関係者とその価値や使い方について、ワークショップや改修・制作を行いながら検討を進めていく。
学生自らのアクションを通して、保全の道筋を提案していくプログラムである。
ACTIVITY
歴史的建造物 御油「旧竹屋」の保存・活用に向けた協議
2025/09/01
かつて東海道三十五番目の宿場町として栄えた豊川市御油町には、当時の面影を今に伝える貴重な歴史的建造物が残されています。
今年度、私たちは「旧竹屋」の建物を未来へと継承するため、昨年に引き続き、御油連区の皆様や豊川市教育委員会と協議を重ねてまいりました。この取り組みは、地域の宝を守り、次世代に伝えていくための重要な一歩となります。
5月末から7月にかけて複数回にわたり協議を重ね、特に5月29日には、20人近くの学生と10人以上の関係者が集まり、大規模な会議を開催しました。
あいちヘリテージ協議会による視察
同日には、愛知県内の文化遺産の保存・活用を推進する「あいちヘリテージ協議会」の皆様が「旧竹屋」を視察されました。専門家の方々の視点から、建物の歴史的・文化的価値について改めて確認していただくとともに、今後の保存・活用に関する貴重なご意見を直接伺うことができました。この視察は、学生達の取り組みの重要性を再認識する良い機会となりました。
夏まつりイベント企画会議の開催
協議会や視察を経て、私たちは関係者と学生たちが一堂に会し、旧竹屋を舞台とした夏まつりイベントの企画会議を行いました。建物の魅力を最大限に引き出し、来場者に楽しんでいただくための様々なアイデアが活発に飛び交いました。地域の皆様が気軽に立ち寄れるような、温かいイベントとなるよう、具体的な内容の検討を進めています。
御油「旧竹屋」公開にむけた子ども制作ワークショップ
2025/09/21
7月、愛知県豊川市の御油(ごゆ)地域において、旧竹屋を彩る家具づくりと布のインスタレーションのための制作ワークショップを開催しました。
本ワークショップは、地域の子どもたち、学生、地域住民、市役所の方々が協力して、廃材や布などの素材を使い、創造的な表現を通じて地域に新たな魅力を生み出すことを目的としています。
子ども: 8名、学生: 6名、地域の方々: 6名、市役所職員: 1名 、教員:1名 合計22名が参加し、多世代にわたる交流が生まれました。
・ワークショップの内容
(1) 家具づくり
旧竹屋の建物の格子状の外観に合わせて、格子をモチーフとしたデザインの椅子を制作しました。
参加者は、自分たちが選んだ色の組み合わせで木材を自由に彩色し、その後、協力して椅子の組み立てを行いました。子どもたちは工具を使い、目を輝かせながら作業に没頭していました。
(2) 布染め
木綿の白い布に、子どもたちが思い思いの絞り(タイダイ染め)を施し、色付けを行いました。
完成した布は、旧竹屋の空間に展示するためのインスタレーション作品として使用されます。子どもたちは、絞りの形によって生まれる模様の違いに驚きや喜びの声をあげ、夢中になって布を染め上げていました。
参加した子どもたちは、椅子の組み立てや布の絞りといった作業に時間を忘れて没頭し、楽しみながら制作に取り組んでいる様子が強く印象的でした。特に、自分たちの手で作り上げたものが徐々に形になっていく過程で、大きな達成感や満足感を感じているようでした。
この度のワークショップを通じて制作された椅子や布は、 旧竹屋の新たな活用に向けた展示などで活用される予定です。